考えてみると、
昨今の改装ニーズと希望条件の一部にはちょっと見矛盾するところもあって、
リノベーションと言えば”ダウンライト”なぐらい間接照明系の改装は評判もいいし改装のポイントのひとつになっていますが、表面的には「日当たりのいい部屋(実は心理的なもので深層心理は違う意味だったりする)」等明るい部屋の希望が主たるものになってます。
そこは当然コンセプトの中では朝昼には明るく、夜は間接照明でとなるんですが、ここも深く掘り下げて見ると今回のテーマ「cafeっぽい部屋」に被っているんだと思います。
本当に日差しが直射日光としてバリバリ部屋に入る”UVな部屋”を希望しているのでは無い(日当たりのいい部屋)って話はこれまで随分各方面で書いてきていますから、今回はあえて詳しく書きませんが深層心理的には「見晴らしがいい」とか「開放感」とかって部分になります。
ここで思い出して欲しいんですよ。
十分日照をコントロールされた全面窓に近い店舗における間接照明、
思うに住まいにおける”飲酒の時間帯=夜”の快適さの中にも日当たりのいい部屋”イメージ”は期待される内容なのじゃないかって話です。
店舗であれば全面窓の外には大きくひさしを付けるとか、北向きに座席を配置する等して”UVな空間”を避ける事も可能ですが、住居となると(風評とキャッチコピーの両輪によって)強引にでも南向きに建築するケースが大半なので、実は北向きや北東向きの部屋を意識して探す事はほとんど不可能に近い。
運良く角部屋で腰高採光窓のある部屋であれば喫茶店風のcafeっぽい空間は作りやすいんだけれど、特にマンションの掃き出し窓の場合これが難しい。
理由は簡単で、
『外塀式のベランダバルコニーの内側をひたすら見つめる事になる』から、
建築デザイン上はこのベランダバルコニー外壁の内側の塗装なんかももっと重要視されていんだけれど、これが定番化しているのは日本ぐらいなのでそれほどデザイン性を考えて塗装されるとかはない(間違ってもハリウッドやヨーロッパ映画でベランダ・バルコニーに洗濯物を干しているシーンは無い・とうか中高層の15階とかになると設計によっては怖くて出られない人もいる)、デザイナーズ等でアクリル系の透過パネル(ポリカーボネイトだと思う)を使用するケースがあるぐらい。
それは超高級マンションであれば特別に深いバルコニー(日照もコントロール)として間隔を取ったり、ダブルバルコニー形式で片側フラワーボックス腰高窓(最高級ならハイサッシュにチェストボードとなる)など苦労しないのだけれど、
シングル向けの1K・1DKとなるとなかなか望めない。むしろ築年数古めの方が外壁の高さがちょっと低いとかスリットが入っているなど工夫があってよかったりする(秀和シリーズならお馴染みの鉄柵型になるので外壁は無い)。
しかし、
よく考えると工夫は簡単なのじゃないだろうか?
洗濯機置場室内が主流になりつつある現代(表示的にはベランダバルコニーでも室内なんだけれど)、「浅いベランダ・バルコニーの場合」が想定されているのだから、いっその事掃き出し窓の手前にチェストベンチ(高さの低いチェスト)を置いてしまえばいいのじゃないか?
それだけで外観ルックスは腰高窓になるし(採光上ベランダ・バルコニー外壁が被るので足元は関係無い)部屋の雰囲気もがらっと変わると思う。
これなら間接照明にも合うだろうし、断熱効果は期待できないけれど寝具の高さとの関係によっては幾分カーテンも薄手のものでも気にならなくなると思う。
結果として「日当たりのいい部屋」の外観(カーテンも薄手で明るい部屋)も整いチェストの高さや奥行きによっては午前中の日照がチェストの上に当る事によって、一般的なベランダ・バルコニー型掃き出し窓の”足元が暗い(外壁が被る)”現象をイメージ的にも回避できる。※再三このフレーズ登場しますが「木造アパートだとこの辺の心配は無用」です、
確かに窓際にインテリアを配置するってのも一般的では無いと思うけれどアリだと思う。
自宅でもお酒を飲みますよって人は、むしろ厚手のカーテンでゆったり座れる椅子とテーブルでカーテンの柄に凝る方がいいでしょうから(バーやクラブって2階以上の店舗でも窓を羽目殺しで暗くする)チラッと明ければ外が見えるって状態のがバランスいいと思います。
高級な厚手のカーテンってところがポイントかと、
そんなこんなで「飲酒率が下がってきている」時代の変化は住まいの方向性も変えるかもしれませんよ。
オマケで考えれば”自宅で過ごす時間が伸びる”と言えませんか?
<つづく>
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飲酒率が下がってきているらしい(2)
2009年08月14日
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