「抽象概念には意図した抽象概念で対抗」じゃありませんが、個性化の時代におけるキーワードはデジタル的意味の”ユニーク(唯一)”です。
そこで、この”ユニーク(唯一)”を一言で日常的表現で表すなら、
そのまんまですが『変』って事になります。
勘違いもされがちなので強調しますが「いい意味での”変”ですよ」
(何がいいって”よくユニーク(唯一)を表すって意味です)
前回の続きで考えていくと
「何か”変”な部屋(人)ないかしら」となります。
こんな風に考えるとみつけやすいって言いましょうか、気ままで楽な感じになるのではなかろうかと思う訳です。
retour&Retourのレポートもユニークばかり狙っている訳では無いんですが、ひとつのブレイクスルーと申しましょうか「こういうのもアリ」という東京の可能性提示を意図しているのは事実ですから。
何度かブログ(retour&Retour)では空室募集広告では無い件告知しておりますが、これは本当なのです。
時々「ブログを見て」と、偶然早いタイミングの問い合わせで紹介された当該室への内見希望があることも無いじゃ無いのですが、
コンベンショナルなタイプや分譲キラーなどの部屋は別としても特にアクセスの多いユニーク系の部屋の場合統計的にも申込み成約となるケースは通常の空室調査の時より低いのです。
圧倒的に過去記事から「○○のような」形でイメージ触発型の依頼〜成約の方が多いのでありまして(その意味で住宅デザイン雑誌的構成にしているんですが)、
心理的にどうしてこういう現象が起きるのか考えてみましょう。
人の心理にはどことなしに普段の生活で刷り込まれた”抽象概念や広告キャッチコピー”の力が大きくて、本来ブログで紹介されて且ユニークな内容の部屋のレア度はどの部屋も内見希望に至るような相性的一致があれば募集賃料を数段上回る経済効用的評価にあります。
「偶然掲載の早い情報の部屋が空室で大ラッキーでしたね」の筈なんですよ(笑
(本当にそれぐらいのレア度なので)
ところが、偶然掲載初期の情報に接する確率ってものは=事前に調査依頼となるようなコンセプトの確定というか準備が無い場合がどうしても多くなります。
結果として過去記事を経由して「○○のような」形で調査依頼となるケースとは違って、「思ってもみない内容への驚き」の占める率が高くなります。
という心理なんです。
「とういうってどういうようななんだ」って話になりそうですから解説しますと(笑
↓
「思ってもみない内容への驚き」が成立するためには
「代替がこんな風なものに違いない」って常識論が成立していないと発生しません。
それってつまり”抽象概念や広告キャッチコピー”の影響を受けているって事でもあるんです。オリジナルな希望条件では無い予断と言いますか、
(予め”こういう狙いで”がハッキリしている人は過去記事に適応があるにしても、そうそう内見可能性のある直近記事に相性的一致があると考え難い)
■通常は「そういう可能性があるんだ」で止まるところが人の心理ってものです。
いきなり内見となっても、心の準備といいますかふんぎりが付かない事も多く(現実に「どうして申込みできないのかわからないのですが」ってケースって存在します)、
人の心理はなかなかどうして「本音の発現」って難しいものなんです。
本音というものは=現実でもあって、
『現実世界で何を現すものだろうか』のような選択であるとか意思決定の事が→”本音”です。
ですから、個人の自我の中で「想定外の予断」が一見常識論で成立してしまうと、本来は現実に存在するものが”人の意思で想定外(存在外)”となる不思議な現象になるんです。
魔術師じゃありませんから、意思でそう思っても現実に存在するものは存在するのでありまして、これはどうにもならないと言いましょうか、「在る筈が無い」と力んでも何も得することありませんものね。
実前篇で触れたあの言葉には心理学的に背理がありまして。
↓
「なかなか”いい部屋”ってないものですね」
「なかなか”いい人(女性・男性)”っていないものですね」
前編では
>最初の表現の”答え”ですが「なかなか何が自分にとって今いい部屋なのか(或いは何が戦術的妥協点なのか)はっきりわからないんですよね」だったりするんです
まで書きましたが、
更に『心理学的に背理』と言えば
「”いい部屋”って広告の世界にあるような部屋ですよね」
「”いい人(女性・男性)”ってTVドラマとかの話ですよね」
潜在意識で現実世界におけるそんな可能性を否定しているんですよ。存在しない筈だみたいな形に。
(ハードコアな心理学にまで及ぶと「自分にはその可能性が無い」かのような被害認知・受動認知の鬱的状況に陥る事もあるんです)
それが”抽象概念や広告キャッチコピー”の影響だとしたらなんと勿体無い話でしょうかっ
(というわけでretour&Retour書いているんですが)
マスメディアの影響とかメディアリテラシー論議とかに連なる話だと思います。
正に”いい部屋幻想”じゃありませんか。
無意識に現実に背を向けているなんて話にも通じるのです←ここの”現実”も抽象概念的に誤解される事が多いので補足しますと、所謂厳しい現実みたいな印象のものでは無くて、”在るがままの現実”の方の”現実”ですよっ
(心理学的にはここの”微妙”なところが重要なのです)
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いい部屋幻想(後編)
2010年09月28日
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