実体経済として先進国は第三次産業中心になるのは中学校でも習う話で(工業系は設備投資で急速に生産性が向上するため)、ほっておいても”内需循環型”になっていて自然。
特に日本の場合には資源大国では無いので経済収支上黒字じゃないと都合が悪いってぐらいの話で、実際経済そのものが工業系に依存する事自体(実際そうじゃないし)あり得ない話で、本来円高であるとか外需の後退(そもそも中曽根内閣当時から現地生産方式にシフトしているんだから)で大騒ぎするほど”右往左往”する方が構造的に問題なワケで、
この辺の実体がどういうものか考えてみれば、
日本の産業は「9割が中小零細」なんであって、経営のスタイルそのものも資本金ベースで回すってよか(株式市場での資金調達できるのは大企業ぐらいなので)メインバンクの融資を受けつつだったりする。
実際赤字なのか黒字なんか「はっきりしない」(笑
といえば間違いでもないでしょ、
又来年度は回転資金を融資で受けたりするのであって(その関係で貸し渋りがあると一発で黒字でも倒産する)、経営そのものが循環的でもある。
そんな意味で景気見通しそのものが「含み黒字」として心理的に有効になるので、「景気見通し=需要予測」のように、なんでしょうか全体として株式投資の世界みたいな”雰囲気”にあるのは確か。
「弱含み」とか「好感」とかそんな予測性で大きく景気判断が心理的に右往左往しがちで、しかも第三次産業の場合敏感に景気に反応するのは『可処分所得』の動向になるから、大企業(構造的に第二次産業が多くなる:第三次で言えば代表選手は金融)の賃金関連のニュースで動きやすいって言えば動きやすいワケです。
産業構造的には、メインとはいえない大企業のニュース(これが又ニュースになりやすい)で、実体経済全体が右往左往しているのはなんとも不健全ともいえる。
「それこそ外需で儲ける体質」のある大企業が、競争力を意識するあまり労働分配率が低下するのは『可処分所得』予測にとって大打撃なのに、不思議とこの部分は「景気判断の悪材料にならない」。
まったく矛盾しているんだけれど、経済は多分に心理的なものなので(本来経済団体の首脳陣が労働分配率を問題にしなくちゃいけないのに)、何が起きているってかなりの部分心理的な誤解であって、この辺の「情報誤差」はマスメディアであるとかジャーナリズムが修正しなくちゃいけないんだけれど、ここが完全に機能不全起こしちゃっているものだから、
↓
結果として「需要予測」を完全に保障する「公共投資」が景気対策の最強の政策として君臨してきた実体がある。
実際のところ第三次産業の人材が足りているのかと聞かれれば(医師不足だけでなく)、現実には人材は足りない。
しかし第三次産業の求人倍率は景気動向に敏感に反応するので、、
つまり、政策として「需要の循環」を担保し且つ第三次産業へその需要を誘導する政策が本来必要なのであって、ここは各企業の労働分配率含めて(法人税の累進性は必須だと思う)実体経済トータルで考えれば済む話になる。
見込み需要的には膨大な福祉関係需要が日本には存在するのだから(みなさん財源財源言いますが、経済ってものをわかっていないですよ→循環するんだから必要なのは初期投資なんだから→給与となったお金がぐるっとわまって元に戻る)、ここを自然の食物連鎖よろしく「いかにエコロジーに循環性を保つ構造作るか」って話になる。
そして第三次産業は元から労働分配率が高いから、ここの拡大は『可処分所得の増大見込み』となり、波及効果も期待できる。
だから「道路行政関連の公共投資に頼るのは、経済の足を引っ張りかねない」って事になる。
又、第二次産業と第三次産業の関連ってのはとても重要で、
それこそ住宅で考えても、どういうコンセプトの住居がいいのかってアイデアが無いと無駄に需要とマッチしない住居ばかり増えてしまう。
有効需要と関係性の深い「付加価値」にとって重要なのは第三次産業の関わり(アイデア)であるのは言うまでも無いことで、前時代に共産主義的が大失敗に終わったのは、特に第三次産業が自由経済を前提にしなければ”育たない”からと言い換えてもいんじゃないかろうか(いくらテクノクラートを並べても自由な産業から生まれるアイデアの補完になりゃしません、しかも管理経済じゃ官僚制が肥大するばかりで、余計にアイデアなるものの生まれる社会的余地なるものが縮小する)、
事実上昭和の日本は(護送船団)社会主義だったなんて分析されている現状、そもそも危機なのは「第三次産業的人材(アイデア)の枯渇」なのじゃないかと考えることもできます。
それこそ文部省だって、幾分かそこを意識しての「個性化教育」だったでしょうに、
てことは現在自由主義経済先進国における経済の”キモ”は、自由な第三次産業の育成にあって(第二次産業の会社内におけるソフト部門だってそうなんだしここを含めればもっと第三次部門の領域は大きい)、
ほんとに昨今のニュースの目付けには困るんだけれど、
日本を代表する自動車生産業の某社が「未だに臨時採用的目的の派遣労働者を必要としてる生産システムを持っている」事が大問題であって(昭和の紡績工じゃないんだから)、正規社員採用された技術者によるってよっぽど生産性の高い生産の現場があるのかと思ったら、、
この失望の方が大きいし、先進国の自動車産業がそういう状況でいいの?ってところが最大のニュースなんだと思うんだけれど。。
挙句に政府サイドから雇用問題を指摘されたらどこから聞いてきたんだが突然口を揃えたように「ワークシェアリング(リストラの時と同じで労働経済学的にそもそも用法間違っていると思うけどね)」ときたもんだで、
現行の経済界ってものの”アイデア”は未だにあの戦争の尾っぽを引き摺る『昭和のまま』なんだと痛感されらる。
ほんとに彼らは自分で考えて発言しているんだろうか。
経済界にも政権交代って無いのでしょうかね、
現状の有様が酷すぎますよ。
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09年度の政治経済を考える(後編:2)
2009年01月11日
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