エントランスは改装されている部分もありますが、階段の独特のデザインは健在で
この階段のデザインは、エントランス以外でも秀逸なのです。
全体を通して”歩くと”感じられる事ですが、このビルは明らかに『石化』しています。
コンクリートの強度に関しては、様々な説もあり又この時代のコンクリートには成分も現在使用されているものと若干違うとも言われています。
それも関係しているのか、歩いた時に感じる”硬度”のようなものって、なんていうかあれこれと物件周りをしてくると感じられるんですよね、これうまく説明できないんですが、
このビル間違い無くカチカチです。
竣工も関東大震災間も無くという事もあって、当時としてもこれを考えない筈もなく想像以上の物量投入が行われている事は間違いありません。
よく耐震性評価で建築基準云々言われますが、「ギリギリで造る」のは昨今の話で築年数の古いビルやマンションの名作は独自の基準で建築するもので、当時の建築基準がどうこうとかいう評価以前に、建築基準を超えるオーバースペックで建築する事も珍しい事では無いからです。合理性一辺倒の現代建築ほど「ペラペラ」に見えるのはそれが原因で、地震が怖いので法改正後のマンション希望なんてのが場合によってはナンセンスであるのはご存知のとおりです。
フロアもレトロで、
この階段のステップにも歴史を感じます
最上階への踊り場には
素敵な窓があって、外に見えるのはルイヴィトンのビルです。
まるで過去から現代を覗いているような錯覚を覚えます
ここから上に上ると屋上へ出るのですが、流石にこの部分の共有スペースはニーズが無いのか流石に整備されていなくて、内装状態はかなり悪いです。
朽ち果てるままにまかせても、まだ全然現役みたいなこのビルの底力みたいなものを感じますね。老いる事を怖れるのではなくこれを誇りに思うような風情がこのビルの品格なのかも知れません。
とビルを後にして、帰り道です。
一区画回り道して戻ろうと歩いていると
これまた素敵な葉巻屋さんが。やっぱここは大人の街です、
銀座界隈を歩いていて気がついた事があります。
「やたらとポルシェが多いな」
東京西部の高級車と言えばそれはベンツやBMW辺りですが、銀座じゃポルシェなんですよね。そんなところにも文化の違いを感じるのでした、
瀧山町ビルヂングいかがでしたでしょうか。
次回”Teorema”ルポですが、又「銀座かしら」です。
取材が何時になるのかはまだ未定ですが、これからも東京の建築をぶら縲怩チと紹介していきますよ、お楽しみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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