この話は実質的な部分となると、
「マンション延命技術として期待される具体案」から始まる話でしょう。
この技術の積み上げが大規模再生などに繋がるのじゃなかろうかと思います。
外装や補強に関しては既存の技術でもかなりの事ができていると思うんですよ。極端な話鉄筋に問題あっても高速道路の耐震補強じゃないですが鉄板で囲んで上からコンクリなど手法は無いじゃ無いですし、接着剤であるとか硬化樹脂技術は日進月歩ですしね、
案外盲点なのは工法というか工事機器などの小型簡素化の方かなと思います。汎用工事ロボットのような技術がまだまだ不足しているかもしれません。常に旧来の重機に頼ってしまうと何をするにも大規模になってしまいますし、実際事故がった時大変ですものね。
マンションにおいてやっかいなのはなんといっても配管です。
古築で必ずしも高級とは言えない鉄骨造なんかの低層マンションであれば、バルコニーの配水管のようにメインの排水もドドーンと外配管にしてしまって古い配管を捨ててしまえばいんですが、古い配管を残しておくと何かとトラブルになるのでここの処置技術が必要になります。
考えてみるとですね、古い配管の処置技術がしっかりあれば配管の換装も可能なんだと思うんですよね。
米軍であるとか警察特殊部隊などでお馴染みのリモコン操作ロボットありますよね(CCDカメラついてる奴)。
こういう小型ロボットを建築用に設計できないものでしょうかね、
パイプスペースにそのまま入っちゃってサクサク工事できるみたいな。
配管そのものの質に関してはこちらも日進月歩でしょうから(それこそ将来はカーボン製の配管とかになるかもですし)、工事ロボットをPSに入れてサクっと最新式の配管に換装できると素晴らしいでしょう。
非常に実利的な延命工事となるので、管理組合の議決も得やすいし、コストの折り合いがつけば尚喜ばしい。
(社会資本的発想すれば建築の耐用年なり資産価値を保全するのは国にとっても意義があるので、補助金付けて政策誘導する価値アリに思います。)
※なかなか触れられる事少ないですが、高層タワーの修繕コストは”未経験・未知数”だったりするので(建替えなんて半端無いでしょうし)修繕新技術の開発は急務だったりします。■エコや環境政策として考えれば
最重要課題は『外断熱の導入』です。
梅雨のある日本の場合、外断熱には様々な問題があって(内部で劣化が進むなど)、欧米に比べて圧倒的に非木造の居住性において劣っている点になってます(これが外装エアコンの室外機だらけの原因)。
ここはなんとしても技術的にクリアしたいところで、
技術開発に予算つけても全然アリですよ。
そして、この外断熱技術を「外装補修工事の一環」として行う事が可能なものにもっていけば、環境政策的に一大発明となるんですよ。
コスト的に防水塗装の塗りなおしなんかとそれほど変わらないコストで外断熱パネル(外装サイディング技術の高性能化とかで)導入に成功すれば、多少コスト高でも→『光熱費が下がりますよ』という部分でワリが合いますし、そのまんなCo2削減にもなる。
古築住宅の再生というと、どうしたって部屋の内装(所謂リノベーション)に目が行く事多いですが、こういう基礎技術がしっかりしていれば「50年延命工事を三回やって170年もののマンション」みたいな、それでこそ不動産のような世界も見えくるんだと思います。
(※建替えも”いい事”みたいに言われますが解体廃材だって一時随分環境問題として報道されていたじゃないですか)
購入考える方だって、そっちの方がよっぽど安心ですよね。
政府・大学・企業・業界、各方面で取り組んで欲しい課題です。
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古築大規模住宅の『再生』に関して(2)
2010年04月24日
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