一番の誤算は”自民の妙な勝ち方”に尽きるでしょう。
自民、比例は過去最低 みんな7で改選第3位
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010071101000560.html
実は自民党は勝っていないんです。
自民が名目勝利したのは「一人区(選挙区)での圧倒的勝利」でした。
(その結果選挙区で39人比例で12人となり比例においては民主の16人が上で端的に言えば政党支持においては民主が勝っている)
地方など(消費税増税がやたらと響く地域)民主が負けた分「勝っちゃった」のであり、間違っても堂々と消費税増税を訴えた自民が政策的に勝ったわけではありません。
なものだから自民党はとても困った立場なんですよ、
自分でも(みんなの党の勝ち方といい)『民主の負けた理由が消費税』って百も承知であり(当然谷垣執行部が支持されたのでもない)、勝ったからと強引に消費税増税論議で先頭走って菅首相の投げかけどおりに「超党派で増税論議をしましょうか」なぞと始めれば自分のところの支持率を更に下げかねないのですからね。
民主においては「一人区(選挙区)での圧倒的敗北」ですから、比例含めて選挙戦術は小沢戦略どおりに働き票は底上げされた(複数区共倒れは無かった)。小選挙区的な一人区において現政権政府に対する評価がNGだったという事です。
結論、
■有権者も「こんな結果は望んでいなかった」と見るべきでしょうね。
↓
このままでは政治がねじれ現象で停滞するだけですから、法案が次から次と否決されるだけで何にも通らない。
(皮肉な事に自民が仮に増税が信任と勘違いしたら「自民の法案丸のみすれば増税法案だけスンナリ通る」って話です)
てか、
「菅政権は有権者を選択に困まらせる事に成功した」というおかしな選挙だったのです。
恐らく自爆覚悟だった谷垣体制は残ってしまい(本人ももういいやって半ばやけっぱちだったのじゃないすかね)、ひょっとすると谷垣氏すら困っているかもしれません。
小沢氏に至っても「もう笑うしかない」というか、
離党しようが党首選に候補立てようが「もう手遅れ」なのであって、
唯一可能性があるのは『小沢幹事長の再登板による公明党との連立』ぐらいですが、いかにも見栄えが悪いというか、、
短期的には政権運営可能でもその政権は次の総選挙で負けるでしょう。
(小沢氏としても自民党の崩壊が狙いだったのだから公明党を自民から引き剥がす事で一定の効果をと考えるかもしれませんが肥大化させる予定の民主党が地すべり的に負けてしまっては意味が無いでしょうし)個人的には枝野幹事長が自分から辞任するのじゃなかろうかと思いますが(枝野氏は消費税増税論議に反対する小沢氏を大衆迎合と言っちゃいましたからね。迎合しなかったので選挙に負けてたんじゃ民意と大衆迎合を履き違えた事になる)、
後任を細野幹事長代理の昇格で済むとも思えず、、これは難航しますよ。
どうして枝野氏が辞任するのかと言えば選挙中の発言で野党各党の中には選挙後連立も視野に入れていた党もあっただろうに失言から逆に反発招いた張本人ですから、その人が今後の非常に難航する国会運営で各野党の協力を取り付ける能力がある筈ありませんから。
次の幹事長は”プロ的に野党と交渉できる人”でなくちゃいけない。
(個人的には小沢氏もこの手の幹事長役は不向きに思います、こういう仕事ができるのは野中氏みたいな人でしょうから。)
言わばバリバリの国体政治やらなくちゃいかんって事でしょうしね、
国対委員長の樽床氏は小沢グループにもパイプがある上党内では有能と評判があるといっても、野党対策的に手腕を発揮ってそういうのはちょっと、、
やはり司令塔として手腕を発揮できる幹事長が必要になる。
(いっそのこと仙石氏を幹事長にして、官房長官を小沢グループからってウルトラCの方が現実的か→所謂官僚を使った根回し)
まーね、どうやってもスンナリいかんとこういう話です。
菅政権が続いてもちっとも本人喜ぶような形にはなりゃせんと、
(下手したら辞任した方が楽)
■案外ポイントなのは”みんなの党も勝っていない”という事かもしれません。
自民党の分析と”みんなの党の勝利”は正反対で、
みんなの党の議席は『比例が圧倒的』なのです。
(選挙区3比例7)
政党として支持って言われてもみんなの党の場合には自民や民主とは違い(政党支持が幾分高くても単独での政権担当能力が圧倒的に皆無なのですから)、批判票と渡辺喜美代表の知名度に負う部分が大きく(しかも歯切れのよい”野党的”発言)、
ネット中継で選挙評論やっていた『the_journal』中の懇談の中で選挙コンサルタタントだかの発言にあったんですが「みんなの党は地元党組織が弱すぎで実は政党の体を成していない(比例でしか戦えない)」って話が一番面白かった。
どっかとくっつかないと何もできない政党です(そもそも渡辺喜美氏の自民離党はキャスティングボード政党を狙ったものですし)。表面上民主との連立は無いって突っ張っていても、それじゃ党が持たない政党でしょう(党組織が弱いので簡単に分裂してしまう)。
みんなの党のレーゾンテートルは『自民改革派別働隊』となるので、谷垣自民が勝っちゃう事はとても困るんですよ。
理想は、谷垣自民が敗退し河野自民となり(一部は更に離党)少数政党となった自民が大連立ならぬ小連立で旧民主党(政権主流派)とくっつき、小沢グループ分裂を前提として旧民主党・河野自民と連立(というか新しい政党として合体)。
確かにそのまんま民主党とは連立できない。
かといって理想的な政界再編にはちっともならない、
「どこまで我慢できるだろうか」渡辺喜美代表の党内政治力が試されることになります。
少なくとも国民にとって幸運だったのは、財務省主導の高等戦術で「知らない間に消費税増税が規定路線」なる仕掛けがもうできないって部分で、
(同時に自民が勝ったところで参議院でできる事はまたぞろ小沢氏だ鳩山氏だと国会に呼ぶぐらい→てか引退を表明している鳩山氏はそうなれば議員辞職するでしょう、そこで何を聞くんでしょうか。小沢氏を呼ぶにしても検察以上のネタがある筈もなく単なる面白くない政治ショーで終わりです。)
ここに至って「各党ともに困ったことになった」、
予測どおり”誰にとってもわかりにくい選挙結果”となりましたね。
ある意味今後どうなることやらって部分だけはちょっと面白いですけれどね(笑
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随分面白い選挙結果になりましたね
2010年07月12日
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