睡眠時間の適正値って個々人違いますし、世界ビックリ的なネタとしては眠らなくてもまったく平気な人もいるようですが、有体に考えれば住まいにおいて「寝るところ」な位置づけは高い位置にあるでしょう。
ゆっくり眠れる環境とかって聞けば基本性能の宣伝文句です。
間取り設計で言えば、特にシングルタイプの場合ベッドの登場以来ひと間で寝室とリビングの共用から部屋の使い勝手が共存に変わったので
(→6帖全体が寝室と居間に交代する方式から考えると)
全般に部屋の広さが6帖以上にならないものかってニーズが高まったいると言えます。
1LDKのような豪華版が誰しもに可能とはなりませんから、実際のところは幅の狭いスリム型のシングルベッドの登場やリビングそのものも寝転がり型とする事で一時流行った二人掛けソファーがお払い箱になるだとか、何気に試行錯誤が続いている状態です。
設計上は6帖ベースがほとんどですから、突然8帖間がシングルルームのデフォルトになるなんて事は物理的に不可能ですからね。
そっち方面の探し方は別の話になっちゃいますので、
(その話は今度別の機会に)
話を使い勝手に戻します、
「床面積を贅沢に使える1LDKの何が便利なのか」
ここから考えると、
何が便利って寝室を寝たままほったらかしにしてもイイという楽々さに尽きるでしょう。
他、安眠ってレベルで考えると部屋が12帖とか広すぎると感じのいい間接照明とか無いと寝るにも落ち着かないですからそこそこインテリアにもお金がかかるといいましょうか、そこまで余裕が無いと”決まりが悪い”ってことにもなります(賃料が高くてもある程度出来合いの内装のあるストゥディオはそいうニーズに合わせて存在しているようにも思います→賃料が高くなってもクレバー)。
ある意味1LDKが優れているのは寝室が分離して6帖だからって部分大きいのかも知れない。
と、ここで立ち止まってみる。6帖って広さ自体はさすが優れた空間デザイン上の定理的広さなんだと思うんです。
どっちが楽かって考えると「6帖間を使い切る」のが近道(”広い部屋”に優先フラグがあれば別ですよ、これは論議が別ですから)、
それ以上となると想定以上に賃料が上昇してしまう(上記のストゥディオ論)。
重要なのは、1LDKの場合(2DKも同じく)隣室のリビングも”自室”ですから寝室のプライバシー度が高くなります。
思うにシングル1Kや1DK・1Rに対する広さ的な不満はこのプライバシー度の確保にあると思うんです。
砕いて考えると「居室が寝室・リビング共用」な分玄関からの視点など含めて”奥まった感”が乏しい。
(万年床で床上ライフみたいな割り切りが楽々なのはリビング用途を諦めているため)
『ゆっくり眠れる環境』を考えた場合→実は単純に8帖ランクの部屋に引越しても一概に解決しないのじゃないか?とも考えられます。
※同じ広さでも角部屋の空室を探す方が吉(相場の関係でかえって賃料安かったりとかあるかも)、
音に関する違和感も半分以上が「心理的なもの」なんです。
隣室の音が聞こえる→隣室に人の気配がする
音単体が気になるのじゃありません。
(音が気になる人はRC造ガチガチの部屋でほんの僅かな音でも気になったりする)
極端に言えば、旅館やホテルじゃありませんが「旅の宿」なんかを考える場合、人の心理はそれほど隣室の音を重視しません。
オカルト話が盛んになるぐらい”プライバシー度が高い”んですよ。
これは何か?
仮に隣室に人がいても「同じ旅行者」だからですよ。
共同住宅の隣室とでは関係性が異なる→旅行中での隣室の人物とは通常一切関係無いのであり=自分のプライバシーとも無関係だからです。
反対に言うと木造アパートであっさり万年床が可でさっぱり不満が無いタイプの人は、自身のプライバシー自体が解放的というか(社交性があるって意味じゃありません)、堂々としているっていうか(木造オンボロアパートのシナリオ上の枷に「主役級のいいもの役の男性」がはまるのはそれが理由でしょう)、隣室に人の生活音がしても何らプライバシーに影響しない”押し”がある事になります(自意識結界みたいなものかな)。
つまり安眠って現象を考える場合
「プライバシー論(パーソナル・スペース)」の確保と考えていくとわかりやすいだろうと、思うんです。
以前生活導線みたいな線で話した事ありますけれど安眠定義だと角度変わってきます。
1LDKへのニーズにも説明がつくし、
6帖以上の広さへのニーズ(広さで解決しないかもしれない誤解が含まれる可能性もある)にも、安眠論議に欠かせない音(遮音だけじゃ解決しないかもしれない誤解が含まれる可能性もある)についても説明つきますからね。
ひょっとするとここには日本特有の心理が隠れているかもしれません、
<つづく>
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