私は欧米の建築にそれほど詳しい訳では無いのでその点は一部アレですが、ご存じのとおり本来「マンション」の単語は高級建築のみを指すもので、日本で所謂ひとつの「マンション」として流通している言語の住宅は欧米的にはアパートメントであり木造も非木造も区別ありません。
(日本でも過去『団地』と呼ばれたものも現在の分類では「マンション」です。)
日本が上記表示となっているのは公取の表示上ガイドラインから来ているもので、「非木造のもの(軽量鉄骨を除く)がマンション」「木造のもの(軽量鉄骨を含む)がアパート」というカテゴリであるところに由来してます。
詳しく付け加えておくと、上記の非木造というのは「ビルや棟として」を占めているので内部造作壁的に分割されて別号室化していても(正確には一部木造みたいな)「表示上はマンションみたいな」グレーな分類になります。
(表示上はマンションでRC造とまで謳っていても木造アパートより遮音性が低いという某なんとか大手の某マンションシリーズみたいな、、話も出ちゃうのです。)
また細かい事言えば、棟がRC造でも壁などの造作がGL工法なんかですと(接着剤でコンパネ張りする工法)、壁が太鼓鳴りするですとか、床もデッキフロア造作の場合特にマンションは通気性が無いので劣化しやすく床が鳴く部屋も時折見かけます。
新築や築浅マンションに時折見かけるALC(発砲コンクリート)に遮音性能ある的話を聞いた事ありませんし(これは建材の問題なのか施工の問題なのか私にはわかりません)、
『マンション設計のキモは配管最短距離の水回り』という原則から「随分自由な配管ですね」な設計の中には「床下デッキフロア工法の代りに下階の天井裏に下水配管している」ものまでありまして。【物件概要】から推し量れる遮音性能は限界があるのは”事実”です。
■以前retour&Retourブログで紹介した「ナチュボーンの音楽マンション」という「やたらと遮音性に強い部屋」も構造的には鉄骨造ワンフロア占有型の小規模事業系ビル建築で、RC造ではありません。
(管理会社担当者も「何故こんなに遮音性強いのか不明」というツワモノでした。)
昔々木造アパートが主力時代に学生アパートなどに見られた「建築キット工法的な軽量鉄骨(プレハブ建築)アパート」が遮音性に弱い事が広く知られていますが、昨今は軽量鉄骨でも高級注文住宅のような種類もありここも一概に類型化はできません。
最近そういう物件表示ほとんどありませんが「重量鉄骨木造アパート」なんてのも昔ありました(木造でもいかにも強そうですよね)。
RC建築の中でも遮音性が相当強いと知られている(管理会社曰くかなりの音量で音楽問題無しとの弁)某マンションでも床仕上げは通常15oのコンパネで、管理元社長さんにその棟の中でも更に遮音に強い部屋を紹介してもらった時も「この部屋は床24oだから特に強い」という話を聞いた事あるんですが、昔オーディオファンの人間から言わせてもらいますとスピーカー工作で15o合板(コンパネ)といえば強度的に最低限でありまして(補強桟付けるのがマスト)、「24o〜かなり立派な水準、できればバッフルだけでも15o二枚重ね30oで」という感覚でしたから床が鳴る・鳴く・ダンピング不足など起こって当然なんです。
(ペット専用防音建材シートも相当厚みのある部材ですが勿論通常の建築には使用されません)
『遮音』に絞って話を勧めますと、密閉性や強度も確かに重要ではあるんですけどある程度の低周波以下になると強度云々だけで無くガッチリ質量がある部材じゃないと遮音は不可能です。
オーディオの世界ではダンピングに金属砂などを利用するレベル(音楽スタジオなどの扉は重量級の防火扉みたいな仕様ですよね)。
欧米の建築の実際の遮音性能は詳しく知りませんが、欧米は梅雨が無いため外断熱候補が可能で外壁もリアルに煉瓦や分厚いタイルですとか(これがまた地震も少ない上に築100年とかも普通なんで)、本当に古いものなら組積式石造り的なものまであるでしょう。現代的な効率的軽量建築との違いもおおよそ想像つきます。
(耐震性は日本の非木造が何倍も強いと思いますけど。)
GL工法や最近作の建築の施工上の問題として問題になっているのがPSや配線用の空洞など「なんやかんやと施工上の壁厚と関係無い部分からの音漏れ」です(そこだけ電気コンセントのプレート一枚みたいな)。音と言うのは高周波になるほど方向性があるので筒抜けでも経路が迂回していれば減衰しますが低音域は(背面バスレフなどでご存じのとおり)経路が何回折り返しなっていても減衰しませんし、映画の重低音ともなれば(車のエキゾースト配管でガラスがビりつくとか家鳴り騒動起きるみたいに)そのエネルギーは半端なくてですねコンクリ10cm厚ぐらい余裕で貫通するパワーあったりします。
(ちなみにRCのかぶり厚(鉄筋までのコンクリの厚さ)は外壁で4cm〜5cm表裏で×2ってところで、屋内造作的な間仕切り壁で一般に2cm〜3cmで×2とされてますから工法上別室○号室との壁がこの3cm×2なのか外壁並に5cm×2級なのか大きく違います。←奢った物量投入建築であればかぶり厚が厚くなるワケでして、この辺は築30年選手みたいなRC造のが期待できたりします。)
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posted by kagewari/iwahara at 18:49
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