今回紹介するのは『堀商店』鍵屋さんですね、
創業は1890年の老舗で、このビルは築1932年

見事な建築です(設計公保敏夫、施工安藤組)。
築年数の古さが威厳や信用すら意味していて、これがまたセンスがいいです。

なんて立派な建築かと見ていると、
えーこちらも『有形文化財』だったんですね。

あたり前のように新橋の交差点の風景に溶け込んでいますが、そんな風景が自然であるところが都市の奥行きの深さでもあります。
このデザインもこの年代の建築だからこそ在り得るもので、これを模倣して新作を造ったとしても、近隣から浮くだけです。だからこそ無二の存在で、それが新橋って街の品位にもなります。

マジでカッコいいですね縲・br style="clear:both;" />建築の特徴には外壁に装飾されたレリーフが欠かせません

鍵屋さんならではの鍵をモチーフにしたレリーフ

中世期族の紋章のようで、これがマタ洒落ています。

エントランスも威厳があって、HPには「錠前、建具金物、そして船舶金物などの製造販売を始め、西洋金物店としての地位を築きました。」とあるように、流石その自社製品の内容をそのまま表現しているエントランス。

東京のような歴史と伝統のある街なら、こんな建築が本来もっと沢山残っていて欲しいところなのですが、昨今の日本の建築文化の偏りで「建替え建替え」とちょっと見ない間に街の風景すら変わってしまう事が”景気のよさなんだ”と誤解している事の愚かさを教えてくれているようです。

こういう建築が残るもの「自社ビルだから」って一面あるんでしょうね。
それはそれは、各方面から開発の営業話がくるでしょうから、この威厳ある風景を守る事も簡単な話では無い筈です。

しかし洒落てますね、ホント。
西洋金物や建具なら間違い無いなとこれ見たら誰しもが思うでしょう。
正に伝統、

そして、新橋の街ってのはやはりどことなく銀座流れなんであって、
こんなお店もあります。

是非こちらも文化財に(笑

元々新橋駅は名称が変わる前は『烏森駅』だったんですが。
その烏森駅たる所以がこちら烏森神社

何故かデザイナーズ。
在る意味新橋って気さくな庶民の銀座なのかもしれません。
この街で住居を探すのは難しいですが、汐留あたりの活気もあって事務所の移転候補なんかには見逃せない街のひとつです。東京の西側独り勝ちの時代も終わって、東側と西側が相互補完関係に別キャラとして双方が”いい感じ”になりつつある今、東側の拠点として見逃せない街ですよ。
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又こういう景色も銀座風、
そりゃ沢山の人が買うんですから当たりくじも出るでしょうが、
東京だからあるチャンス(なんだかんだいって誰かが1発当てるみたいな)って、こんな絵に集約されているような気もしますね(笑

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