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都心部と郊外どっちが得か

2011年01月23日

大雑把に言えば『山手線駅徒歩や山手線内側』の相場と私鉄沿線都心近郊との比較ですね、最初に結論から先に言えば「都心部の方が割安感が高い」のが事実です。
ですが、この結論は一律に言えるものではないので状況を説明していきましょう。

私鉄沿線郊外の宅地開発は昔は農地であったり新規に開発されるケースが大半で、同時に商工系区画も少ない上に幹線道路の整備含めての都市計画も遅れた地域になります。同時に底地の価格も(当時は)安く結果として『低層住宅』中心の街づくりになります。
端的にいえば初期のころはマンションも少なく、日本の経済成長に沿うように非木造化が進んでもいきなり高層化の建築許可の出る都市計画(道路整備)にはなっておらず、なんだかんだいっても構造は「マンションは高くてアパートは安い」って構造が定着している傾向あります。(底地の安さは担保価値との関係から(上物建築融資の評価)同時に単価の高い上物は建築できないことになります)
ですから私鉄沿線近郊や更に郊外の住宅供給とりわけ高層マンションなどが登場するには同時に大規模な再開発も進行しているケースが大半なのです。
(なんとなく大規模マンション供給のある近郊都市や郊外の街の景色が似ているのはそれが理由)
大規模タワー型マンション開発行われている地域は以前から商工地域だったりしますが、それは許認可の関係もあって「開発しやすいから」となるのです。

賃貸住居の場合も一見土地価格に比例して賃料もグンと安いのじゃないかと思いがちですが、高層化による住宅供給戸数の全体で考えれば、高層化や非木造化が進まない背景含めて必ずしもそうとは言えないことがわかります。
話は脱線しますが、分譲マンションの開発ひとつとっても分母と分子の関係じゃありませんが、底地の安い状況における”所有権”というか価格の安さは専ら価格が上物の比率が高いからで=「不動産の所有権というよりは上物である耐久消費財の購入」という度合いが高くなることを意味します。
(大雑把に言えば所有権の基礎的不動産価値が低い→近郊や郊外で分譲住宅を考える場合には土地付き一戸建ての方が”内容も堅い”という意味です。)

さてそんな風に考えていくと都心部の安さの鍵は高層化による供給量や開発歴史(築年数の古い物件やビンテージ物件など)となりますが、
都心部有利の状況はそれだけではないのです。
今度も都市計画・区画整理が関係しているのですが、開発の歴史が古い関係で幹線道路整備は確かに都心部進んでいますがなにせ「江戸時代から人が住んでます」から、込み入ったところに入ると区画整理がまったく進んでおらなくて、私道が入り組んで『再建築不可』であるとか古い商店街区画に隣接して一帯が旧法借地権だったり、不動産流通に乗らない土地も多くなるのです。
簡単に言えば市場で知られている相場の外にある物件が多いとなるわけで、物件によっては郊外の築浅物件などに比べても安かったり、そんな逆転現象もアリアリです。
探すコツとしてはキーワードが『再建築不可』や『旧法借地権』ですから、築年数的に古いものを前提にすることになりますが、都心部の物件ほどリノベーション規模の大規模リフォームも多くなるので、内装設備含めても勝っている場合が少なくありません。

ここまでの話で「なんだ都心いいじゃない」となるかと思いきや(結果人気で都心部の割安賃貸相場もドーンと上昇するのでは)、
いえいえ実際考えてみればそーんなに都心部に暮らしたいって需要は多くなかったりもするんですよね(笑
就職や学生の時から東京ってパターンの方大半に思いますが、渋谷や新宿などの街ならともかく他都心部の街ってほど逆に馴染みが無い場合も多いですから→都心部の割安賃貸はそのままにスローな存在として今後も続いていくのだと思います。

「実は歩いたことのない街が多い」のも東京の暮らしならではなのかもしれないですね。


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posted by kagewari/iwahara at 22:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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