”小規模商店”とは何か?のような話で進めていこうかと思います。
デフレ不況の代名詞のひとつに「シャッター商店街」がありますが、この現象には理由があるんです。
戦後昭和から高度経済成長期の『駅前アーケード店舗』というのはかなりの数が「旧法借地権による住宅付き店舗一戸建て」として売買されたもので、商店主家族が店の奥であったり二階部分に暮らしているのがデフォルトでした。
結果として後継者難であるとか、景気の後退により店舗を閉じても一戸建て住居として残るため、そのままシャッターを下ろして高齢者の方が住居専用で使うケースが多くなるんです。
(中古店舗として売却を考えても借地権物件は購入希望者が決して多くないのです:ここは勿体無い話なのですが、銀行の方も事業物件だったりすると通常の住宅ローンとは違ってくるため購入意思があっても難しい面があるのは確か)
ここは構造的な要素があるんです。
かといって、住宅付き店舗だからいけないのかと言えば「それは又大間違い」で、馴染みのいい古い商店街の特有の雰囲気は「そこに暮らしがあるから」こそ生み出されるもので、見方を変えると「田畑とともに暮らす農家」の風景同様に家業と暮らしが一体だからこそある自己決定の重さというか(そう簡単に閉店することも無い)、歴史や伝統踏まえてそこで営業できる文化的関連性のある店舗だからこそ”そこにある”のような世界に繋がるワケです。
※同時にそこで暮らすからこそ”自分の街”として商店街文化も同時に守られていく
端から端までテナント貸しだったら利益率で店舗はクルクル変わる上に、大規模チェーン店なども多くなり、自動的に味気ない街になってしまいます。
しかし、現在の味わい豊かな商店街のかなり部分で高齢化が進み、高齢化故に「店を開けているのはボランティアみたいなもので、実生活は年金」という店舗に支えられているのも確かで、いつまでもこういう奇特なベテラン商店主の方に頼ってばかりもいられません。
このまま商店街が弱体化してしまうと「早晩再開発」となってしまうのであって、本筋は住宅付き店舗の不動産流通(売買)を金融的にも支えるであるとか、住宅付き店舗として賃貸に切り替えていくなど本格的な対策も必要になってきます。
地域振興策としてどこの地方自治体も「商店街の活性化」考えると思うのですが、ここは若い人の参入を支えるために指定地域の賃貸料金の一部を補助するとかのアイデアがあってもいんですよね(そのまま住居として暮らしているお年寄りへの所得保障的考えであってもいいと思います)、地方自治体がサブリースの主体になるようなアイデアです。
当然ここを地域の商工会が独自に運営するスタイルもあっていいと思います(そこの運営自体を非課税とするなど方法は様々にあるでしょう)。
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こういう『都市計画』があってもいいのじゃないかなと思うんです。
商店街道路の化粧ブロック舗装化も結構ですが、暮らしの根本に根ざした計画であって欲しいものです。
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都市計画と暮らし(2)
2010年06月17日
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大規模小売店法も、アーケード街化に拍車をかけていると思います。
この法律廃止も米国の圧力なんですよね、
ここのところ政治的なテーマでも記事書いているんですが、調べれば調べるほど唖然とすること沢山あって、
戦後昭和から平成と日本は(現在でもなお)激動の中なんですよね。
確かに植民地じゃありませんが、戦後日本というのが敗戦国であるのは動かしがたい事実で(アジア方面にとっては侵略国だったのでしょうが)、
『政権選択すら怪しい状態』なのはなんといいますか、、
(東京はまだいい方で、地方の不動産的惨状は明らかに失政というか何かに欠けるものであって)
現代社会に残された課題は大きいんだと思います。