中古マンションを購入して自分でリノベしたであるとか、
そのまま戸建注文住宅などと「賃貸の部屋探し」は完全に別物になります。
答えは簡単で「希望通りの内容そのままがある筈が無い」です。
(注文設計ではありませんからね)
又、一般的なユーザーに建築士的知識もある筈ありませんから、仮に注文住宅を依頼する場合にも様々な変遷を経て結論に至る形になりますから”そのまま”という事は売買・賃貸どちらの場合にも通常はあり得ないところから始まる事になります。
(※ですが中古購入や分譲に比べて賃貸は選択肢の母数が100倍以上と思われなので「どちらが得」とか単純には比較はできないものなのです。)
勿論ここ皆さんご存知なので→希望条件を考える場合「大まかにこれとこれは欲しい」的な設定をしている訳です。
ここまでの流れで部屋探しの神髄があらわになっております。
特に賃貸の場合、
部屋探しとは「オルタナティブ的なもの」なんです。
「現実に置き換えるとこういうことだね」的な選択、
微妙なニュアンスになりますが「オプション的なこういうので仕方が無い」的な判断は負けになっちゃいますので”オルタナティブ”を追求するのが賃貸における基本方針になります。
(えーこの場合”オルタナテイブ”を大層な意味では考えておらず、言うならば「これが一番自分の希望を実現している”想定外”の可能性かもしれないみたいな発見」←というような意味で使ってます。)
「オルタナティブ的なもの」というのはかなり難しいものですから、結果一般的な部屋探しは「大まかな条件の範囲であれば多くを望まない」結論に軟着陸しているというのが実情かなと思います。
ここには心理的な弊害みたいなものが出ておりまして、
『大まかな条件の範囲』×『多くを望まない』
上記図式になればなるほど人の心理は『大まかな条件の範囲』がですね無意識に上昇するんですね(笑
しかも一般的な方は建築含めて不動産の専門家ではありませんから、
皮肉な事に『無意識に上昇する大まかな条件』が→「オルタナティブ的なもの」出現可能性を範囲外に押しやる現象も少なくないのです。
↑
ここが心配だったため以前retourの方で「建築的構成」みたいなエントリーを書いたワケです。
設備や間取り構成の整理(などなど)
http://retour.seesaa.net/article/256445704.html
不思議なもので始まりは「多くを望まない」筈だったものが基本的設定が「大まかな条件」であるため『無難』な方向性が「ちょっとでもわかりやすく条件のいいもの」に向かい、特に以下の項目、
『希望賃料・平米数・階数・築年数・マンションフラグ・バストイレ別・フローリング』
↑
ここいら辺が「ちょっと希望より上昇」する形で希望条件が設定される事が少なくないのです。
※専門的見地から言えば「その組み合わせだと検索母数(現実に建築として存在する数)が凄く少なくなってしまう」的失敗に陥る事も少なくないのです。
■「そんな事はそうそうないでしょう〜」と思われる方いらっしゃるかもですが大間違いなんですよ〜
話をわかりやすくする意味で『電動補助付き自転車』で考えてみましょうか。
前提条件は
「自転車のことはなんとなく知識あるが電動補助自転車のことはよく知らない。」
さて、この人物が「大まかな条件でありつつ、ちょっと希望より上昇」な希望条件をまとめてみた場合、
↓
「3万ぐらいの小型軽量で荷台の大きなもの(できれば新品でデザインもいい)」
えーっともう無理みたいな(笑
これほど極端では無いのですが、上記のようなパターンが(イロイロな組み合わせで)「微妙〜なんですけど、そういう賃貸住居は無いですね」な感じで著しく検索母数を最小化させたりするんです。
そんな厳しい条件で「オルタナティブ的なもの」を探そうってそれは無理ですよ。
ある意味不動産業界で仲介調査専業みたいな業態が著しく少ない(端的に言えば”経営スタイルから変えないと”採算性的に赤字にしかならないため)。→その結果詳しい説明を聞けない(あろうことか希望賃料を上げるため間違った知識なのに営業トークで追従しちゃうとか)、そんな枠組みの中「よくわからないのでつい友人に聞いてしまう(友人に不動産の専門性高い人滅多にいませんからw)」。
↑
このような悪循環があるのも確かですね。
■その反面、アパレル業界だとかコスメとかだと違った消費行動になっていると思うんですよ。
(価格的余裕もあるからとも言えますが)
「お客さんにはこういうのがお似合いですよ、」
「ははーお話聞くとですね、今ならこういうのがお勧めです。」
(アパレルやコスメで事前に「○○まるで○○みたいなので○万円以内のものありますか」といきなり店員さんに告げるって消費行動は一般的ではありませんよね?)
しかしアパレルやコスメでも”通販サイトで購入する時”は違うでしょう。
銘柄指名だとか「○○まるで○○みたいなので○万円以内のもの」を検索するワケですから。
しかし「通販でいいや」な時ってのはですね、
「事前に十分な知識があるもの(同じ商品を既に使っているとか)」
「それほど多くを期待していないもの」とかになるんですよ。
↑
後段の部分が不動産問い合わせにおける心理的な失敗の流れに被っていると。
注)勿論なんですが、昨今のインターネットにおけるポータルサイトの不動産情報コンテンツ(実態は広告)にすっかり慣れてしまってみなさん無意識に部屋探しという行為を「資料集めの段階」に比重置いちゃっているかもなんですが、
「部屋探しの本番は”内見から”」です。
(アパレル的に言えば「試着してから」)
ですから余計に資料集めの段階で、無用に母数を減らしてしまうと、
「試着してみたら、おーこれはイイゾ」
(=「オルタナティブ的なもの」)
この可能性を自分でネグっちゃったりする事になるんですよね。
(しかも無意識なのでその自覚が無い)
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「部屋探しの確率」心理的側面
2012年05月07日
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