やっかいなポイントは築年数でしょう(1)
2019年06月01日
ここの判断で一番大きいのが耐震性かなと、
(RC造はビンテージクラスであれば旧基準でも下手すると現代作より強固なので例外としても)
築年数の古い「木造と鉄骨造」の耐震性能が弱いのは”事実”
更に築30年を超えるような鉄骨造建築は必ずしも”多くない”ので、
この論議の主役は
1)「古築木造アパートをどう考えるのか」
2)RC造マンションの耐震性能評価
だいたいこの2点です
●木造アパートの件からいきましょうか。
古築木造アパートの場合低層小規模住宅が主となるため、地震で身の危険を感じた時には早期避難をベースに考えることになりますから(避難も容易)、火元やブレーカーなど避難の段取りをしておくことが重要となり、そこを踏まえて廉価な賃料で暮らせますよという存在になります。
(構造的には古築木造モルタル建築ですね)
木造は改装工事も容易であるため、リノベーションを経て驚くほど綺麗な木造も存在しますし、背景踏まえて選択する場合、非常に有力な存在です(日本建築なのでB・T別も多い)。
※ちなみに現代作である木造2×4住宅の耐震性は鉄骨造に準じるものなので避難優先で考えることの無い耐震性を備えている。
●前述のように往年のビンテージクラスRC造建築は(その中最強なのが霞が関ビル)、当時は「建築基準の倍の強度で建てる」とかごく普通の事だったりするため(逆に現代は基準値ギリギリにコスト計算していたりする)、下手な現代作より強固だったりします。
建築内容が良ければ理論上コンクリートは無限に強度を増すため、RC造マンションの場合「築30年選手あたりからが”本物の性能”」なんて話もあるぐらい。
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勿論【ここ重要】それが可能なのは(底地評価が高い=当時から上物の建築の融資を余裕で受けられる)底地評価の高い都心建築の場合となります(故に名の知れたビンテージなら尚安心)。
故に郊外に何故か存在する”再開発型のRC造”には疑問も残るんです。
(底地評価から資金調達が容易では無いため)
(逆にいかにも資産家豪農の大家さん個人が建築したものは安心←大家さん自身に資金力がある)
十分な物量投入で建築されているのだろうか?
加えて「郊外のRC=将来値下がり幅も半端無い」などなど、別の意味で考えてしまう部分があるのです。
(ここ湾岸の高層タワーにも言えることですが)
低層木造と違い、もしもの事があればマンションは規模が大きいため避難も容易ではありません。
特に設計上ピロティー式で1階に駐車場のある建築は阪神淡路の時にも問題が多く出た事が確認されています(同タイプの建築は素人目でもある程度見たままで強度わかるので)、内見などの時にしっかり確認しておけば心配無いでしょう。
●逆に言えば開発の歴史から
「往年のビンテージRC造は都心にしか無い」とも言えるのかもしれません。
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