トランプ大統領の登場もそうですが、英国含めて「グローバリズム」なる多国籍企業による(人件費の安い国へ安い国へと生産拠点が漂流する)焼畑農業的な合理性に疑問を残す”新手の覇権主義”に対し、有効な対応策は『政治』しかありません。
何ができるのかはともかく、その前に主権国家の在り方を立て直さない限り「どこで決めたのかわからない、意思決定に民意が関与できない国際的枠組み」により、グローバリズムが主権国家の上位概念であるような運営(大EU)が顕著になってしまう危機感です。
行き過ぎれば主権国家どころか法治国家としての実存すら危うくなるようでは、大国はともかく規模の小さい新興国家は主権国家としての独立すら危ぶまれる事になりますから、グローバリズムは民主制度そのものに脅威となる概念であり(グローバル企業に対する公取委は存在しないとか無理やり過ぎます)、昨今の国際的動きは「政治の役割とは何か」について世論が大きな関心をというですね、実に当たり前の流れだと思います。
左翼リベラル派からは欧州の難民問題も人権問題として認知されますが、
バックグラウンドで動いているグローバリズムは明らかに「安価な労働者の輸入(これは労働者を輸出した国家の過疎化荒廃である)」を目論んだもので、表向きと本当の狙いが随分と乖離しており、当事者国家の民意に対する信用を大幅に下げてしまった。
内実を知れば、表向き人権問題で押し出されるテーマは「あたかも地球温暖化をテーマに環境問題を推し進める話のバックグラウンドに原発推進企業がいましたよね」とかの流れにも類似しており、
当事国の民意から言えば、人権問題などのポリティカルコレクトネスななんとやらメディアも(民間企業なのだから)グローバル企業サイドなんでしょ的批判にさらされ世論の支持を失いました。
国内においても保育園反対運動しかり(事の是非はともかく)、
「政治」というものが個々人の身近な生活の中で重要度を高めています。
(相対的に「ナショナリズム系のがまだ立ち位置は民主派だね」になっちゃったんですよ。どんだけ左翼リベラルってものが信用を失ったのかって話です。)
■それだけ世界は豊かになったのだと思います。
工業化に始まり、ロボット技術でありAI化(無人生産)も促進するでしょう。
先進国は雇用の主力を第三次産業にシフトすると言われるなか、市民の政治参加もフリーエコノミー的GDPとして増大していくのでしょう。
●若い人はご存じないかもですが、昭和の日本では「政治の話なんて(難しいから)するもんでは無い」なんて”予定調和な空気”があったのは事実なんですよ。
どういう場も何も公式・非公式に関わらず「場が白けるから政治の話は(どこでも)するな」みたいな雰囲気って本当に存在してましたからね(更に女性差別的に「特に女は」みたいな傾向も顕著でした)。
随分時代は変わりましたよ。
昨今喫茶や格安cafeが高齢者の方で賑わっているなんて姿がありますが、政治談議が喧々囂々語られていたりするのです。
いよいよ政治が(自分達の関心事項として)感じられている。
英国のEU離脱にしてもトランプ支持派の市民も(ニクソン大統領の選挙運動関係で有名となった用語らしいのですが)「サイレントマジョリティー」階層の政治参画として、政策を自分達の手に取り戻す事を望み、そこに着眼したサイドが勝った。
「ナショナリズムが台頭しているみたいな安直な話では無い」と断言しておきます。
(勿論英国やトランプ氏の個別政策がそのまま支持されたのでは”無く”、敵か味方か的判別においてポリティカルコレクトネスな左翼リベラルそものものが「市民の敵判定」されている世論に左翼論陣は気が付くべきです。←過去左翼リベラルは市民の味方を売りに(商売)していたが故にこの背景は大変に重い。お得意様を敵に回しちゃっているんですから。)
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