以前のエントリーで「人材探しと部屋探しは似ている」みたいな話もしましたが
http://kagewari.cside.com/blog/2008/07/post-95dd.html
そこをちょっと拡大ヴァージョン的に広げて心理学的に考えてみようと思います。
正に今回のテーマは心理学です、
もっともわかりやすいたとえ話で言うと、
これ男女関係における「いい人」と「いい部屋」って抽象概念がほとんど相似であることがわかります。
「なかなかいい人いないのよね」
「なかなかいい部屋って無いんですね」
この台詞の共通項は「何が”いい”のか」が実は総花的で散漫だったり抽象的で具体性が無かったりするところです。
一番やっかいなのは、その曖昧さの”内容”で、
「主語抜け」していると最大にその「曖昧さ」は拡大し、強迫心理が仮にあるとした場合その「曖昧さ」は論理矛盾が∞に拡大する温床(投影先)になってしまう怖さもあります。
「主語抜け」って何か?
そのまんまですよ「自分にとって」が抜けている場合です。
現代個性化の時代、「自分はっ」て、その個性は100人いれば100通りあるのですから、これがステレオタイプに標準化される筈が無いんですよ。
※『鉄板のフルスペックでクレバーな奴』とかはこれ一見ステレオタイプに見えますが、違います(ここは誤解の無いように)。
主語抜け没個性になってしまうと途端に「何が”いい”のか」の概念が、ステレオタイプに変貌します。
何故ならこれまた
「誰と定義の無い不特定多数の某人物にとって普遍的に”いい”のジャンルに含まれるもの」
となるためここ自意識の思考抜き(主語抜け)でオートマチックに
↓
■マンション2階以上、オートロックでバス・トイレ別、フローリングの洗濯機置場室内、できれば築浅でガスキッチン2口希望
■大卒で170cm以上、堅い会社勤務の趣味と仕事両立、スーツが似合う家庭的な一面のある人で、できれば30歳以下の料理のできる人希望
(男性バージョンだと)
大卒でスタイルも・・・(以降みなさんの予測どおりです)
↓
部屋で一例喩えると「そうだなーコンパクトでハイスピードな都心の部屋で、キッチン適当で3点ユニットの抜群に合理的な奴が好きですね、築年数的には30年目とか大人のが好きです。あっ収納なんて無くてもいいっス」と希望する人物像が”その枠外”の中で強烈に個性的な人物に見えませんか?
(考え始めると様々なタイプが多数思いつく筈です→こんな部屋を希望する人が好きかも等と考えると途端に幅が広がり出します)
↓
(派生バージョンとして、人事部の方への面接アドバイスですが「差し支えなかったらどんな部屋にお住まいか教えてもらえますか?」この問い相当参考になりますよっ)
「何処にいるんですかその人」みたいな(笑
ここを前提にすると構造論的に「いい人(部屋)いないんですよね」がオートマチックに合言葉になってしまう。
(ここも実は無意識に→慣用句のように意識されてしまう:限りなく強迫心理)
その先に「分譲マンションを買える所得」がくっつくと「結婚願望」がそのまま連想キーとして浮上します。
(なので何故か”分譲”って言葉があたかも”勝者”の代名詞みたいになってしまう事例もあるワケです→ここ主語抜けの場合ですよ、ここも誤解の無いように→イロイロ考えてうーん分譲かなな場合には全然フェイズが違います。又、『分譲キラー』みたいに賃貸の方が分譲より高級である事例は幾らでもあります。)
これは探せないんですよ。
実際に、限りなくその条件を満たした部屋を内見しても「何故か喜びに溢れるのじゃなく、細かいネガティブ評価が溢れたりします。そして決め台詞として”高い”ですね」
主語抜けししていると、自分の負担って感覚が予め無意識的なので実はリーズナブルな賃料でも高く感じるんですよ。
なので、その言葉を発言した事すら無意識に「(賃料)高くないですか」と(どういうグレードの部屋を希望したのかも無意識なので忘れていて)、
これなんと言えばいいでしょうか「いろんな無意識の中で、自意識が孤独になっている状況」になり、
この現象時の”こころの中の言葉”を極端に文字にしてみると
「僕は私の自意識です。まったく主語である僕が考える前にこんな部屋を内見しちゃっていて、賃料聞いてびっくりですよ」
な感じなんですよ。
なので、探す方も「えーこの希望条件はほんとですか」的な状態に。
(駅前イケイケ営業店は別ですよ→それはいい○○が来たとばかりに「やっぱ”いい”部屋ですよね縲怐vなる無意識への刷り込み営業トークが炸裂し、”無意識”なうちに予想以上に高い部屋の申込書を書いちゃってたりします)
等とですね、
部屋探しって、心理学的に一体「何を探しているんだろう」なる論議にまでいきつくのですっ
<つづく>
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『探せる部屋・探せない部屋(1)』
2008年10月29日
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