簡単に言えば、リビング系なら1Rストゥデイオでマンションが最適だし、寝室系なら1DKの和室アパートが最適。
さて、この認知はどんな心理を背景に分かれるのか?
実際床面積の有効利用から考えれば「和室6帖」が圧倒的に有利なんだけれども、昨今洋室マンションの需要が多くなっている。
和室6帖は「自分の部屋」認知が強く、洋室10帖(1DKと同等の床面積で3点ユニットだと居室の広さは10帖に相当する)は「独立した自分の部屋」認知が強い。
ここいら辺には微妙なところがあって、和室6帖には別の一面がある
「自分の部屋」だと「リビングは実家」的連続性であるのが一般的だが、メタポリズム的認知だと「リビングは喫茶店」な都市的連続性でもありうる(洋室だと狭い部屋ホテル型が相当する)ので、
「自分の部屋」認知・「独立した自分の部屋」認知・「自分の部屋」で都市的認知、といった具合にざっと三種類ある事になる。
ここで注目なのは「狭い部屋」じゃないか?
元祖メタポリズムとしては黒川紀章氏の中銀カプセルタワーがある。
ここでエポックなのは「狭い方がいいって性能評価のモデルもある」って事で、極端な表現だけれども「流行の1BOX多目的RV車の需要もあるが、FIATの500を中古で探して異様に狭い小型車を趣味性が高いと評価する事もある」って話、
実際retourブログ上でも黒川紀章氏の中銀カプセルタワーレポートは様々な論議を生んで、「同様の部屋は無いのか」とか多数の問い合わせがあった。
これは模型にも通じる話、
模型だと1/25スケールより1/8スケールの方がリアルとされて価格も高いんだけれども、必ずしも個人的趣味からいって「デカけりゃイイ」ってものじゃない。
リカチャン人形的な「理想の家庭のスモールパッケージ象徴化」が過ぎると、あれもこれもとミニチュアモデル化し、その延長で「広い部屋希望」になったりする。ところがこのタイプの希望は「原型が象徴化された理想の家庭なので」現実的な一人暮らしの広さを超越するような『広さ願望』に繋がってしまったりする(象徴化されているのでいくら広くても何らかの不満が残る)。「デカけりゃイイ」的希望に墓穴を掘ってしまうからだ。
個人的趣味性ってのは、「自覚された選択」の事で、決して無意識的なストレスではない。
極論すると「狭くてハイグレード」にこそ趣味性は良く表れてる事になり、ここを基点に「自分なりの家具のレイアウトに応じて広さの希望条件が逆算される」で丁度いい。部屋の狭さにも何らかの価値意識が無いと広さの有効性を認知できないからだ。なんつーか「単位の価値基準が想像できないと、数字に表れる意味を感覚として受け取れない」と考えればいいか、
「1mの認知が出来ないと10mを想像できない」と言ってもいい、
いやいや「3帖ほどの空間を個別の生活レベルに置き換えられる認知」の方が正確か、
そこから考えると、
「自分の部屋」認知・「独立した自分の部屋」認知・「自分の部屋」で都市的認知、ってものを具体的に捕らえる事ができる。
「家具のレイアウト」こそ「生活様式そのもの」だからだ。
この段階でリビング系の部屋探しか寝室系の部屋探しなのかがはっきり別れる、
代表的な例は「どんな体制でTVを見るのか(或いは仕事をするのか)?」ここの好みで、自分なりの快適な広さや部屋のキャラが決まってくる。
一切家具の無いストイックな最低限度の広さ(3帖縲・帖半をミニマム標準にするのがベスト)をベースに、それ以上の広さは『バリエーション』として考えればいい事になる。千利休じゃないけれど、狭い部屋だからこそ無限を表現可能だと見る事もできる。狭い部屋にも住居のイメージを評価できるからこそ「広い部屋が笑えるぐらい広く感じる」のだから、
話を元に戻そう(笑
「自分の部屋」認知・「独立した自分の部屋」認知・「自分の部屋」で都市的認知、はライフスタイルの選択そのもので、そこに優劣は存在しない。希望条件で重要なのは「間取り内容」で、基礎的u数ではないって事(そんな理由があってretourの公開DATAベースには全部間取りが添付するこことにしたって経緯がある)。
意外と重要な部分に「導線として右回りか?左回りか?」って部分がある、良く間取りに「反転タイプ」なーんて記述があるが、これって体感上「別物」と思っていい。右回りの方が走りやすい人もいれば左回りの方がいいって場合もある。
右回り左回りには「反対の効果」もある、
走りやすい方向回りの部屋は「移動が楽で安心感がある」が、反対周りの部屋は「回転に違和感があるので広く感じる」からだ。
選ぶ基準としては、狭い部屋なら順周り、ちょっと広めの部屋なら逆周りがお勧めだ。何故って狭い部屋は機能性がキャラで、広い部屋はその広さがエンターテイメント性をチャームとするからだ。
部屋探しの前にコンセプトを考えるときそーんなあれこれを考えると「自分の狙い」をみつけやすくなる。狭い部屋でもオッケーで家賃がまんま浮いたり、かなりの広さが必要でマンション限定からアパート優先に切り替える方が懸命なのを発見したり、欲しかった家具を再認識したり得るものは大きい。
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黒川紀章氏の中銀カプセルタワーレポートは以下

http://retour.seesaa.net/article/9161415.html
http://retour.seesaa.net/article/9186647.html
と、『その後』は黒川紀章氏HPに詳しく説明されています
http://www.kisho.co.jp/J_030_Topics_5.htm
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