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最近多くなった『解約届無し』の部屋探し(2)

2006年06月08日

解約届無しの部屋探し特有の失敗要因を考えてみると、そこには複数の背景が考えられる。
@インターネットポータルの不動産情報の見過ぎ
Aそもそも引越しのコンセプトが曖昧
B引越しのコンセプトに抽象概念が入りすぎ
C思い入れが、思い込みに変質している
D現実に対して逃避的だったりする
E最初から物件知識に偏りがある
ここいら辺の逆逆といくと部屋探しに成功する事になるのであって、ここは個別に説明してみたい。

@インターネットポータルの不動産情報の見過ぎ
一般的に広告会社になるインターネットポータルサイトは「先物登録」を可能にしている。さて、先物登録って何だろう?これは自社管理物では無いのに、営業会社として他者管理物を広告登録する事で、既に成約済みの部屋がそのまま放置されているケースがある(更新年月日ってのは公正取引委員会の指導で設けられているんだけれども、これはポータルのDATAベース上で定期的に更新の手続きをしないとDATAが削除される仕組みの事で、この削除は管理画面で『更新』すれば自動的に更新され登録は継続する仕組みになるのでその都度空室確認を取っている保証は無い)、簡単に言うと「釣り広告」が混在している可能性があるって事。
なもんだからネットの情報だけだと「常に複数のビッグチャンスが並列している錯覚」を引き起こしてしまう。
※ポータルサイトへの先物登録は、他社の管理物件でも仲介会社の費用負担で広く情報を広告(有料)するものなので、有益な情報であるのは確か。

Aそもそも引越しのコンセプトが曖昧
特別に引越ししなくちゃいけない事情が無い場合にには、引越しについての「企画意図」がある事になる。「洋室の生活から和室へ」とか「アパートからマンションへ」とか「マルチルームから1Rストゥディオへ」とか「広い部屋からあえてハイクオリティーの狭い部屋へ」「デザイナーズからレトロマンションへ」等、
現状の部屋に明解な不満点があれば、そこを改善するのが企画意図にもなる「ゴージャスなキッチン希望」とか「リビングのある部屋へ」とか、
ここが曖昧で「今よりなんとなくいい部屋に」ってなると=「簡単に言えば今より賃料の高い部屋への引越し希望」だけれども、ここで「できれば安い部屋に」とかのカウンターの思考が組み合わさっちゃうと、その時点論理矛盾を発生させてしまう。
(その場合には「ともかく安い部屋希望」の方が明解)
B引越しのコンセプトに抽象概念が入りすぎ
ここは前回の話「いい部屋幻想」、
自分にとってのいい部屋という発想ではなく、「巷間伝わる俗に言ういい部屋」という発想になってしまい、何を探しているのか企画意図自体がはっきりしなくなる。

C思い入れが、思い込みに変質している
「こういうスペックの部屋じゃないと住む気にならない」これは同時に「こういうスペックの部屋じゃないと私は暮らしを営む事が出来ない」と同意で、不動産会社で空室調査している側の立場からすると「賃貸弱者」って認識になってしまう。
当然前者はいい部屋探しの思い入れのつもりでの問い合わせになるんだけれども、ハイスペックの希望は「高い賃料の部屋」か「築年数無制限などの戦術的な条件」なんかの裏付けによって担保されるもので、希望条件にそれを実現する要素が無いと単に「無理な問い合わせ」になってしまう。
調査結果から(当然調査範囲の全空室は調査済み)「もっと探して欲しい」となっても探す側からすると探し様が無いのであって、この段になると「追加で調査して前回ボツ候補」なんかを掘り起こしてもおおよそ結果は良くない。

D現実に対して逃避的だったりする
実際「今ある自分のチャンス」って概念は自分自身が変わらない限り実は普遍的であって(これが「部屋探しを始めようと思ったその時がベストタイミングである論」の根拠)、それは“今の自分の肖像そのもの”なんだけれども、これを幸せと歓迎する事は同時に今の自分に対する信任でもある。
ところが、この今の自分自身に不満があって、その不満から逃避的(何らかの解決を先延ばしにしている等)だったりすると、部屋探しにもこの考え方が影響してしまう。
「逃避的=現実から離れた理想化が無制限に進行してしまう」ので、本来空室調査をして送付の資料を見る事は「それ自体楽しかったり、面白い事」になる筈(何かの機会に撮った自分の記念写真を見るのと基本的には同じ意味)なんだけれども、そもそも送付資料を見る時の「入り」が、疑心暗鬼になってしまう事がある。
極端に言うと「騙されたらどうしよう」みたいに。
調査の依頼を受けている側は「希望に添った部屋を探して、幸せな部屋探しに貢献して内容のいい仕事がしたい」って事に利益を感じているのだから、騙すも何もそういう動機は無い(そういう心配があるのは「自社物のみの営業」をしている営業バリバリ会社の申込み追い込み時のみ)。
これを打開するのは探す側の立場だと、経験や問い合わせの流れから「隠された本音はこういう住居じゃないのか?」を読んで物件探しをする以外に方法が無いので至難の業。

E最初から物件知識に偏りがある
ここの解決は簡単、それこそネットの情報なんかで自分の希望のタイプの部屋がDATA上何uなのか?とか、他にどんなヴァリエーションがあるのか等を事前に調査しておくと解決する。
「築浅信仰」だったり「アパートがマンションより高性能な場合がある事」だったり、その辺はretour&Rtourでも読んでくれたら深まりますよん。


随分と長い話になっちゃてるのだけれども、『解約届無し』の部屋探しが賃貸相場自体を動かしちゃっている話に移るとしよう。

『解約届無し』の部屋探しが賃貸相場自体を動かしちゃっているのは事実、
<つづく>

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posted by kagewari/iwahara at 16:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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