先日のエントリーは(各世帯経済事情も違うのですし)個別各論の判断は個々人でという趣旨であえてDATAだけ紹介した形の記事となってますが、これを補完する上で今回は「リテラシーとかってカッコつける話ではなくって情報の裏取り的比較」を取り上げたいと思います。
私の原稿もそうですが、何かひとつの論点で文章が語られる場合個人的に専門性の無い分野であれば”ぼんやりとあーそういうものか”と”うっかり”思ってしまう事は誰にでもあります。
「ちょっと待てよ」みたいな一拍置く意識が無い事にはどれだけ分析力のある人でも使いどころが無くなってしまうのであって、ここは自分が考えている趣旨の反対論的テーマの文章を読む時にも言えることかと、←”ぼんやりコノヤロー”と”うっかり”思ってしまう(笑
一言「あれれ」とか「ちょっと」と挟む事でその記事から別角度の話を引き出すことができたりします。
「あれれ」を見事に展開している記事がこちら、
池上彰さん、しっかり解説してください!日米両国とも富裕層の税率は低く、貧富の差は拡大し続けています!http://news.livedoor.com/article/detail/5951660/?p=1
ちなみに個人的には記事の内容では無くって、記事中に紹介されている「上位20%の高額納税者が、連邦税総額の実に70%近くを負担している」って部分が印象的ですね。これNHKでしたかねどっかの報道で『バフェット税』に反対する富裕層の意見でもこの話出てました。ある意味この話は衝撃的で、昭和の税論議では累進課税をしても高額所得者は一部でしかないため感情論的な話になるだけで税収増には繋がらないって話が主流でしたが→「どんだけ格差社会なのか」と思う事しきり。
(※「格差社会」という言葉が一律に正解とは思っておりません。社会福祉行政はそれなりの規模でもセーフティーネットとして機能しており、最低所得部分は思うより支えられています。問題なのは企業の内部留保問題と同様に、所得が一部に集中して分配されていない事で(高額所得は一般消費者を含む経済社会の母数が無い事には成立しない)、経済学的にこれは問題なワケです。←一時あった「空前の企業収益と横ばいか下がり目の人件費」なる構造的問題の現れ方のひとつ。これじゃ世界の需要を点々と食いつぶした挙句早晩各国で経済モデル的破綻が連鎖します。ギリシャの問題も一部ここ関係しているかと→日本同様諸外国でも財政赤字による需要によって経済回っていた側面ありますから。言うならば”暫定的所得分配”。)
話は戻って、
前述の記事を下の記事と合わせて読んでみます。
(相当偏向した右寄り論壇主催の記事ですね)
経済と命にトレードオフなんか全くない
http://news.livedoor.com/article/detail/5951222/
(上記は昨今「大丈夫かこの人」扱いされている炎上マーケティングで有名な池田信夫氏の発現を”逆説的に援護”しているもののようなんですが、、)
この筆者は自分で書いていて論旨が破綻していることをすっかり忘れています、
記事に登場する統計グラフは『一人当たりのGDPと平均寿命の相関』であって(記事中で更に金持ちの方が有利だと引用交えて展開してますが)、当然その当該国に格差があるんでしょうにってね(笑
そして先進国が何故有利かって、ここは前段説明しておりますが「なんだかんだと社会福祉行政が堅いのが先進国」だからで(医療面のインフラ含み)、これを破綻させたら(第三世界並の貧困層になるんですから)「そのまま落っこちる」じゃないですか。
(間違っても原発推進支持だとかの話に結びつきようがない)
仮にですよ、100っ歩譲って著者が紹介している「更に金持ちの方が有利」なのだとしたら、所得格差は「命のトレードオフになっちょる」って事になります。
(憲法で保障されている権利侵害になりゃしませんか)
※前述の引用記事の内容から読み解くとすれば『先進国の社会福祉なりの水準を堅持すべし』って話になるべきでしょう。
(更に言えば先進国としての矜持として所得格差(正確には所得分配の失敗)を解決しろと、国際的に破綻連鎖したら食い潰しにいく需要なんてカニバリズムならぬ”グローバリズム”もってしても世界のどこにも先が無くなりますよ。←そもそもの投資が金融工学で何倍にも水増しされてますから最後には”飛ぶ”なんて壊れ方してしまう。)
そんなこんなで「あれれ」とか「ちょっと」と挟んで”一拍置いて”いけば「うっかりそうかも」と流される事ありませんから(リテラシーなんて特別難しい話では無いのだと思います)、先日紹介の統計DATAも自分に関係するところだけでなく一拍置いてですね、
「となるとあれれなんでだろ」のような方向で見ていくと別の発見あるのではなかろうかと思います。
(「ってことは○%は投資枠で本人住居としての購入じゃないな」とか=○%は実需とは言えないって事?みたいな、)
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先日のエントリーであえてDATAだけ紹介したのですが、
2011年10月21日
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