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住居の性能(2)

2008年10月09日

賃貸ってジャンルは幅広くて、その社会的機能性は思うに分譲を上回るんだと思います。
理由は簡単で、
どうにもこうにも現代は文明社会なのであって、変遷や流動性や弾力性なる部分との親和性はそのまま機能性を意味していたりするので、ここが拘束・硬直してしまうと思想的に保守でなければそれを維持するのはやはり難しくなってしまいます。

心理学的に漠然とした印象で言えば「分譲保守」「賃貸リベラル」みたいな(笑
統計資料は無いですが(そんな調査する機関も無いと思うけれど)、投票行動における浮動票は明らかに都市部に多く、「持ち家率が最も低いのは東京都(約4割)」「単身者は賃貸がメインで(約8割)」「東京は単身者が中心だし(晩婚化や非婚)」「東京都の建築は7割近くが共同住宅である」各統計から間接的にそういう部分は証明されているのじゃないかと思います。

ですから余計に高齢化社会(高寿命社会)における賃貸住居の確保は(単身者も多くなるので)重要で、都市における住居は賃貸ベースに考える方が都市計画的にも自然になります。
裏読みしていくと、政府が考える持ち家政策であるとかそういう側面には「世帯の政治的保守化」も背理として間接的に関連しているだろうと。
※ここは『家幻想』関連

そんなファンダメンタルから考える時に、
『賃貸の住居性能』ここにはいかなる見方があるのかって事になります。
場合によってはミニマルコンパクト的イメージで狭く効率のいいコンパクトな設計も概念としては高性能と呼べますし、
広々ゆったりと考えれば1R1Kストゥディオが最強なので間取重視にもなります。
しかしストゥデイォはリビング系なので屋外感も強いですから室内感重視ならここは和室が最強である。

ここキャラクターに応じて必要とされる性能が違ってくるんですよね。
特徴的に言えるのは、あまりに常識的に考えすぎると”イレギュラーなお宝”を見落としてしまいますから、注意が必要で、
 ↓(みたいな)
http://retour.seesaa.net/article/45638505.html

各部屋のタイプに応じた必須性能をいくつか参考にまとめてみます、
暮らす人の適応も付記して、賃貸って事で代表としてシングルのケースで考えています(二人入居以上の場合参加各人の最大公約数で)。

ミニマルコンパクトの場合
都心部・20u以下、1R系、3点ユニット、洗濯機置場無し、強烈な場合料理火力無しでも可
・単独行動型(街では社会派)、衣装は少な目(機動性重視)、外食中心
※バラ釜NG

広々ゆったり系
1R・1Kストゥディオ、30u前後、レストルーム的バストイレ同室可(洗面室にトイレ型がベスト)、洗濯機置場室内(バルコニーNG)、料理火力1口可
・単独・協調型両用、インテリア含めて持ち物多し、料理はするが軽飲食級
※バラ釜ケースバイケース

ホーム系
1DK・2K(居室は6帖)、25縲・0u前後、バストイレ別(完全分離がベストで独立洗面はあった方がいいレベル)、洗濯機置場室内(バルコニー可)、料理火力2口以上
・単独・協調型両用、衣類は多いがインテリアは少なめ、自炊派重飲食店級
※バラ釜可(一般給湯の方が性能的には当然上位は与件)

他「風呂無し無頼系」等多数、、

ここから逆算すると、
「広々ゆったり系」「ホーム系」が被るとやっかいになるのがわかります。
確かに1R・1Kストゥデイオでも2口ガスコンロはありますが、ここに大型冷蔵庫を置いちゃうと、リビング系の室内がDK系になってしまうので、それ以上の広さが必要になるのです。
つまり『限りなく1LDK』→40u前後、
こうなっちゃうと当然考えれば考えるほど賃料が上昇してしまいます。
 ↓
よって、この複合系は”郊外向き”(郊外は1LDKが少ない)→「郊外格安2DKがベスト」となるのです。

暮らしのタイプが違っている部分を「性能が悪い」と考えるのはナンセンスで、それぞれのタイプに応じて求められる基本性能違ってますから、希望するジャンルの中で性能バランスを確認しておけばいい事になります。
ここですね、実は「バランスがズレているのは自分かも知れない」のであって(笑
いえいえ、ここは結構重要ですっ
希望するジャンルが曖昧だと「何を探しているのかわからなくなる」のですし、
性能バランスに欠ける部屋が偶然曖昧な希望に一致する場合もありますが、住居単体としてバランスを欠いているんですから、後から違和感発生しちゃったりします。

「求める性能は住居のジャンルで違う」ここ再確認要です。

再び論議は頭のところに戻ります。
『賃貸リベラル系』
それだけ幅の広い選択枝がバラエティー豊かに存在するのが賃貸の世界ってもので、
浮動票の票田そのまんまであって、賃貸らしいとこうなります。
つまり、この選択タイプは常に変更可能なのですから(暮らしのスパンから考えれば4年毎にタイプを変える事ができる→政権交代)、やはり自由に選びたいところで、ステレオタイプ・総花的スペック主義(←心理学的にはこれを”拘りの”とか勘違いするケースがある)で選択するのは賃貸には馴染まないのです。


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posted by kagewari/iwahara at 10:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのコメント
地方の話になっちゃうんですが。単独行動型の知人を見てると、家の中はベットがあるくらいですね。ただ東京と違うのは地元は田舎で交通機関が少なく、店も遠いので車が欠かせません。単独行動型の彼らは生活の中心、重点を置いてるのは車のようです。知人は部屋は寝るだけの場所だから多少ボロくても気にならないと言ってましたが、車は汚れたり傷がつかないように配慮(新しく車を買いかえる時に所有してる車を少しでも高く売るための配慮とか言ってた)してますね。
Posted by 匿名希望 at 2009年04月12日 00:42
中央集権の弊害といいますか、道路族議員の問題などこの辺に出ているんです。不動産の在り方は地方の場合酷い状況で(野放図な宅地開発によって旧市街が空洞化するのが定番になってしまっています)、数字には現れないんですが地方の追いやられた状況には大変厳しいものがあって、(業界的にも賃料相場の関係で仲介営業も非常に難しい:赤字になってしまうため必然的に自社管理物専属になりがち)住居をメインに考える事すら難しくなっていると言えます。地価からいっても地方ほど下げ止まらないのはそれが理由で一見安くなるのはいい事だと勘違いする方もいますが、住民の所有している資産が”地方だから”という理由だけで毎年目減りしているのと同じなので(貯金しても毎年目減りするようなもの)、値上がり傾向が固定化するのは問題ですが不動産の名のとおり、その価値の普遍性が担保できないのは大問題なんです。
Posted by kagewari/iwahara at 2009年04月12日 19:59

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