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長い目で『賃貸か分譲か』を考える

2011年03月10日

retourでこの前レポートした「賃料設定を簡単に想定する方法」がなかなかの力作となったので、ここを補足して更に論議を進めてみようと思います。

retourのレポートでは
「賃料は支払うだけ損」というキャッチコピーを批判してます。
(実体は「誰かが儲かる」話になってる云々)
言えばですね「そんなに得ならあんたが買って貸せばいいだろう」というオチなんです。
確かに管理会社自体に資本力があって貸主として賃貸経営事例も無い話ではありませんが、滅多にありませんよ実際(笑
それが成功するには会社本体が建設会社であるとか、どこかに利益率をあげる要素が無いと法人としてもリスクがあるって事です。

大規模なデザイナーズ系分譲キラーなどの所有者が金融資本である場合ありますが、これも建築会社が賃貸経営するのと同様に金利的なアドバンテージがあるから成立するのであって、賃貸住居の経営で成功するには「大家業」的な小回りの利く経営実体が無いと無理な話で、資金調達コスト(金利)がちょっと大きくなるだけで利益どころか赤字になる事もある性質のものだと言うのが真実です。
※元々資産家の大家さんも見かけ上「土地の仕入れコスト分アドバンテージ」がありますが、資産運営リスクの判断はretourレポートのとおりです。

こんな報道もあります
マンション投資への悪質勧誘は「規制強化」 刷新会議・規制仕分け
http://www.asahi.com/housing/jutaku-s/JSN201103070004.html


不動産投資話なんかには「誰それが○○マンションを購入してその後転売でどれだけ儲かった」などという実例にも事欠きませんが、実際ですねパチンコだって儲かっている人(時)は儲かっているんですよ(笑、だからといって「今こそパチンコの時代」と考える人はいないでしょう。証券市場もそうですけれど市場全体が上昇する方向になって初めて(リスクヘッジすれば平均的に利益が出る)有望な投資となるのであって、不動産価格が地方のように下がっていたり、都心部でも場所によって僅かに上昇している状況で有利な筈が無いのです。
市場を見る場合の原理原則は『需要と供給』ですから、昨今の不動産の現況として『供給過剰が鉄板』な時に有利な筈がありません。
(そういうリスクヘッジが千代田区回帰現象なのですから)

結論は「ビジネスセンスによっては数%の利回り収益が得られる」低利の事業となります。
(減税・免税枠を使い切って且つ綱渡り的な運営でもありますが、低金利の住宅ローンで住居を買い短期的に価格が上昇している次点で即売却した場合→「住宅ローンによる低利の資金調達に成功」した事になりますが、この資本を活用して住宅ローン金利負担以上の資産運用に成功する話が一般的な筈が無い。資産運用として不動産経営が圧倒的に有利などという定説はありません。)

■ここまでおさえると『長期判断』が可能になります。
賃貸住居の賃料は審査の結果貸出金利が少々不利な時の住宅ローン金利と購入マンションなどの減価償却による自然損耗分を除くと(更に分譲マンションの場合仮に購入しても固定資産税と管理費と修繕積立の固定的運営コストかかりますから)、それほど大きな実損ではありません。
ですから所得とバランスの取れた余裕のある賃料の部屋を借りて、しっかり貯金してですね中年世代辺りで格安の1Rなどをほとんどローン無しで購入する方が自由きままな人生になる上に高齢化時代対策においても有利であると思います。
(高価な介護付き高齢者専用マンションも個室自体はそれほど広くないし、広さも求められていないでしょう。)

今後警備会社や介護関係サービス・家事援助サービスなどが拡大していく中、住居はコンパクトにして付帯契約サービスを充実させる方が今後重要になってくると思うんですよ。
「独身世帯はそれもアリだろうけれどファミリーは難しいのではないか?」と思う方いらっしゃるかもなんですが、いえいえ『子供手当』を忘れてますよ。
同居の必要な子供の年齢の間は子供手当の支給がありますからその間は家賃援助があるのと同等です、その間は3DKなどの賃貸を借りておいて(大学生で独立する方が心理学的にもベターです:現代社会では常識になっていくと思いますよ)、子供が独立したところで夫婦二人ですから。この時にコンパクトな30u台のストゥデイオか2Kなどを購入すればかなりリーズナブルですよ。
 ↓
共同幻想バリバリの保守系の方なら「お正月はどうする」なんて話出てくるかもしれませんが、いやぁねそういう時こそ温泉旅館の大広間とかの方がいいじゃないですか。お正月のために3DKの分譲マンション必要って話は割り合わないですよ(笑

■逆に『分譲の条件』なるものを考えてみると、
それは”ホームタウンの確定”であり、”家というものへの純粋な所有欲”であり、超長期ローンの必要が無い所得の余裕であったり、勿論一戸建てやマンションなどへのしっかりした趣味性があっての所有であるべきです。
 ↓
間違っても「賃料は支払うだけ損・マンションは買う方が得」などの判断で買ってはいけないということですよ。

賃貸の有効活用がwin・winである背景に大家さんサイドからも一点追加しておくと、
各世帯がある程度の長期契約がライフスタイルとして確立していけば、大家さん的にも数年オーダーで収益が安定しますから(空室リスクもリフォームコストも縮減する)、賃料設定も安くなりますし、賃料設定が安くなれば滞納率も下がるでしょうし、平均契約期間が6年超えれば退出後のリフォームは「基本が大規模リフォーム」となり、この点では改装請け負う工務店の収入も安定することになります(解約件数の総数が減ってクリーニング業者は景気低下するかもしれませんがクリーニング業界は家事援助サービスの方に伸びるのではないでしょうか)。

これこそ景気循環です。
社会資本としての”マネー”は不動産投資では無く企業活動の設備投資なり投資効果のある分野向かうのが正常な経済ですし、実体経済が良くなれば不動産の資産保全リスクも低下して昔で言うところの不動産の担保価値も回復します。


民主党政権がどこまで続くのかわかりませんが子供手当だけは完全実施の方向で安定して欲しいものです。
(※前回の参議院選挙において自民党も子供手当とは呼んでないと思いますが、児童手当など少子化対策の予算増額は公約しているので法律の名前は変わるかもしれませんが自民党に政権が暫定気に戻ったとしてもいきなり廃止にはならない筈です。)


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posted by kagewari/iwahara at 16:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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