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「家賃取り立て」に関する報道(1)

2010年02月25日

賃貸に関して先日大きな報道がありました。
細部に重要なポイントがあるのでリンクのニュース記事全文引用します

悪質な家賃取り立てに罰則 賃借人保護法案を閣議決定
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022301000133.html


政府は23日、悪質な家賃の取り立てから住居の賃借人を保護する新法案を閣議決定した。今国会に提出し、来年6月末までの施行を目指す。
法案では、大家や家賃の連帯保証業者が(1)滞納を理由に賃借人を脅迫(2)住居の鍵を取り換えて閉め出す(3)勝手に家具を運び出す―などの行為を禁止。違反した場合には2年以下の懲役または300万円以下の罰金を科すとした。

また家賃の連帯保証業者や、賃借人の過去の滞納状況を検索できるデータベースを構築する業者を登録制とし、5年ごとの登録更新を義務付ける。これらの業者に対し、国土交通相は業務改善命令や業務停止命令を出すことができる。

不況で収入を断たれ、家賃が滞る非正規労働者らが増える中、強引な取り立てをめぐるトラブルが、敷金、礼金が不要の「ゼロゼロ物件」などで多発、社会問題となっている。
【共同通信】


この報道の扱いをめぐって事情を良く知らないコンテーター等が勘違いした解説を多発しているようなので「上記報道のポイントは何か」説明しようと思います。
上記ニュースで重要なのはここです
■『敷金、礼金が不要の「ゼロゼロ物件」などで多発』正規の賃貸物件の定番が『礼敷2/2』であるのはご存知のとおりです。
歴史的経緯は様々ですが、実態として『礼敷2/2』には明快な使途があり実質的には毎月家賃の長期割引率と比例(礼敷割引するのは家賃割引に代わる措置であるため:礼敷割引は賃料温存度の高い選択)する存在として定着もしています。
特に審査的な意味が大きい、
ここは事業物件の契約で考えていただければ実に話が早いです。
リスクの大きな事業となる飲食店舗可の事業物件の保証金は12ヶ月が定番です。
(事務所専用であれば6ヶ月が定番)
更に駅近物件などのビル管理会社としてもフラッグシップの場合テナント自体が商業ビル全体の内容を左右しますから(百貨店におけるテナントで考えていただければ早いかと)、そういった特異な事業物件の場合「保証金20ヶ月」であっても驚く話じゃないのです。
(それが支払える財務内容も見ている)

単純に格式と言っては何ですが『礼敷2/2』で出ている部屋は”ランク”でもあるんです。
しかも割引率が高い(入居者にとっても得)ワケですから審査も厳しいケースが多い。
門前払いをしているって意味ではなくて、審査が厳しいようであれば「もうひとつ賃料の安い礼敷2/2を考えるべきでは」という意味です。

ですから礼敷が2/2割れしている募集に関しては「どういう意図で2/2割れでもアリなのか」考えてなるほどって背景があれば安心になります。
・大手管理会社による募集で(大きな資本を背景に)昨今の景気動向考えて空室対策として「本来2/2の物件」を期間限定キャンペーン等で下げている。
・東京ルールによって家主判断で敷金返却率を一律に想定することも可能なので管理会社の負担は大きくなりますが(滞納督促期間が敷金額の減少分一ヶ月早くなる)原状回復担保性が落ちた分「敷金は一ヶ月でもよい」と判断されている。
(敷金返却率の想定が内装設備の内容から容易に確定するとか→入居者による汚損破損を想定から外してしまうなど:バリエーションとして現状回復保証付きの保証会社を利用して敷金0とする場合もある)
・キャンペーンと近いのですが礼金2の内一ヶ月は家主負担となり(管理会社への媒介委託料)、積極的な広告努力などを期待されている。
(この場合礼金を1で募集するのか2で募集するのか、その判断を管理会社に任せる場合もあります:募集一ヶ月で決まらない時自動的に礼金1になるなど)
・地域の業者間競争が激しく、その結果地域独自の文化でローカルルールのように礼敷が極端に低いのがデフォルトになった。
(本来礼敷2/2の部屋も募集時は1/1などとなるので同じ条件でも各室の差は激しい)
・純粋に家主の好意で礼敷が1/1である。
(昔から大学生向け賃貸住居にはこの傾向があり、今でもその歴史を残して○○大学学生さんは賃料○万円などと事前に学生割引のある部屋も稀に存在します)
 ↑
等々です。

ここが単純に”ランク落ち”なので初期費用を抑えたい人なら契約してくれるだろうと最初から「礼敷は1/1でいいよ」な物件の場合最初から部屋の内容にそれほど自信が無いとなるんです。それこそ安かろう悪かろうの原則、
(表現悪いですが借りる側が足元見られている)
ですから総じて賃料が高額になるに従って礼敷2/2率は高くなる傾向にあり(契約全体もしっかりしてくる)、デフォルトになるんです。


そんな業界地図の中
『敷金、礼金が不要の「ゼロゼロ物件」などで多発』
なるほどそういうことかと、
同時に敷金がゼロってところが重要なポイントで、
=保証会社を利用しているって意味ですよ。
保証会社を利用する場合、滞納督促や解約等の管理は保証会社にアウトソーシングされ管理不動産会社の手から離れるのが一般的です。
(未払い賃料がある場合保証会社が立替支払済みとなるので→未払い・滞納自体が管理会社の担当事案から外れる)
現実管理不動産会社もその督促等の実情が情報として入ってこない場合もあるんです。
(※大手で管理物件全てが保証会社マストで保証会社自体も大手の場合であれば「物件単位ではなく法人として契約」している事になりますから又話は別です→契約上の特典になる場合もある)

問題となるのは安易な保証会社の利用となるんでしょうね。
目的は礼敷ゼロゼロを謳って集客を伸ばそうという思惑でしょうし、
この方法で集客を伸ばせるって事は?→所得に見合った賃料などのコンサルも無く(当然礼敷2/2の割引率が無いので相対賃料は高いのだから)「審査も甘い=滞納発生率は最初から高い」→そして滞納督促は保証会社に丸投げ状態だとしたら、構造的に無担保の消費者金融のようなシステムになっているって事です。
■当然現代社会は高齢化や少子化晩婚化もあって保証人を立てる契約以外のニーズは今後急速に高まりますから『地方自治体の保証』など保証会社的業務の拡大や法的整備は様々な方向からマストである点は又別に論議が必要です。

(※業界的には「ゼロゼロ物件」などで多発と聞けば、特定業者いくつかの名前も浮かびますが:業界団体の権限は弱いですから自浄能力批判には限界あってここは国土交通省に頑張ってもらうより他無いんです)

ですから今回の法整備は業界としても大歓迎ですね。
(反面礼敷2/2では上記トラブルは少ないという意味ですからその信用性も証明されていると)


■ところが各報道の解説だと問題が違った方向に解説されることが多くて
(春ということもあってNHKが調査報道的に不十分なニュースを流したのも原因かと思いますが)
「確かに不動産には不透明なところありますね、更新料があったり礼金があったり慣習というのもわかりますが(特に東京では更新料があるのが大半など)法律含めて明快化するべきでしょうね」
 ↑
のようなコメントも出ているので困った事かと。。
前段読んでいただければ上記のコメントが矛盾しているのわかりますよね?

NHKの報道にも問題多くて、
更新料について、地方では更新料なしが多い事など事前の調査無しに統計だけで報道してしまって余計に誤解うんじゃってます。
総務省調べにあるように、地方では持ち家が一般的で賃貸はマイナーな存在です。
地価的にも賃料そのものも安く、不動産業者は東京のような仲介や流通の透明化が根本的に不可能だったりします。

何でしょう正規代理店が存在しなくて、個人委託の小売店しかないような状況です。
むしろ賃貸契約における法令遵守を考えると地方には別の意味の問題があって、礼金や更新料方式では(基礎賃料が安いので)採算の取れる業務ができないワケです。
(※持ち家率の高さから逆算すると地方の不動産業者の利益確保の中心は売買よりとなるって側面もあるでしょう)
事実上管理会社は一般媒介的な契約(家主と媒介業者の契約)の募集窓口だけが精一杯で、家主に対しても借主に対しても中立の管理会社の立場をたもつのが難しく契約も不透明になりがちで、その分さらに家賃が下がる傾向あります(更新料を取っても管理業務の積立にならない)。
サブリースのように家賃収納業務込みで委託料を毎月%で取れていれば安心なんですが(この場合前述同様礼敷2/2は割引率って話と関連します→礼敷方式がなければ毎月の賃料が増額するしか方法がない)、
そうでは無い場合「契約した後の事は知らない」って事にもなりかねないからです。
反面地方の方が家主さんというより地主さんと呼ぶほうがアリかなと思いますが、
地主さんに個人商店的法人意識が高い可能性ありますから、地主さんの管理能力に依存する形で運営されている一面もあるでしょう。
※重要な点として地価の安さもあって物件そのものの相対的価値も低いですから、入居前のリフォームや原状回復などの問題もクリティカルになり難いのも確か。


■反対に賃貸住居が住居の6割超える都心は『賃貸先進国』なワケです。
(紛争防止条例”東京ルール”もあります)
確かに日本の法体系は慣習法度合いが強いですから、礼敷含めて慣習としてと説明される事情はありますが、その慣習も洗練された慣習ですから。
(現実の管理会社と家主間の媒介契約はそれぞれ違っているので、その枠の中で各費用が引き当てされているのですが)
礼金についてはその発端が「関東大震災の供給不足である」とか「東京に独り暮らしする学生の親御さんが”よろしく”と包んだ」とか諸説ありますが、どちらも現代的に解釈すれば「賃料の高騰を防ぐ(プリペイド割引)」「管理委託費用」となりその方向で定着してきたものです。
礼金が理解されにくい外国法人出張者向けの募集では「保証金4ヶ月(退出時2ヶ月償却)」などと書き換える事があるくらいで、礼金の使途はあらかじめ決まっていてそれを前提に毎月の賃料を計算しているワケですから、そう簡単に変えられるものじゃありません。
(繰り返しますが礼金0に変えるとなると毎月の賃料設定を変えないといけないですし、場合によると家主と管理会社の媒介契約内容も見直さないといけなくなります)


又、この辺が更に誤解を生むので、、、
更に説明は続きます。


<つづく>


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posted by kagewari/iwahara at 23:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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