経済危機を煽るような報道は不思議と「年明けしたら一段落した」(笑
状況に変化は無いのだけれど、マスメディアってのはほんと都合のいい代物で厭きたワケじゃないだろうけれど最近の扱いは経済面ってより社会面の扱いになっている。
確かに”景気動向”は悪化しているんだけれど、日本の実体経済そのものがどうにかなっているワケでもなく、実際のところは「儲けてた人が同じ手口を使えなくなってきた」的傾向が強い。
現在の中国がそうだけれども、米国需要依存型経済に関しては日本は歴史長いので”いつまでも続く”と思っていた人はいないだろう。むしろいろんな意味でインフラ整備の遅れている中国の実体経済の方がこれは問題で”直接投資の呼び水”としての需要を直近どこに求めるのかって方向性を根本的に考えなくちゃいけない。
日本の場合には実体経済の中で「特別今以上に成長しなくちゃいけない部分」は少ない、現行の経済力を維持できるだけでも十分豊かだからだ。むしろ「完全雇用型再生産」のサイクルが自然の循環のように維持される事が望ましく、有権者のニーズもそっちよりでしょう。
つまり、60年代の日本のように「所得倍増政策」のような方向性を保持していなければ政権が持たない現状の中国経済の方がこの問題は深い。
公共投資型の需要政策によってここを補完する計画のようなんだけれど、現在の日本ですらその”後処理”に苦しんでいる状態なので公共投資はひとつ間違うと政権不安の原因にもなるリスクでもある(なにせ中国の場合”全員官僚”みたいな状態なので政府の投資予算の拡大は強大な利権構造にもなる→軍事政権でも無い限り民主化が進んでいない場合、反対に政権の不安定要因と考えていい)。
そんな意味では日本同様、米国の赤字体質も歴史が長いので”今に始まった話じゃない”的要素は無いじゃないのだから(対日金融等の対応でも貿易赤字部分が米国債として米国に還流される構造は半ば定番なんだし)、慣れって意味では循環的な要素を織り込んでいるのだから「自由主義の言葉を借りた覇権」なる意識を取り下げる(オバマの登場)方向性を模索する事になるだろうから、考えようによっては世界秩序的にも何から何までネガティブとも思えない。ドル防衛もレバレッジ的水ぶくれを制度として縮小していけば、投資ファンドが潰れる事によってかなり(実際の手持ちキャッシュじゃなくて)市場総額の縮小にもなるでしょう。
だから「確かに各市場は暴落傾向になる」のは間違いないけれど、市場取引は資金調達の目的以外に関しては”賭場”に過ぎないのだから「むちゃな賭け事は止めましょう」って話(純粋に証券投資をしているなら価格の下落は利回りの上昇)。
やっかいなのは、社会面的ニュースではなくてむしろ安全保障とか経済構造って話になる。
事中国に関してなら、やばい要素が悪循環で関連している部分が実際にあって
<中国株>バブル崩壊の一年、265兆円が消えた窶白・・/a>
(抜粋)
2008年12月24日、中国評論通訊社は記事「個人投資家が苦しんだ一年」を発表した。中国では今年、株バブルが崩壊、時価総額にして20兆元(約265兆円)が消え去った。
もちろん中国株がバブルの状態にあったことも要因の一つだ。中国株の株価収益率(PER)は昨年最大で60倍にまで達した。国際的には20倍を超えるとリスクが高まるとされており、異常な状態であったことがうかがえる。現在、株価の下落によりPERは20倍前後にまで下落している。
(Record China 2008/12/27)
<中華経済>3人に1人が株式投資窶剥″`
(抜粋)
2008年7月8日、株式と関連商品の取引を行う香港の成人の割合2005年の28.6%から07年は35%に急増したとの調査結果を、香港証券取引所が7日公表した。中国新聞網が香港紙「明報」の報道として伝えた。
調査結果からは、香港では3人に1人の成人が株取引を行っているという計算になり、調査が始まって以来、最多となった。年間平均取引回数では、05年の調査では5回だったのに対し、07年には10回と倍増。平均売買額は05年の34万香港ドルから2007年には50万香港ドルに上ったこともわかった。
(Record China 2008/07/09)
マンション販売に「五輪危機」!不動産バブル崩壊か窶薄k京市
(抜粋)
2008年8月28日、新京報は五輪期間中のマンション販売戸数が激減していると報じた。9月以後もこの傾向が続けば大幅な値下がりは免れず、不動産業界、ひいては中国経済に大きな影響を与えることが予想される。
8月8窶・4日の五輪開催期間中、北京市のマンション販売戸数は1469戸。1日平均86戸とここ3年間で最低を記録した。ある業界関係者によると、販売中のマンションのうち約8割は期間中一戸も販売できなかったと推測される。五輪時の落ち込みは予測されていたものの、予想をはるかに上回る減少幅に業界関係者は衝撃を受けている。
(Record China 2008/08/30)
”ビジネスモデル”と言えば聞こえはいいけれど前段説明のとおり「儲けてた人が同じ手口を使えなくなってきた」な要素の被り方と複合要素は非常に重いんだと思う。
この話を考えるわかりやすい例だけれど、
犯罪映画なんかで”一匹狼の凄腕金庫破り”が組織の依頼する仕事を引き受けて大変儲かったのだけれど報酬を要求したら「レストランに投資しないか」と持ちかけられて・・・。
なんて話ありますよね(映画『ザ・クラッカー(原題: Thief)』ジェームズ・カーン 、チューズデイ・ウェルド 、ウィリー・ネルソン:監督マイケル・マン)、
で、当然映画では主役の金庫破りが「そんな話はいいからキャッシュをよこせ」って話になる。
ところが、その反対に「我も我もと投資している」状態なワケで、、
不動産で言うなら、日本のみなさんはバブルの経験でお馴染みでしょうけれど「宅地価格が上昇続けると誰も買えなくなる(無尽蔵に住宅ローンを貸付して価格上昇によって儲け話として割高感が麻痺しない限り売れ続けることは無い)」と、誰の目にも破綻するワケです。
えー至近なところで考えれば「タバコを買占めして10倍で売ろうとしたが、誰も買わなかった」なんて話ですよ。
実体を伴った投資(仕入れ)って”需要に見合っている場合”に限り有効なんであって(それこそ”有効需要”って奴)、構造的に錬金術のような要素は無いのであって、それがあるならマルチまがいや無限連鎖講(ねずみ講)的詐欺的状況だって話ですよ。つまり限りなく「胴元が必ず儲かる賭場並」。
アメリカの場合ヤバイ金融商品を複合化して混入させてしまったのが問題の発端だけれど、サブプライムそのものを放置した政策判断のミスは致命的で、今後暫く数年は内需の収縮に苦しむことになるでしょうが、ここはやむを得ないところです。
しかし中国経済の不安は「飛ぶかもしれない」要素がまだまだあって、
現在の共産党政権は決して磐石じゃないですから(中国の場合政権交代って現象は存在しないので=内乱になってしまう)、このリスクはあまりにも大きい。
しかも中国は現在日本を抜いて米国債保有で世界一位ですから、
中国、米国債保有額で世界トップに 日本抜く
(抜粋)
米国財務省がこのほど発表した「対米証券投資状況」(TIC)によると、今年9月末現在、中国の米国債保有額は5850億ドルに達し、日本を抜いて世界トップに立った。「中国証券報」が伝えた。
中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所国際金融センターの張明氏によると、中国の米国債が増加を続ける原因は、米国短期国債がふたたび投資家の人気を集めるようになり、米ドルのその他の主要通貨に対するレートが大幅に上昇していることにある。
(人民網日本語版 2008/11/19)
なんかヤバくないか、
これ経済わかる人なら「なんかあれだな縲怐vとわかっていただける話に思います。
なので話の中心は「むしろ安全保障とか経済構造って話」なんですよ。
どうにも1回では終わらなくなったので(笑
<つづく>
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09年度の政治経済を考える(後編:1)
2009年01月07日
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