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「更新するべきか」(3)

2008年04月03日

ここまでの話をまとめてみるとですね、
・更新は借主の権利であって「更新できる部屋探し」こそ王道である
・部屋の評価はなんといっても希少性評価となる
・希少性評価とは言うならば「自分らしい部屋か」と言い換えられる
そもそも賃貸なのに改装希望(ほとんど無理)が多かったりするのは、この「自分らしい部屋」なる部分の潜在需要が大きい証明でしょう。

となってですね「自分らしい部屋探し」ってものを考えてみようとこうなっております。
希望条件の優先順位(トレードオフ)を明解にできるように物件概要的に考えてみようと、ここが今回の話のテーマです。


心理的に見ると「自分らしい」なる抽象概念は「その根拠が自分の個人的な要素に関係しているか」的な関係性で見ればいい事になります。
■『最寄駅の選択』
ここは「通勤に便利である」より「個人的に好きな街である」の方が”自分らしさ度は高い”と考える事ができます。
そもそも労働力が流動化している昨今、特に東京では「退職や転職するかもしれない」んですから、その時にも引越しする必要の無い街と考えれば更新率も高く同時に「退職や転職を考えるハードルも低くなる」のであって、人生の選択含めてその自由度を高めてくれますから、あまりに”今の職場”への通勤に拘りすぎるのも如何なものかと思います。
(※転職した場合には管理会社さんに勤務先の変更届けを忘れずに)
以外や以外都心部でも十分部屋って探せるので、ここも忘れちゃいけません。


■『室内設備1』
設備といってもイロイロですが、見栄えだけで2口ガスコンロを選んでも失うものも多い(キッチンの幅が広くなる→Kで取られる平米数が馬鹿にならない)ともいえるのでここは正直に「自分はどんだけ料理しているか?」とここ考えなくちゃいけません。
電子レンジ多用とか「お湯沸かすぐらいかな」であれば1口でも構わないワケですし(最強ヴァージョンとしてホテル賃貸キッチン無しなんてのもあります)、1口でOKなら蚊取り線香型グルグル電気でも全然OKなのです→ここ重要で「蚊取り線香型グルグル電気キッチンのお部屋は相場より5千円程度賃料が安くなります(ユニットキッチンの換装は工事額が大きい)」実際の運用は昨今IHクッキングヒーターが1万割ってますから、余裕でIHを上に置けるので火力的な心配もいらないからです。
こんな風にカスタマイズすればするだけ、自分らしい度は上昇。
■『室内設備2』
バスルーム周りは重要ですわね。こればかりは(それこそフロイド象徴化じゃないですが)性的な価値判断とも関係してくるので、人体の形そのままに「性も排泄もこれを清潔にするのも担当する機能は同室の方がキャラクターが一致している」と考えれば「西洋式レストルームがベスト」でしょうし、その廉価版の3点ユニットも「浴室やトイレの掃除から見ても効率的(お湯でザップーンと一気にトイレ掃除もできる)」とても合理的且部屋も広くなります。
しかし「和の礼節」じゃないですが(男性のトイレの場合”小”と”大”すら分ける)とにかくこれは別なんだと、切り分けるものだ的な価値意識があるとこれ「バス・トイレは別である」となるのです(なので木造畳のアパートの方がバス・トイレ別率が高い)、これ基本的に和風の概念です。
単純にグレード的に考えずに、自分のライフスタイルにおける価値意識からここは選択したいところです。
※デザイナーズ系や分譲系は「間取図の絵的には”同室”でも実際の機能性はバスルームも広く、個体性能としてはバス・トイレ別と同等」のものも多いので、図面だけで「バス・トイレ同一じゃないですか」と即断するのは損です。

■『部屋数』
それこそ前回の「靴を脱ぐ暮らし」じゃないですが、ここは空間認知の問題です。パーソナルな空間を広く取りたいなら「和室系(マルチルーム)」がベストとなり、パーソナルユニット的小空間を複数念頭におくなら「1R系ストゥディオ」となります。
マンションの典型的な2DK等のタイプは”カップル・ファミリー向け”なので、いくらモノが多いといっても無駄に部屋が余ってしまうケースも多いのでシングルでは安易に選ばない方がいいでしょう。
又『書斎のある部屋希望』なんかの場合には、2DKより3DKの方が”それらしい部屋”が多くなりますから(寝室から離れて夜仕事しやすかったり等メリットも多い)この場合にはシングル・ファミリー問わずに3DKを候補にしたいところです。


■『賃料』
言わずと知れた事ですが、ここは所得との兼ね合いです(無理をしても今度は審査に落ちる場合もあります)。
しかし、ここも窮屈に考える必要無いのです。
何故って「安い分には無限」なのですから(笑
「安い分には無限」ひょっとするとここが一番重要かも知れません。
所得の上昇に応じて部屋もそれに見合った部屋に引越ししなくちゃいけないなんて法則は何処の世界にも無いのであって(それは高級官僚じゃないですがエスタブリッシュメントクラスの一戸建てなんかに言える世界の話)、安部屋のまま更新してこそ「昇給分がまんま可処分所得の上昇」となるんですから、豊かさの体感も上でしょう。

ここですね、所得の上昇に合わせて引越しする場合は「こんな部屋に暮したかった・この街で暮したかった」的な個人的な欲求が明解な時に限り有効です。
それは「部屋が手狭で困っている」等のっぴきならない事情があれば例外ですが、相場的には同じ賃料でも有効床面積は”随分と差がある”ので、ここも最初から「ミニマルコンパクト嗜好なのか和室で広めの空間認知なのか」明解であれば、後になって困る事も少ない筈なのです。(この辺考える時には”木造和室系のアパート”をもっと再評価してもいんじゃないかと思います)

となると安い部屋におけるトレードオフを予め念頭に置くのが賢い選択、
賃料が安くなる理由を列挙すると「築年数が古い(注:大規模リフォームをしてもほとんど賃料に変化無し)」「どちらかといえば木造」「3点ユニットだ」「電気キッチン1発(小型冷蔵庫付きのパターン)」「専任の管理会社が駅前営業店では無い(仲介調査会社じゃないと紹介されない場合もある)」「1階」「夏相場である」等々です。
郊外の方が安いといってもこれはかなり離れないと大きな変化は見込めないので、「相場の安い”路線”を探す」と考える方が現実的でしょう。


■『礼敷』
最初の論議に戻りますが、礼敷2/2の部屋ほど長期賃料割引率が高いことになるので(資産価値が高く”本音は礼敷き2/3や2/4の部屋”もここに含まれると考えればいかに2/2が無難かわかっていただけるかと)、ここが「更新できる部屋探し」的にはデフォルト、

礼敷2/2以下の部屋を選択する場合には(入居キャンペーンで2/2から落ちているケースは除くとして)、個人的事情で「2年3年で又引越しするかも知れない」なケースで選択したいところです。
となるとですよ?
できれば賃料も安い方がいいですよね、
ここで前述の「賃料が安くなるケースのトレードオフ」がポイントになるワケです。
「2年か3年で又引越しするかも」なのですですから、このトレードオフの部分には思い切り踏み込んだ方が収支決算的にも有利になります。
今の格安な選択が、予定されている2年3年後の引越し資金の一部となると考えればグッと抑える事が本格部屋探しの時に「万全で2/2の部屋をデフォルトにできる」アドバンテージにもなるからです。


■『床』
忘れがちなのが「カーペットがなかなか良い」ってところです。外国人法人契約向けの高級賃貸以外(この場合には廊下や階段含めてシームレスの毛足の長いカーペットが多い)一般的には”タイルカーペット”が多くなるので、汚れや凹み等ほとんど気にすることも無く(退出時に交換費用を請求されても小額)、新たにカーペットやラグを購入しなくてもいいのでお得です。毛足の長いカーペットでもクリーニングでかなり回復するのでそれほど気にする事無く暮せます。
フローリング床には注意が必要で、東京ルール施行以来”フローリングの傷”は思い切り入居者負担による原状回復になりますしワックス切れでガサガサになってもメンテナンス上の過失となります(間違っても水拭き厳禁)、

であるならば?
大手管理会社等になると退出時の原状回復費用負担も減価償却表が添付される事ありますが、一般的にも6年以上の入居実績があれば「経年変化自体がかなり進行している」となるので、退出時の原状回復の費用負担を求めるにしても”十分交渉可能”となります。
なので「このフローリングはかなり高級部材だな」と思った時にはやはり”更新前提の部屋”と考えるべきで(早期解約で傷等があるとほぼ修復費用の全額請求されても交渉の余地が無い)ここも「今回の部屋探しのコンセプト」に合わせて考えなくてはいけません。

畳の部屋はオールマイティーなので心配無し(デフォルトで表替えするので傷も凹みもほとんど無問題)、注意するとなると「フローリングカーペット」を敷設する場合には部屋サイズなんかが畳の大きさによって違うので、計測して業者さんにカットしてもらうのがいいでしょう。
CFの部屋はタイルカーペットの部屋とほんど同じ。オールマイティーなタイプですが経年変化で剥がれてくるものもあるので、内見時には部屋の隅なんかの施工状況を確認しておくといいでしょう、又角の尖った家具なんかを引っ掛けると表面が破れるものもあるのでタイルカーペットよりは注意が必要。

最近流行の「フローリングタイル(樹脂製で木目も入っている。リアルウッドと見分けのつかないほどレベルの高いものもある)」ってのもあります。物件概要だと「木目調タイル」とかそのまま「フローリング」と表示されるものもあります。
これは強度も強く、メンテナンスも楽なので賃貸住居なんかにおける床仕上げ部材として、洋間であれば現在”最強”かもしれず(現在のところそれほどこのフローリングタイルの部屋は多く無い)、お勧めの仕上げになります。

ポイント的には「カーペットがなかなか良い」となりますね。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

な感じにですね、各物件概要を個別に選択していくと自然の自分らしい部屋の形が決まってくるとこうなるワケです。
「個別に選択してみた、らそんな部屋が存在しないほど内容に矛盾がある」
これは真面目にメンタルな問題がある可能性あります。
えー、その場合にはこちらも参照いただければと、

ある意味、その矛盾に(無意識)自分でも気が付かないまま部屋探しを長期化させてしまったりすると本格的な悪循環になってしまう場合もあるので要注意なのです。


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posted by kagewari/iwahara at 15:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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