政府、需要抑制目標引き下げ検討 供給力上積み見据え
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20110420_01.html
(一部引用)
政府は今夏の電力供給力不足をにらみ、8日の電力需給緊急対策本部(本部長=枝野幸男官房長官)で決めた需要抑制目標を引き下げる方向で調整に入った。経済産業省と東京電力が今夏の供給力を精査する中で、15日に公表された5200万キロワットから8月末までに400万キロワット程度の上積みが可能と判断。ピーク時需要6千万キロワットとのかい離が、8日時点で想定した1千万キロワットの半分程度に縮まることから、大口需要家の抑制目標としていた25%を15%または20%程度に引き下げる案が浮上している。小口需要家、家庭の目標も引き下げを視野に検討を行う。
これを受けてこうなってます。
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節電目標引き下げを検討 政府が大口15%案軸に
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110421/biz11042118090036-n1.htm
所謂電力使用最大ピークというのはそもそもが最も暑い時期の1週間前後の話でしたから、上記報道によれば普段の生活においての節電というのは「ほとんど気にしなくてもいいレベル」に下がったと見ていいでしょう。
(大口利用の産業界が2割前後の目標で節電するのは予め決まっているワケですから)
前回のエントリーで触れた洗濯機の新製品の話は遠慮する必要なかったかなと、
(ということでこれは又機会改めて書きます)
停電に関しては業務用のバッテリーを家庭用に発売するなど各方面動きが見えてましたから『節電』に関しては今後もひとつのトレンドとして伸びていくでしょう。
(当初は電気自動車のバッテリーをオール電化エコ住宅の仮想ホームバッテリーとして利用するプランもありましたが、オール電化エコ住宅にとってホームバッテリーの実装は今後必須アイテムになると思います。)
※バッテリー付きの薄型TVの発売もあるようですが「モバイルノートPCでいいじゃん」とも言えるのでバックアップ用として廉価なノートPC需要も高まるかもですね。
大きく報道はされていませんが住宅関連ではこちらの報道が深刻かと思います。
3・11大地震時の新宿高層ビル 大きく、ゆっくり13分揺れ続ける
http://www.j-cast.com/2011/04/20093705.html?p=all
キーワードは『長周期地震動』です、
実際不動産の現場で耳にした話ですが、
何も超高層ビルに限った話では無くて、最近某所の契約の時管理会社さんから直接聞いた話なのですが、近隣の11階建てマンションの最上階付近の入居者が連日のように「どこでもいいから一階の空き部屋は無いか」と問い合わせがあって対応も大変だという話でした。11階建てとなると『長周期地震動』などの超高層的耐震分析との関連は無いのかもしれませんが、問題となったのが「高層階の揺れ」であったのは間違いありません。
(公団系の強固な建築なので建築物自体に被害は無いが家財が落ちるなど精神的に怖くてという動機による問い合わだとのこと)
大規模地震となると「これほど連日のように余震が続くのか」と、ここ誰しもが思ったでしょう。
特に高齢者にとって高層階の暮らしには不都合が多く(事実「高層難民」という話もあるそうです。←非常階段で避難の後エレベーターも停止していて自室に戻れなくなる現象)、不動需要全体のトレンドすら変化するかもしれません。
(※個人的には以前から高層タワーには様々な意味で懐疑的で数年前から批判的記事を書いてきましたが)
ここに建築界からも『想定外』出てきてしまうと、その意味は更に大きいものとなるでしょう。
【管理会社の話】を後一つ追加しておきましょう。
郊外メインの管理会社さんに聞いた話ですと、鉄骨造だけに関わらず中低層RCでも基礎部分などで「素材感の違う場所」で亀裂が見つかったなど対応追われているという話を聞きましたが、都心部(港区)の管理会社さんに同じ話を振ると「築年数古いものかなり含まれている中で地震の被害って話はほとんど無いね」でした。
耐震性の話も随分してきましたが、やはり都心部におけるゼネコン開発全盛期往年の中高層マンションは強固で、郊外に多く見られる中小規模の鉄骨造系には弱さがあるとみられます。
(注目すべきはRCであっても郊外では被害実例があったことと、一部ではありますが管理会社情報ですとその郊外でも今回規模の震度の場合木造アパートには被害が無かったのも事実。)
中古マンションの資産価値評価としても、賃貸マンションの運用にしてもマンションの場合都心部有利は事実としても裏付けられていると確信したところです。
(震災当時”Teorema”でも以前紹介した名棟『九段会館』で痛ましい事故がありましたが被害の原因となったのは躯体では無く造作物である天井の落下でした。)
※「郊外においては木造アパート」という棲み分けは考えるまでもなくまっとうなものなのです(郊外の場合むしろシングル向け高級タイプやファミリー向けのアパートが少なすぎる事が問題に思う)。
にしても前述の「上階の揺れの大きさ」という部分は残るワケで(免震に関しては前述の『長周期地震動』と技術的な関連があるようで一概にベストの解決策とは言えないようです)、ここも単純な発想ですが『建築物の”縦横比”(勿論厚みも)』が検討の対象になるのでは無いでしょうか。定義としては建蔽率や容積率以外の評価ですね(ある意味数字がなくても”見たまま”でわかると思いますが)。
※確証はありませんが郊外の中小規模建築の被害には、この”建築物底面(フットプリント)規模”も一因として関係しているのかもしれません。
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都内鍋横村の拙宅(というか、以前お話した書斎崩れの賃貸1R・鉄骨3F)はなんら問題ありませんでした。
そもそもTV・冷蔵庫・電子レンジなども持たない暮らしのため、節電もほぼ限界に近い。かわろうとしても変われない、現代の日本を象徴するような状態でございます。
20年ほどの物件は悪くないなと思いますれば、最近20年の物件はどうなんだらうと考えます。低コスト化による、良くない仕事をしてしまっていないだらうか(自分自身)と。
安易に他者のせいにしないやうに暮らしたいものです。ではでは。
鉄骨造に限定して言えば、事耐震性DATA上は1982年以降の方がいいです。
(RCは71年以降であれば旧作の方が強い場合少なく無いと思います。)
鉄骨造はフレーム構造なので(元から強度的には強いって事では無いので)構造強度設計上82年以降に進歩があるといった感じでしょうか。
それでも最近作の方が鉄鋼の総重量は落ちているように思いますが、、
(耐震性という観点だけなら軽量鉄骨であってもプルーフできるのも事実ですから、この辺の解釈と遮音性能は比例しません。→勿論軽量鉄骨であっても高級一戸建てクラスも存在しますが)
※いい意味で所詮フレーム構造な部分もあるかもです。
※逆に言えば中小事業系建築に多いタイプなので82年以前のものには弱いタイプも含まれてくるんだと思います(当時からRCとのコスト的対比関係はあったでしょうから)。
鉄骨造の場合でも、RCとの比較で言えば事業系のワンフロア一住戸タイプが逆に増えてくるので、強度の高いものもナチュボーン的に含まれてくると思いますので”基礎的な強度”という点ではケースバイケースですね。
(1階テナントが事実上下駄履き構造となると耐震性の点で弱い部分も出てくると思いますが)
築浅の鉄骨ALC(軽量コンクリパネル)が遮音に弱いなど(勿論剛性や共振周波数など複合的要素もありますが簡単に言えば遮音はなんといっても重量に比例するので)築浅問題は又別個に存在すると考えた方がよさそうですね。