昨今『高齢者専用住宅』には依存として高い需要があるといわれているが、根本的に求められる”内容”がいかにもステレオタイプというか定番的で物件概要的に違う方向に流れているのじゃないかと思われるふしもあるので、「期待される物件概要」を考えるような方向で話を進めてみたいと思います。
いきなりなんですが「高齢者専用」等という表現が差別的ですよね、
(マスコミが好む表現で「○○弱者」なんてのがありますが、勝手に弱者呼ばわりされちゃかなわない話であって、よっぽど高名なマスコミから見れば弱者に見えるでしょう等と皮肉に思ったりします)
物件概要的な表現としては「バリアフリー」って言葉もありますが、バリアフリーってここのところで言えばすっかり定着した結果「ひとつの居住性能(や設計意匠)」としての意味合い大きいと思うんですよ。
どの年齢階層に合った設計を特別喧伝しなくてもいいでしょう。
心理的な話で言えば
『高齢者専用住宅』と聞けば差別的に感じない人いるかもしれません、
しかし『母子家庭専用住宅』だったら差別的であると疑う人いないと思います。
のように、言葉の入り方から問題あるんだと、
社会階層的に言えば今後増加する”高齢者世帯の現況”から「期待される住宅性能を考える」のようなスタンスじゃないと意味が無い。
総務省調べでも高齢者のシングル世帯は増加中で、後4年〜5年もすれば全体の3割に到達するでしょう(H20年で22.7%)。
同時に大家族って表現はどうかと思いますが、複数の家族世帯との同居も当然何割か存在すると考えられる(この家族世帯を高齢者専用住宅とは言いませんよね)。
↓
つまり統計的には「セカンドキャリア的なシングル世帯の増加」に求められる住居性能って事になります。
※物件概要的にもシングル向けのかなりの部分は二人入居可や相談や黙認で、シングル専用二人入居不可を明示するのはシングルビギナー向けの床面積の狭いタイプに限定されてきますから、単身ではなく高齢者夫妻の二人入居と考えても→概ねシングル向け住居の設計の範囲に入ってくるものも多くなるでしょう。
ファミリータイプの分譲マンションが大量にリリースされる事も考えられますし、
その反対にシングル向けの分譲マンションが再び人気を呼ぶ可能性もあります。
先進国特有の高齢化社会特有の動向の中で「物件概要はいかにあるべきか」という論議でもあります。
「いやいや、高齢者なんだから医療や介護って事もあるだろう」
のような意見もあると思うんですが、
私は全く違う考え方をしています。
<つづく>
(ちなみに先日「地価下落もマンションの価格上昇」のニュースありましたが、不動産環境的には取り立てて意味ありませんからここはスルーします)
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高齢者専用住宅への需要について(1)
2010年03月26日
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