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居住性能からみる部屋選び(1)

2009年06月22日

梅雨到来で東京地区では夏前からエアコンが稼動する季節になりました、
木造建築に比べて圧倒的にカビがでやすいマンションなんかの場合には24時間換気機能だけでは力不足で湿度管理の関係でエアコンの稼動が必要なケースもあるでしょう。
(そういう意味では木造は常にアバウト:公園における舗装路面の温度と分厚い木造のベンチとの温度差を考えれば答えは簡単かと)
実際のところ”湿気が溜まる”部分が問題なのであって、風通しというか窓開けっ放しみたいな開放性があれば問題無いっていうのも確かなんですが、日本の非木造建築の場合この”梅雨”があるため欧州のように『安易に外断熱工法で建築できない』ため、
マンションのほとんどが事実上
『断熱材等ありませんが何か?』
な状況にある

よって輪をかけてエアコンの稼働率は上昇するのだけれど、室温管理が極端だと”構造上ただでさえ熱伝導率が高い”ところに空気循環が悪いと、逆に結露を促進してカビが出たりベランダ側の窓の下が濡れて痛んだり(マンションの場合後者のケースは特に多い)、必ずしも健康的では無い。
本音を言えばマンションで暮らす場合「木造アパートの和室」に比べると「屋外度が高い(欧米じゃ土足)」ライフスタイルなので、少々夏暑く冬寒いのは衣類で調整するのが本筋で空調はほどほどにってのが基本。
※メイン居室が和室の1LDKマンションなんかだと、和室が座敷みたいなイメージで「そこから先の和室が”本気の室内”でリビングまでは屋外寄りのゾーン」なデザインと考えてもそう間違いではないでしょう(和室にスリッパのまま上がる人はいない)。

ところが、この熱伝導率の影響は自分の占有個室外側である屋外暴露面積に比例すると考えてもいいので(角部屋以外ではベランダへの打ち水が効果的な理由)、日本のマンションの場合「ファミリー型(現個室の外壁も隣室で室内だったり)」「玄関開放型ではなくて、内廊下クローズド(現個室の外壁は棟内の内側廊下だったり)」の方が結果論として構造的に影響を受け難いのも確か。
考えていただきたいのは、
その反対に玄関が屋外へオープンになっている住居の場合「玄関方向に窓があればベランダ側の窓と合わせてエントツみたいに換気が可能」なのであって、実際に昔のバランス釜浴室が玄関側にある古いマンションは必ず換気用の窓が(廊下側)についていたし(バランス釜に対する換気の意味でも)キッチンにも窓がある例も少なくない。
※同様の意味で前段説明の”何らかの構造でクローズド”の場合でも角部屋は屋外暴露面積がやたら広い事になるけれど窓があるので、換気で幾分かの温度管理ができる。といっても通常マンションの角部屋外壁が日照に対して無防備になるのは「区画においても角である場合」となるからレアケースなのは確かだけれど(この辺はビル風なんかも考えないとあれかと思うし、高層タワーになれば外気の環境そのものも微妙に違ってくるでしょう→高層ビルが原因でゲリラ豪雨が振るぐらいだから)、
※又、RCに比べて鉄骨造等のマンションの場合最上階の部屋が屋上からの熱でえらいことになる事例もある(木造アパートでも屋根の造りが適当だと二階が灼熱になるのは同じですが、、)。

土地の生産性含めて非木造建築はある程度の規模というか大きさが無いと弱点が大きく出る傾向があるでしょう。
私鉄沿線等の郊外は都市計画的には低層指定として、敷地面積が限定的であれば迷わず木造アパートを建築というのが合理的になるので、結果として「非木造建築は都心部寄りの方が内容がいい」理由のひとつだと思う。

ここは部屋探しにおいても検討しておいていい部分で、自分のライフスタイルが「結構アクティブな屋外系か室内感優先か」等、部屋の構造と関係あるのであって、同時にここには立地上のポイントも関連してくる事になる。
巷には都心部と郊外と「賃料を考えれば同列に語るのはナンセンス」という人もいるのじゃないかと思いますが、これは大きな間違いです。
それは確かに相場差は存在しますが、選択肢全体で見た場合「驚いて片方の選択肢を断念するほどの大きな差は無い」のです。

次回は都心部と郊外におけるトレードオフを考えてみましょう。

<つづく>


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posted by kagewari/iwahara at 22:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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