(外光の入射角度が高級感に効果を発揮していると思われます)
しかし、それは分譲キラーなどの高級マンションの場合でありまして、皆さん忘れがちですが私達の普段の生活の中にも案外天井の低い空間はあるのです。
■まず家から
一般的な設計では天井板抜きで2m70ほどで、天井造作を張って2m40ほどになります。
昨今は寝具はベッドだって人多いですよね。
これ高さ30p前後、
となると夜ベッドで寝る時に見上げる天井高は”低く”なります。
ザックリ計算すると2m10、
しかし私は「ベッドで寝ると天井高が近くなって息苦しくて眠れない」という声をただの一度も聞いた事が無いのです。
■店舗から
和食系や居酒屋さんなどでは土間形式のカウンター席と「座敷席」と二種類ある場合少なくないですよね。となると勿論座敷は畳を敷きますから玄関よろしく土間形式の店舗グラウンドから座敷に上がる時には大きな蹴り上げを一段上がります。
その時「カウンター席は天井が高くて解放感あるのに座敷は天井も低くて息苦しいね」おそらく聞いたことある人いないと思います。
(可能性としてはボックス席形式で「狭い感じする」ぐらいでしょう)
■交通機関から
天井低い路線と言えば『大江戸線』です。
確かに走行開始当時は(身長1m90近い人とかから)「頭ゴツーンとかあるんだよね」などの声を聞きましたが(しかし勘違いしてつり輪であるとか捕まり用の手すりとか入口ドアに頭をぶつけるのであって)「天高の低さに気が付かなかった」となります。
路線バス
天井付近の停止ボタンありますからもちろん立つと天井が高い。
しかしバスに乗って「天井低くてかなわないな」とは聞きません。
そして『もちろん乗用車』。
この場合レーシングカーならコックピットと呼ぶぐらいで(極めてプライバシー度が高い座席)ある程度の高さでルーフが無いと落ち着かない。
解放感を求めて「オープンカー」がありますが、天井の高さを自慢げに売りにする自動車はありません。(見下ろしが効くので車高が高いってのはありますが)
他にも多々ケースあると思うんですよね、
(前説長くなり失礼しましたー)
こんな部屋がありました。

50u近くの1LDKが某池上線大田区都心近郊で(当時)賃料8万円という破格の条件、
設備的にもバストイレ別で、バスルームはユニット組み込み式ではなく専用設計のタイル張り(若干黒が基調だったり独特の世界)。
玄関までの階段も占有に近いので事実上50uランクのスケール感。
玄関寄りが居室で奥がキッチンLDKというのは最近見ない間取りでしたが、
条件が安かった理由は『ベースが住居じゃなかった』からです、
確か事業物件の倉庫兼店舗であるとか住居がベースで、二階部分はロフト的倉庫だったものを住居にリフォームしたもので天井高は造作抜きで2mちょい、天井造作がついて『2Mジャスト』のお部屋だったのです。
(思えば浴室がユニット形式じゃなかったのも”規格に合わないから”なのじゃなかったのでは)
天井の低さから内見での評判が心配なところでしたが結果は、
「広い、面白い。」
『広い』というところが重要なのです。
前段長文の『大江戸線の話』思い出してください、
確かに天上は低いのですが、普通にしっかり一般的な造作が行われているので「10分の9モデル効果」が出るんですよ。
立って天井に手をつかないと実測値は案外わからないもので、
(事業物件などで天高気にする事業者の方案外多いのですがみなさん聞くのが「天井高測っていいですか?」なんですよね、つまり「案外測らないとワカラナイ」のです)
逆に床面積と天井高の比率が10分の9モデルのようになり⇒床面積が50uを余裕で超える広さに見えるのです。
(なんて言えばいいのか”大きいのは自分か”みたいな→『ガリバー効果』と言う方が適切なんでしょうか)
後はみなさん予測のとおり
「あらキッチンの上段棚が楽々開きますよ。」
「これは蛍光灯の交換簡単だ。背伸びしなくても鷲掴みですね〜」
「フロアに座ると全然気になりませんね。」
内見された方も『若いカップル』でしたかたそれはそれは面白いと、
勿論申込み契約となったのでした。
(一度更新されたのかはっきり記憶はありませんが、何年か後に仕事も順調で引っ越しされましたが特別「今度は天井ノーマルで」な話題にはなりませんでしたね)
そういえば建築の巨匠『ル・コルビュジエ』
この人の室内設計黄金律モデュロールも「案外狭い」ので有名
中銀カプセルの室内も不思議と狭さを感じさせないのが特徴だったような(寝台車の個室ってあんな感じかも知れません)、
「天井高ければいいってものじゃ無い」
そんな部屋があったのでした。
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