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音響における広い部屋狭い部屋

2011年11月01日

(前回エントリー『部屋の広さ論再考』の続編であります)
狭い部屋で大音量を出せずにストレスを感じている人少なくないと思います。
特にヘッドフォンで音楽を聴く事が多くなった昨今「自宅の音量に不満がある」ケースは更に拡大しているでしょう。
薄型TVの弊害による音質劣化も輪をかけているかもしれません。
やっかいな事にここでドルビー系のエフェクトかかった再生に手を出してしまうと『ラウドネス依存症』みたいなものが発生してしまいます、
これは(脳内にもイコライザーがあるため)辛いもの好きな人の辛さがエスカレートする現象に似ていて、言うならば”ドンシャリ音”に耳が慣れてしまう結果「現実の録音現場には存在しない誇張音じゃないと我慢できなくなってしまう現象」です。
※こうなってしまうと録音もドンシャリ効果を意識した音源も多いため(ポータブルオーディオなどの再生の多い音楽ファイルは事前にドンシャリで録音されるケースが多い)、聴くべき中音域で何が鳴ってるんだかわからなくなってしまいます。
(全部ダンスミュージックのようにに聞こえる)

前回エントリーの広い部屋狭い部屋の論議と重複するのですが「広い部屋の大音量再生」は質的意味で極めて難しく、部屋自体の設計というか建材までオーディオの一要素となる割合がとても多くなってしまうため(”その部屋の音”みたいな割合が高まる)、狭い部屋で聴いている時には「これで大音量になれば」と思うほどありがたく無いものだったりします。
※確証は無いのですが「部屋が広くなればそれに比例してスピーカーエンクロージュアも大きなものに替えるべき論」はSPの容積と部屋の容積を狭い部屋の時と同じ比率に保とうって要素もありやなしやです。

一見部屋の広さだけの問題でそれほど差が出る事は無いと思っている方いらっしゃるかもですが、これは「狭い部屋の場合結果論でニアフィールドリスニングになるから」です。
(悲しいかなヘッドフォン再生に近づくって事ですね)
SPの近くで聴く分部屋の残響など付帯音は気になりません。
人間の脳は到達速度の早い方の音を優先するので単純化すれば「近ければ近いほど純度が上がる」って仕組みです。
その変わりメーカーはf特性(スピーカーの再生帯域の水平性:正確性)をスピーカーから1Mなどの距離でチューニングしていますからヘッドフォンと違いあまりに近過ぎれば再生バランスを失います。
ある意味一般家庭の再生の場合「6帖間再生」などが一番ローコストな上に癖なく鳴らしやすい環境なんですね。

オーディオマニアが再現無く高額な機器に凝ってしまう背景に「広い部屋における音量制限無しの環境で音を鳴らすことが難しいから」とも言えるでしょう。
(逆に言えば「たいした音で鳴ってない」)
又、長岡鉄じゃないですが大口径スピーカーの場合エージング(振動版のストレッチみたいなものです)には大音量で長時間必要なばかりでなく、高価で重量級のアンプ(電源が強力)は長時間のアイドリング無しには本領発揮しませんから、更に大変だこりゃな訳です。

■「考えてみればこの6帖間の再生はけっこういい音している」的な『6帖間の再評価』これはあっていいですね。
(所謂ミニコンにオーディオ的レベルを求めるのは意味違いますのでここは勘違い無く。最も安い部類でバラコンで揃える方が価格は同じでも遥かに音質は上です←最も大きな要素はスピーカーを選べない事と電源が分割されない事。)

■「もっと大きな音で聴けたら」という意味でオーディオ機器のバージョンアップを諦めている方、「それは違う」と思いますよ。
「6帖間の再生は環境としてかなりのレスポンスを期待できる」からです。

要注意なのは(昭和のスーパーカーブームの折に多数の一般自家用車にターボチャージャーが実装されましたが「そんなに速く走る場所など無い」結果肝心のタービンが「全然回ってないから」みたいなナンセンスはあるワケでして)「デカ過ぎるスピーカーや低能率な高級スピーカーは無理ですよ」って事でしょうか。
(前述のとおり大口径SPは慣らし再生も大音量を必要としますし、高級低能率SPは強力な電源を持つ高級AMPじゃないと鳴らないのです。)

注:上記の『6帖間』は江戸間における6帖を前提としていますから(古築APなんかはほとんどが江戸間)、築浅マンションなどで帖数基準が団地サイズの場合(江戸間の8割→団地サイズの7帖より江戸間の6帖は広い→極端に言えば江戸間6帖は団地サイズの8帖ぐらいの広さがある)これは本当の意味で狭くなってしまう上に”マンションは音が響く”ので「築浅マンション6帖での再生」はかなり厳しいのは事実です。
(参考までに、SP選択において「築浅マンション6帖の場合」にはバスレフと相性が悪いとされダンピングの効いた密閉式選択がベターというのが通説です。)

古築木造APは見掛け以上に高性能だったりするんです。
引っ越しを断念して「オンボロアパートに高級オーディオ」アリだと思います(笑


注:音の迫力って意味では”ダイナミックレンジ(音量の大小音差)”などとして表現されますが、ここも広い部屋の場合には部屋の固有音などの付帯音が結果SN比(ノイズ比)を悪化させるため「極小音が聞き取れず」→「大きな音で鳴っているのに迫力が無い」となる事も珍しく無いため、「ダイナミックレンジを拡大するため広い部屋で大音量側を大きくするより狭い部屋でも極消音側のクオリティーなりリニアリティーを改善する方がコストパフォーマンスは高いのです」。
昭和憧れの大音量再生のネタ元は『映画館』なんですが(なので米国製のPA系ブランドが人気となる)、映画館は音楽ホール同等の設計されてますし”対抗面に配置された無数の座席”が相当以上に中音域の残響を抑えているので”広いリビング”との比較にはならない。加えて映画館などで使用されるPA用機器は市販品には存在しないレベルで高能率であるためダイナミックレンジの組成そのものの水準が違うのです(何故か現代社会では高級オーディオは押しなべてf特重視の低能率設計)。←「音の速さ」などと表現されます。


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posted by kagewari/iwahara | Comment(2) | TrackBack(0) | 暮らしの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのコメント
こんにちは。ご無沙汰しました。1R向け音響システムと考えると、今ならONKYO CR-D2LTD+DALI ZENSOR 1くらいのエントリレベル(それこそミニコンポと同じ価格帯)の製品を静かにならすのが良かろうかと思っています。安価なUSB DAC経由でPCオーディオつう手もありますね。

S50年代大学生風の、オンボロアパートに大きめのコンポ、という郷愁をさそう構成もアリかも知れませんケド、テクノロジ進歩の恩恵は受けたいのも偽らざる心境でござりまする。ではでは。
Posted by einen at 2011年11月02日 17:23
しかしあれですよね(笑
最近はオーディオの話しただけで”オヤジ認定”っスよね。
(昭和のゴルフネタ級でしょうか)

私も考えているんですよ実は、
>テクノロジ進歩の恩恵は受けたいのも偽らざる心境でござりまする。

■古くなって使っていないノートPCを音楽専用の母艦にしてみたら作戦。
(CDのライブラリを全部MP3で取り込んで最強のジュークボックスにする)
私はポータブルのMP3を使う事が無いって部分もあるんですが、再生のコントロールしかり(昔のADのように)「手元にノートPC」延長ケーブルでAMPへというレイアウトはアリでは無いかと。
(昨今ちょっと前のIBMが1万ちょいのご時世です、)

ノートPCオーディオ出力の弱点はUSBオーディオ変換機器などでカバーすればノイズからも逃れられますし、省電力のモバイルPCであればノイズそのものが小さくなります。

再生側は音源ノートPC母艦のみとして、
AMPとSPの予算を拡大すると。
なかなかイケルアイデアではなかろうかと思ってますよ。

Posted by kagewari/iwahara at 2011年11月03日 04:21

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