
国立西洋美術館は上野駅降りてすぐの立地にあって、隣にはバレエ公演なんかで有名な東京文化会館があります。

「あっアナニア・シヴィリが来てるじゃん」とか言いながら、美術館へ向かいます。

一見これが西洋美術館かと思ってしまいますが、こちらはお隣の東部公園緑地事務所なんですね、ここは広大な上野公園のエリアにとなるのでとにかく人通りの多いところで、

角を曲がると美術館があります。

確かに「いかにも文化的な建築」みたいなちょっとな縲怩ネ建築が多い中、ひときわ目を惹くシンプルでありながら存在感のあるデザイン。
確かに”これは違う”と思わせるデザインです。
構造的には、裏手にある新館をと合わせて中庭に向けて回廊式になる構造なので正面から見える窓は1Fピロティ部分だけで、外装の微妙にグリーンな仕上げが周辺の緑とみごとに融和しています。

美術館の周囲には彫刻の展示もあって
こちらはロダン「地獄の門」(ダンテの『神曲』から)

これって、「ハガレン」に出てくる例の門と同じかな縲・br style="clear:both;" />門の向こうはどうなっているのか等考えながら周辺を散策です。

ピロティ部分はかなりの幅が取られていて、その後ろが全面ガラス張りとなっている部分に開放感をそのデザインの特徴とするコルビュジエ風なるテイストを感じる事ができます。(上階への階段下は休憩場所として開放されています)
展示を見るには有料なんですが、美術館にはcafeや小さな販売店舗が入っていて、中に入るのは自由です。
館内から見てみると

館内の印象としてもいかにもデザイナーズな雰囲気は無く、自然な居心地のよさがあります。本来は展示ブースの方(デザイン的にはこちらが本命なんですが)も撮影したいころなんですが、これがですね美術館の規約として展示ブースでの撮影は不可なんですね縲怐A撮ってもいい部分もあるようなんですが、ここは無理をせず展示ブースは諦めてcafeに行ってみます。
こちらがcafe店舗内から見た中庭と新館(向こう側に見える奴です)

見事なお庭で、小公園ぐらいの広さがあります。

屋上庭園のコンセプトをそのまま立体化して中庭として展開しているといったところでしょうか。

入り口ピロティと同スケールの打ちっぱなしの丸い柱越しに、
コンクリートと緑との調和は見事なものです。
この緑との調和は、美術館正面だけではなく前川國男氏による新館(ほとんど合体している)でも引き継がれていて、

このデザインならマンションであっても違和感ないですね。
重厚ですが、近隣を威圧するような過度の演出的な部分は無く「デザイナーズ」ってこうでなきゃと思わせてくれます。
「コンセプトの明快なコンクリート建築が緑と相性がいい」
それは確かな事で、まるで緑の中に巨石があるような自然さのために”シンプル”である要素が必然となっているのだと感じます、
建築基準のために申し訳程度にデザインされたグリーンではなく、自然としての緑へ調和する事を前提に「そのバランスをデザインで表現する」って部分にポイントがあるのかも知れません。
<つづく>
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「えっコンクリートも自然の一部じゃないの?」
「展示室の中の絵はーー」

いやーそれは、個人の資格でプライベートにならアレなんだけれども。。
「ちぇっ、そしたら寝る」

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