以前PCとラジオはなかなか相性がいい的話をオーディオ論含めて話しましたが、早晩民法ラジオのインターネット配信ニュースが入ってきました。
(地方局の保護などもからんで当初は首都圏など一部地域限定ですが)
大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100210/212732/?P=3
ラジオのインターネット配信によってトータルのラジオ聴取率が上昇するという話もあって(コンテンツ的強さは元々強い媒体だし)、ポータルサイト運営会社ののどこかが云々という話では無くてインターネット社会全般のコンテンツが強化される事になるワケで、社会全般におけるメディアの構造は大きく変化します。
「そんな大袈裟な〜ワンセグチューナーあればPCや携帯でTVも見られる時代に」
な意見も聞こえてきそうですが、大変大きい意味があるんですよ。
メジャーな放送局は『放送法』なりで帯域を割り振られる形で常に寡占状態となるのですが(特にTVに関しては事実上新規参入できないといってもいいでしょう)、その放送のルートが所謂”電波帯域の足枷から外れる”ということは事実上参入障壁の開放を意味します。
現在でもインターネット専用のラジオ放送なるものはありますが(新規セットアップなんかでメディアプレーヤー設定時にみなさん経験していると思いますが)、いかんせんコンテンツとして弱くそもそもビジネスモデルとなり難い(米国でも著作権闘争とやらで先行き危ぶまれたり)。残念ながらこういった話は既得権威サイドが動いて「空中戦で決着つけて」動き出してくるのが話が早いとなります。
大きく振りかぶって言いますと、インターネットが大手マスメディアの一部を『初めて取り込んだ』という話で、視聴者の実際の運用以上にメディアの社会構造上非常に大きな変革になるんです。(上記記事中にも触れられていますが「取り残されたNHK」のように、このニュースの背景は「取り残されたTVメディア」のような話になるんですよ)
仮にTV局の放送がインターネット配信となれば、そこに並んでニコニコ動画のコンテンツが並ぶような(結果論であっても)構造となるので(たとえば著作権上ポータルサイト化は不可能でもグーグル等の検索サイトが動画検索として窓口化すれば結果は同じ)、今までのような護送船団方式のような既得権益の構造は壊れていくんでしょう。
昨今のインターネット社会では『コメント欄を設置する事がリテラシーを担保する』スタイルが確立しつつありますから、仮に既存のTV局の放送にニコニコ動画のようなコメント機能が付加されたら?「今までのようにしたり顔で”民意は”なんて放送できませんよ」って話です。
(さぞかし開放感溢れるでしょうけれど)
※しかもこのラジオの開放に踏み切る事務局として電通が動いたって要素は決定的でもあるでしょうね。
暮らしって意味では更にインターネットの位置づけは大きくなりますし(昨今はラジオ聞いた事無いって人も案外多いと思うんですよね→コンテンツとしての強さが再認識されるかもですよ)、インターネットがって切り口で言えばインターフェースとしてPC以外の(中身はPCでも)インターネット専用端末へのニーズも高まっていくでしょう。
※イーモバイルの『PocketWiFiD25HW(持ち歩き無線LANルーター)』が好評の背景にはゲーム機器含むPC以外の端末にも自分の回線を共有可能な利便性がニーズとして定着している証明ですし端末に関してはPCに限らないのは確か。
流石にインターネットに特化した間取りなんてまだまだありませんが、今後「設備としての自宅内ネットワークへのニーズ」は確かに高まるかもしれません。
現在でもシングル1Rではさして問題じゃありませんが、一戸建てなんかであれば各室にLANケーブル引き回すってのは少々無理ありますから無線LANの選択って事になるのでしょうが、セキュリティーの問題も無いじゃない部分も考えると(マルチメディアコンセントがベストとも思えないのですが…住居にOAフロアみたいなの持ち込むのも少々無理ありますし)技術的にも開発の余地あるかもですね。
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暮らしとラジオの話がググッと前進
2010年02月15日
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