前回のお話で事務所の保証金額の話には触れたところなので今回は、個人で初めて店舗を借りようって時「飲食可店舗」の話を中心に進めましょう、
切り口は「事務所」「店舗物販」「店舗軽飲食可」「店舗飲食可」の違いです。
事務所の場合は
>賃料を支払う実業は、その事務所と関係なく所得証明可能になりますから、住居契約に近いキャラクターになります。
>ここは一般的な住居で改装がほぼ100%NGであるのと同じような話で、
事務所であれば改装の必要も無いし、不特定多数の人の出入りもそれほど考えられないため…
と、ここまで前回説明済みです
店舗の場合には賃料を支払う事業が「これから借りる店舗の採算性に依存」してしまいますから審査でいればその対象となる所得が「当初から未知数です」と言っているのと同等になってしまうので、複数店舗で業務実績のある店舗事業者では無い素人からの独立店舗は審査的に最初から厳しくなります。
又、仮に審査通過しても店舗の場合少なからず「改装が必須」です(その意味で店舗で募集する場合最初から”スケルトン”で募集する場合も増えている)。
原状回復特約付きの契約で、事業に失敗した場合「この改装して原状回復の費用は大丈夫か」と考えなくてはいけません。
一般に事業物件の場合滞納から解約の交渉で退出まで半年かかったりする(一般住居だと3ヶ月)、これ即ち賃料未払いで穴が開く可能性を意味します、そこに+内装の原状回復と、
なので事務所が一般的に保証金6ヶ月であるのに対し、店舗となると6ヶ月以上10ヶ月前後がベースになるんです。
※店舗可事務所審査の場合”この立地じゃ採算が無理ですよ=その業種だと路面からお一見客が必要なのでこのタイプの店舗だと滞納の可能性高い”的に店舗可の審査がNGになる場合もある。
ある意味趣味性ベースの個人店舗の場合「現在ついている仕事を辞めずに、現行年収を審査の所得として申請可能か」ここ重要になります。
(仕事を辞めてしまっている等だと、賃料支払いを担保するものが何も無い)
この保証金額のベースが「店舗物販」「店舗軽飲食可」「店舗飲食可」の順で上昇する訳です。普遍的な法則はありませんが「6ヶ月以上」「10ヶ月前後」「12ヶ月」みたいな感じです、
契約金予算的にも審査的にも、趣味性の高い個人の店舗を借りる場合、「飲食可店舗で1階路面店集客性の高い保証金12ヶ月のタイプ」は構造的にもミスマッチしちゃうんです。
審査の部分を考えれば現行収入でもその所得審査を通過しそうな”賃料額”でなければならないし(u数か場所か階層かで賃料の安い店舗の可能性を引き出す)、改装以後の原状回復費用も高額にはしたくないし(u数を抑えるか”現状渡し的”回復とする対象造作の無い物件)、バリバリの飲食可店舗で最近多い”ド・スケルトン(完全なコンクリートのセルでトイレ造作も無い)だと、今度は改装費用的に追いつかない、
つまり「狙い目の店舗」は自ずと特定条件のものに限られてきます。
住居の部屋探しで時々起きる「○○があって、○階で、○○あたりで、築年数が○○で、こんな外観の・・・」こういう希望条件の設定は構造矛盾になりがちなんですよ。
(実は住居の場合にも言えている話なんですが)
最も重要な事ですが心理学的に、この”限られた条件”的枷は選択肢の無さとしてネガティブな要素かと効かれると「正反対」なんです。
この辺どうしても誤解されると思うので、詳しく説明しますが
『実現可能性を高める事が=チャンスの拡大』になります。
極端な話店舗の事を考えた事無い人なら
「店舗なんて賃料高いだろうしとても独立開業なんて無理だ」ここがベースになります。
ところが本気にあれこれ考えて”限られた条件の中に本気で実現可能性がある”事に気がついた時、
「えっ10万以下とかけっこうあんの?」
「時に住店舗だとすると住んじゃえばいいいので、あれ引越しするとこの賃料なら今の家賃と変わらないかも」
「○○町って土地勘無いけれど、実際散歩してみると今の街より自分の感覚に合うかも」
「なるほどこのビルの○階か、確か自分も普段結構○階のお店行くこと多いよな、繁華街の飲食店で1階だと”メニューも安い”って僕の中でも条件かもね」
ここで初めて「え、待てよこの素材だったらこんなお店合うよね」
これが店舗探しです。
(そして住居を探す場合もこの考え方には被るところ多いのです)
心理学的に一番陥りやすい勘違いは「希望条件を積み上げる事が、自分の発想というか未来の希望(実現可能性)の足引っ張る事が多い」って部分で、
特に既成概念や常識に囚われてそれほど真剣に考えていないステレオタイプな条件を”自分の考え”と取り違えてしまうと、「実は自分の部屋探しから遠ざかってしまう」事で、
心理学的に言えば「自分の現実から乖離してしまう」となるのです。
内向世界(ナルチシズム)の話になってしまいますから、
なかなかか難しいところで
「既成概念や常識に囚われない実現可能性の高い限られた条件」
微妙に言語的に矛盾している要素もあるんですが、
こういう現実認知の中に『戦略的・戦術的勝算の発見』があるのは確かなのです。
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「店舗を借りるには」(3)
2009年02月26日
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