歴史的に旧田中派は、霞ヶ関と対立することをいとわない政策集団で(なので自前で政治資金を調達するためここが後に→田中金脈みたいになってしまったぐらい)、政策の基本は『所得分配』による”間接的需要政策”です。
※田中時代の”次々議員立法する真性族議員”が民主党の霞ヶ関に100人政治家を送り込むみたいなイメージになっているかもしれません。
列島改造論ですっかり土建屋派閥と勘違いされがちですが、実体は稀代の政治家田中角栄氏のパーソナリティーを含む「中央集権(キャリア)計画経済国家に対する挑戦」であって、この当事の論法が「予算を地方へ」なる格好で、地方に所得を分配するところにあった。
小沢氏はここを政策的に進めて「国際化(PKO)・小選挙区制度(金権政治から政党政治)・所得補助とも言える規模の直接需要政策」となっているという具合です。
※角栄氏が作ったと言われる「新聞TVの系列」なるマスメディアの形に角栄氏同様に小沢氏も追われる構図も皮肉と言えば皮肉ですが、この部分はその後野中さんのところに引き継がれているようにも見えますね。この新聞TVの系列はメディア論として現在社会においては是非解体しなくちゃいけない部分でしょう。
経済政策的には、需要政策で消費が伸びる中で自立的に産業が”勝手に活性化”していくだろうという(新保守主義的経済政策における”減税政策”の別バージョンのようなもの)需要政策なワケです。
これが成功するのかしないのかはともかく、インフレターゲットなんて政策が存在するぐらいですから「やるならドドーンとやってみるべき」に思います。
(デフレなんですから少々インフレになった方がいいって考えもマジにあります)
失敗すれば『それこそ再び政権交代すればよい』、
少なくとも参議院の構成をベースに暫く民主党政権は安定的に続くでしょうから(首相2人ぐらいいくんじゃないでしょうか:鳩山→岡田)、やろうと思えば腰を据えて政権運営可能ですからね。
■少なくとも不動産の現場で考えれば、金融政策的誘導すると”即バブル”になりますから、需要政策と弱インフレ誘導による方が健全化するでしょう。
産業政策的に供給側を重視すると、そのまんま「過剰在庫と過当競争」になりがちなんです。(キャリアによる計画経済は常に将来予測まで”都合よく書いちゃう”癖が常に付き纏う→意図的にバブルを狙う米国の政策意図よりマシなのかもしれないけれど、、)
国の金融資産も外需産業へ誘導し過ぎれば国際競争の中で所得分配率の低い部門に社会資本を割り振る結果となるし(しかも設備投資資金まで海外に流れる可能性もある)、貿易黒字が収縮すれば自然に円安になるのだから、特別産業政策を取らなくても外需産業への政策措置と同じ意味になる(既に莫大な貿易黒字があって根本的に現在の日本に石油ショックのような心配は無い)。
農業政策は今後中国の需要増で予測される国際的な穀物市場の高騰に備える事にもなるし、この間大幅に環境政策として新しいエネルギー開発に成功すれば、根本的に国際収支云々より内需政策が重要になる。
中小企業絵の繋ぎ融資ばかり政策化しても、需要増も無く系列のコストカットであるとか所得分配率の低い(同時にコストカットの関係で生産額事態も伸び悩む)外需依存産業に傾斜してしまうと延命にはなっても一向に各企業の財務体質は改善しない。
需要が新しい産業を生むような格好が市場経済としては”よりマシ”でしょう、
確かに競争力さえあれば自動的にシェア獲得なる格好で需要を”奪える”外需依存は難しいこと考えずに済む分、政策立案的に楽かも知れないんだけれども、うまく行き過ぎると今度は中曽根内閣当事の国際間の収支問題に発展する事も忘れちゃいけない。
外需も決していつまでも続くワケがない(循環性が無い)、
話は戻りますが
■民主の需要政策って考え方はよくわかるんだと
『果たしてこの政策が実行できるのか?』
民主党のテーマはこの一点でしょう、
小沢氏国策捜査問題の時のような内部のゴタゴタ(というか”議員の軽さ”)があれば、今の民主への支持率など又右肩下がりになるでしょうし、
そんな意味で「小沢首相」じゃ(マスコミの偏向報道で)世論がもたない可能性もあるので、民主は小沢事件を有利な材料に変えるぐらいの戦術が必要でしょう。
(今後は人材として枝野氏辺りがが小沢氏に反目しているのはなんとか解決しないといかんのじゃ:前原氏は離党した方がいい)
総選挙の後には小沢氏系議員が圧倒的な形にもなるでしょうし(選挙参謀なんですから)、
総選挙勝利後の民主党はその勢力図が”今の民主党とは微妙に違ってくる”筈で、
「どんな変化があるのか」
ここも注目でしょうね
さて、次の総選挙は「天下分け目の関が原」みたいな様相帯びます
ほぼ間違いなく民主が勝つのでしょうが、
どんな勝ち方をするのか?
ここにも注目です。
国際的にも相当高い注目あるようで
中国紙「麻生政権は絶体絶命」 都議選結果に異例の関心
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しかし
総務会の主なやりとり
政策的とかこれまでの人間関係はともかく、
元は同じ宏池会であって(麻生派は随分前に分岐しているけれども元河野グループなのだし)、反小泉的に手打ちまでして麻生政権に動いて(その後森派にみこし毎さらわれる)協力関係もった加藤氏と古賀氏が(この時「大宏池会宣言」みたいな集会には病身の宮沢氏が最後の姿を見せた)麻生氏そっちのけでおおもめになって、
昔の派閥の事なのであまり報道されていませんが「宏池会大解散」の体を成しているのはあまりにも何というか、、
(古賀氏が決定的に加藤氏と別れたのは”加藤の乱”→古賀氏は野中さんの側にまわる)
ゴルゴ13古賀もここで終わりなのでしょうか、
考えれば村山内閣の一因ともなった党内ガチの左派である河野洋平氏と、ネット保守派に人気の麻生氏がその後継者の地位にあること自体が根本的な”ねじれ”というか、
今回の政局の裏舞台のメインは「ガタガタだよ宏池会」なのかもしれません。
宮沢氏が生きていたらこの状況に何を思うんでしょう。
<つづく>
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首都決戦の後総選挙日程が決まったわけですが(2)
2009年07月15日
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