実際不動産仲介の仕事は儲からない。
勤務時間等あって無いようなものだし、果たして何時間働いているのか計算もできないのけれど、ひとつの案件で一週間丸がかりってケースも無いじゃ無いから、逆算すると利益率は急速に落ちる。自分の人件費なんてものマジに計算に入れると大変な事に(笑
現実問題数週間かかった案件のお客さんから突然音信普通って事も無い話じゃないし、
そういう意味では、盛んに家主営業して自社管理物件を増やし、来店客に「推薦物件」として単純に利益率の高い自社管理物件を強引に案内する会社の気持ちもわかるって言えばわからないじゃない、
だけれど、しがらみ無しで全ての管理会社の空室物件を公平に紹介するって立場は、やはり面白いワケで、この探偵みたいな仕事の性格って、仲介系特有のグルーブ感というかスイング感というか心地いい物がある。
それこそ富の概念じゃないけれども「貨幣化されない利益を享受している」と言えば僕は高額所得なんでしょうか(笑
5億の案件も取り扱うし、賃料30万オーヴァーの高級物件の案内も珍しくは無いので「うーん20万超えてこの内容だと厳しいですね」と易々と答えているんだけれど、そこには高額だから世界が変わるって事があるのかって言えば「無い」と断言できる。
所得のある人には、所得のある人なりの暮らしがあるのに違いないけれども、求める暮らしの内容って6万円のアパートと30万円のマンション、そこに乖離を感じた事が無い。
これ人物像も同じ、
同じ人間なのだから違う方がおかしいでしょう、
それこそ自宅でインターネットのブラウザ画面を見ている時に、その部屋が何万円のお部屋なんて世界は視野に入らない。6万円のお部屋でハイエンド・カスタムノートを開いている人と20万円のお部屋でコンシューマー用のデフォのPC画面を見ているのとでは、感じる環境はハイエンド・カスタムノートの方が上なのかもしれないのだし、
風評から考える一番の誤解は「どんなに金があっても人は一日3回しか飯が食えない(吐きながら食ったローマの貴族は別ですよ)」「寝室が3つあっても自分が寝る部屋はひとつ」に近いところの話で、6万円の部屋と20万の部屋を比べて、そこに何かエキサイティングな違いがあるのかって、あったら困るのであって、つまり20万の賃料が余裕な人だって「求めているのは平穏で自分らしい暮らしのできる空間」に違いは無くて、
広さやグレード、社会的に地位に相応しい暮らしも決して自ら望んでない場合だってあるんですから(好きな仕事をバリバリやっているだけって事もありますもの)、
職業柄高額所得の人や社会的地位の高い人との接点多いけれど、内見案内の会話には6万円アパートの人と”人の違い”を感じる事は無いし、高額所得の人が特有の優越感をもっているとか安い賃料の部屋に暮らす人を見下しているなんて事は無いですよ、それは偏見ってものです。
その人その人の暮らし方があるのであって、賃料で一律に決まるキャラクターなんてありません。先日のretourのレポートがちょうどいい参考例で、
http://retour.seesaa.net/article/45638505.html
つまり17uの空間があれば、そこに高級物件としての存在感を実現する事は可能なのであって(ここはTeorema”の奥野ビルレポートにも通じると思う)、その部屋を積極的に自分の部屋として肯定的に考えてインテリアやレイアウトを考えていくのが本来の「暮らしを考える」って事でしょう。
自分の部屋を肯定的に捉えられない事は、無意識に自分の人生の選択を否定している事にもなるので心理学的にも不自然な話なのだし、
そんな試行錯誤の上で初めて、自分らしい暮らしを新しく発見な流れの動機の結果として「引越し」や部屋探しってあるべきなんだと思う。
現状に対する不満を、部屋のグレードや賃料に転嫁するのはおかしな話で(賃料そものに限界があってもコンパクトなタイプで探せば必ず内容のいい部屋はみつかります)、先ず現状を肯定したところから「ここがこうだったらもっと素敵かもしれない」みたいな流れで考えていけば「その希望条件だとどう考えても賃料高くなりますよ」な結果にはならない筈。
次回はこの話の流れで、ちょっとお金の話を考えてみたい。
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貧乏ですが何か?(所得と家賃)
2007年06月26日
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