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分譲か賃貸か「イントロダクション」

2006年07月03日

retour&Retourって不動産関係のブログでも何度かこのテーマについても書いてきた。とても複雑なテーマになるので、一律にこうって解答は無い。
言い換えると『分譲か賃貸か』ってテーマは不動産コンサルの介在無しに安易に決めるものでは無いと思うし、それが結論でもある、
その根拠となる課題を心理学的解釈を含めて何点か説明してみたいと思う。
まだ不動産関係の相談をするほど差し迫っていない人の「参考」にでもなってくれたら、結構意味あるんじゃないかとも思う。

第一に背景事情を整理しなくちゃいけない、
「不動産の価値をどういう定義で認定するのか」だ。
株と同じで、不動産の価値を「担保価値(簡単に言っちゃうと銀行が幾ら融資するのか)」から考える見方もあるだろうし、経済動向によって大きく価値の変動する通貨や債権に比べて変動が少ない(この認識はバブルとデフレによって崩壊:後述)という安定感から見る見方もあるだろう。
事業性から評価するなら、生産性も大事だろうし収益率も大事になる、
事業物件になると「u単価の安さが=評価が高い」を意味しない、u単価の高い土地には『高い収益性』もあるので、不動産の評価は「事業の内容」によって変化もするし、その不動産を担保に銀行から新規資金需要をまかなう事を計算に入れる経営もある。これは売買に限った事では無く、個人業主が賃貸で事務所を借りる場合にもクライアントに対する仕事の見積り額が「住む場所や物件の内容によって変動」する事もあるので、高額賃貸を借りる方が結果的に収入増に繋がるって事例があるのは確か、
この事業性に関しての評価は、個人の住宅に対しても適応できる。立地と通勤時間の関連性は生産性でもあるし、担保価値は住宅ローンの支払いが破綻した時のリスクヘッジでもある。
固定資産税を含む、維持コストとなるとこれまた様々。
流行のタワー型マンションは、果たして将来メンテナンスに幾らかかるのか設計者にもわからない例も多く(修繕積み立て金は「必ずその金額で修繕できる」を保証するものではない)、資産として見るなら相続税の事も考えなければならない。
つまり、
不動産に対する価値意識は個人個人の判断によるのであって、普遍的な定義は無い。
むしろ心理的に「持ち家」であるとか「借りているより自分の家」的な満足感の方が大きく、価値論的な詰めの論議を十分に尽くして決めていない例が多いのでは無いだろうか?

第二に、最悪の購入例から「いくらなんでもこれはダメでしょう」をシュミレーションしてみよう。
世間はすっかりあの耐震偽造マンションで大騒ぎしたのだが(背景には競売崩れの再開発であるとか、住宅ローンと競売取り下げのトレードオフとか話はもっと複雑で、マスコミが視聴率目当てに報道している内容と現実には大きな開きがある)、確かに話題性は高かったと思うけれども、特に地方には「もっとわかりやすい詐欺同然の問題」がある。むしろ最悪なのはこっちだろう、
話は簡単、
地方は所得水準は低くても、ご存知のとおり持ち家率は高い(自家用車率も高い)。ここで宅地開発をして「頭金不要、月々5万円で明日からこの建売住宅に」って広告をじゃんじゃん新聞チラシに入れる、当然その住宅ローンは高金利で、住宅自体も安物の一戸建て、支払い年月も30年縲怩ニかになっている、
このデフレで、支払いに困りだしたり、そもそも早期退職とかでローンが15年も残ってしまう事も計算済み。そこでこれは予定通り後に売家になるんだが、当然宅地開発された郊外だし上物も安物なので二束三文の売値しかつかない。
よーく考えると、やたらと金利を支払っただけでローンの一部が残るだけ、
ぐるっと回って、業界はこの家の売買取引を「格安物件!」のコピーで始め二度儲ける仕組み。
実は「賃貸住居の家賃を銀行から前借していただけで、その借金が退職後に残っているだけ」って話。そもそもその宅地開発の結果「子供も持ち家」なのだから、購入した家を相続する対象者は最初から無かったのであり、購入動機は「借りるなんて損」って新聞折り込みだけだったりする。
これはほとんど詐欺です。

東京のマンション購入にこれを当てはめてみると、
「このゼロ金利時代に賃貸なんて。家賃より安い値段で購入する事ができます、」なーんて広告に始まる。
ところがこういう広告の下のほうには「広告のローン条件は一例です」なんて記載があったりする。
これはどういう意味か?
銀行の「なんちゃら楽々コース」とかの住宅ローンは「審査の結果」であって、本来意味が無い。話を簡単にすると「その支店に10億も預貯金があれば、支店長決済でほとんど金利ゼロで融資が受けられる」のであって、財務体質が悪かったり勤務先が有名企業でなければそうそう「楽々コース」にはならない。しかも一度ローンの審査に落ちるとこの情報は他の金融機関の知るところになるので、「あなたの場合金利は○%になりますね」を容易に断るワケにはいかない、知らない間に長期変動金利ローンコースになってしまったり・・・。
同時に担保価値はその不動産でもあるのでから、不動産自体の査定内容が良くなくちゃいけない。価格の安い旧法借地権とかの掘り出し物ではローン審査が通らないケースもある、
購入するものを開発業者と金融機関に誘導されている感じがしないか?
そして、儲けるのは彼らである(金額が大きいので仲介業者の利益も大きい)。
肝心要の銀行は、融資といえば不動産を、、、
おかしくないか?
バブルでご存知のとおり、経済実態が傾くと不良債権の形で大量の不動産が流通し不動産市場は暴落する。
つまり、本来景気動向に左右されない筈だった不動産は、土地本位制とも言える銀行サイドの事由で「極めて強く実際経済にリンクしている」事になる。
土地の価値が安定的であるためには、そもそも土地取引自体が安定的で頻繁には購入できる物件があまり流通していないくらいでちょうどいい。
それこそ大地主が売らない事でその価値を維持する(日本銀行みたいな機能)って側面があっての土地の資産価値でもある。(流通しないからこそ「土地は相続するもの」って側面があった)
ところが巷は「売買物件に溢れている」
この時代に「完成前に完売御礼」なんて事がある事自体大問題でしょう。
賃貸住居で申込みの条件が「内見」なのは、キャンセルや早期退出が怖いからで、賃貸でもそれだけ気を使うのに、何千万円もの購入を完成前にしてしまうことはちょっと考えられない。(そんなこんなで、ウチの会社は住宅購入に関してはとても慎重)
格安の中古売買の方がよほどリスクは少なく(内見できるし)、資産としても元々格安なら『車の購入』に近づくので減価償却的年限も短い期間で考える事ができるから、事情によって後に転売しなくちゃいけない事になってもその価格はあまりナイーブな問題では無くなる。
実はこれって「大家さんが自分の家に住む的運用で、賃貸の時よりちょっと得をするかもしれない型売買、実質賃貸だったのかもね(笑」になる。
簡単に引越しはできないが、自由に自分の希望の内装にリノベできる。
大家になるって投資行動にしても、転売による売買益で考えるのではなく、賃貸収入による利回り収益が大事なのであって、完成前に購入ってのは「損する事なんかまったく気にもしていないお金持ちだけの話」だ。

つまり、売買と賃貸には思うほど大きな違いは無く、どちらを選択するのかってその人のライフスタイルと、不動産に対する価値意識で違ってくるもので「こんな人生設計なんですが、これどういうスタイルがいいのかしら」を不動産コンサルをしている業者に聞いた方がいい。
安易に判断すると、「そんな業界のシステムが儲かっただけって話のビジネスモデルの部品のひとつ」でしか無くなってしまう。

第三に心理的な側面を考えてみよう、
一昔前なら「持ち家=金持ち」「賃貸=貧乏人」みたいな乱暴な印象がまかりとおっていて明らかな持ち家志向もあった。
ところが現在東京にはそんな志向はナンセンスであることが証明されつつある。
高額賃貸の存在だ、
高額賃貸にもふたつのパターンがある、法人契約エリート外国人向けの住居に始まって住宅ローンの審査が厳しい自営業の世帯向けの住居と、晩婚化に始まる30代縲怩フシングル向け住居だ。前者はローンの関係で購入できないだけで、そこいら辺のマンションを購入している世帯よりはるかに所得が大きいし、後者のシングル住居は「これから結婚するのかとか特に決めていない」のだから買ってもしょうがないし可処分所得が大きいので特別に安い賃貸住居に暮らす必然性が無い。
イメージとしては、堅気のサラリーマンで中間所得層の世帯が住宅ローンに苦しみながらマンションを購入し、どちらかと言えば自由な人は賃貸住居で伸び伸びと暮らししている。
そして、都市部ともなれば余計に「結婚し子供がいたとしても老後に同居はしない」ケースが多いのだから、面倒な財産があってもって側面が強い。

分譲か賃貸かって決めるのは自分自身で「全てケースバイケース」であると言える。
ちょっとだけ精神分析的な話を付け加えると、昨今のメンタル系の問題はほとんど親子関係であり家族問題であるとも言える。当然『家』の概念は象徴化され、家そのもにアンビヴァレントな感情を持つことも十分考えられる。
結果的に、無意識に「購入ありき」で冷静に考える事が出来ずに安易に購入に走ることだけは避けて欲しい。
趣味性だけから考えるなら、賃貸の方が面白いのだし、
ある意味その面白さの分だけ、売買よりちょっと贅沢なのが賃貸と考えるといいかもしれない。
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posted by kagewari/iwahara at 20:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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