果たしてこのテーマをここのブログに書くのが適当なのかわからない部分もあるのですが、先日からちょこっとシリーズでお伝えした『不動産の原則論』みたいなところに相当というか大いに被る話なのでやはり書いておきます。
※あまりに長文になりそうなので3回シリーズ構成でアップしていきます。
日本の経済だけが特殊ということは無いと思うので「それっぽい話」は仕組みを変えて欧米でもあったのだと思うんですが、
(何の話かと言えばえー後段読んでください)
経済というものはある意味「元からが少々インチキな成長原理」なのです。
■社会が豊かになる極シンプルなモデルをざっくりまとめますと
(因果関係は”適当”←ここ本旨と違いますので突っ込まないように。)
1農耕技術の進歩で二年分の収穫が取れた
2農業従事者の半数が綿花で衣類を作った
3農耕技術に革新的設備が導入され更に収穫が2倍になった、同時に衣類の生産も倍になった
4農業従事者の半分は大工になり、衣類生産者の半数が流通業を始めた
5産業革命が起きて機械化が導入された農業生産は今度は3倍になった。衣類は工場で生産され衣類以外の布製品を含んでも生産量が3倍に。大工は二倍の建築物を造り人口増をカバーした。流通業者は二倍の荷物を運び中間流通センターが登場する。
6各セクターで生産増は続き、医師や公務員や銀行員が登場する。
7「無限電力もんじゅ」に成功し国の動力は無料使い放題になり『人は働かなくてもよくなり』労働という宿命(欧米なら贖罪でしょうか)から解放され、
人は経済原則では無く自由に『フリーエコノミー』で好き勝手な経済活動をするようになる(所得が完全に保証された世界で)。
こういうストーリーがマジ経済学だったりするんです。
みなさん冷静に冷静に考えてみてください?
そうですね中学生のようなシンプルな見方で。
「んな夢みたいなインチキ話、もろユートピア哲学みたいな代物じゃん。てか話の進行からしてなんだかマルチまがい商法の営業トークを聞いているみたいなんだが。」
と思いませんか?
ところが、
経済学ってマジそういうようなモンなんです。
ケミカルの元ネタは錬金術でしょうし、
数学の始まりは占星術あたりでしょう。
古代日本の陰陽師はほとんど当時のテクノクラートみたいなものですし、
第一近代の大学なんてものは欧米神学校の存在無しに考えられない。
(バチカンには「科学技術を判定する会」みたいなの今でもありますし)
エジソンのライバルであるニコラテスラ(交流電気はこの人ですから)あたりは、完全に「いっちゃってる人」というか、、現在の評価ではトンデモ系です。
昔のハリウッド映画でお馴染みの西部劇には『西部のゴールドラッシュ』が頻繁に登場しますが「そもそも金なんてものは確かに金属だから何かには使えるでしょうが実用性から言えば鉄鋼の方がはるかに重要なのに」なのに、金の出る街は一大好景気になるワケで、
(その後石油王の登場→そして石油メジャーと呼ばれる大企業の頭角も元ネタは「穴掘って一発当てた」ですからね(笑←ある意味石油メジャーの元ネタは『コールドラッシュ』でしょう。)
なんと言いますか山師が大活躍みたいな。。
銀行の始まりはテンプル騎士団だったりするんですし、
(更にその元ネタはテンプル騎士団が十字軍で聖遺物みたいなのをカッパライしたからで、、)
西洋人はその後「奴隷貿易はするわ」「植民地は造るわ」(大虐殺もワンセット)などなど「恥ずかしげも無く歴史的犯罪者の道まっしぐら」だったり。
(G8だかG20だか知りませんが「いけしゃーしゃーとどの口が言う」みたいな連中なんですし←これを模倣した大日本帝国も偉そうなこと言えませんが、)
えー近代以降世界は『文明化(ターニングポイントはフランス革命)』に舵を切ります。
色んなインチキ臭い話は随分と洗練されまして、
「それっぽい(現実的なる言葉の元ネタ)横文字の専門用語」みたいな手法で「何だか随分とお上品な話」に変遷しただけで、
(学会の深層心理的には「偉そうに言ってるけどマジになってついこないだまで占星術やってたんだろ」とかが本当のところだったり、)
発端の「インチキ話じゃね?」が変わったワケでは無いのです。
■話は戻って『昭和の高度経済成長』なんてものはどういうものだったんでしょうか。「やれ朝鮮戦争需要が」みたいな「それっぽい話」じゃありません。
結構ベタで進んでいた実体経済の流れです。
よく日本は中小零細企業が中心(97%前後)であるとか、法人税論議なんてする時には「黒字の法人なんて半分も無い」であるとか、昭和の猛烈サラリーマン時代には「クロヨン」なる用語(課税捕捉比率”サラリーマン9割””自営業6割””農業4割”的にサラリーマン徴税における不公平感を表す用語で→後の消費税論議の元ネタです)があったりしたのですが、
↑
これ冷静に、
みなさん冷静に考えてみてください。
今時の新自由主義者あたりが言いそうな「市場経済で競争力のある会社(法人)」なんてナンボいると思います?元々からが「半分もイネーっス」というのが真実なんですよ。
ところが倒産もせずに大方の業界は成長経済の中で追随するように所得を伸ばし、事実上社会は『完全雇用』だった。
(割高高級品を意味した『舶来品』が後に『粗悪品』を意味するようになるなんて当時は思いもしませんでした。)
更に重要な事はですよ?
↓
今時の新自由主義者あたりが言いそうな「市場経済で競争力のある会社(法人)」がですね、「半分もイネーっス」だとすると、
俺は今日も真面目に働いてちゃーんと働いた分給料貰って頑張っている「飯が上手い」。なんて暮らしの真実は「半分も無かった」のであり、実態は(現代社会で言えば)「(新自由主義者に言わせれば)存在する事自体が悪の倒産すべき法人だったり」がゴロゴロあったんです。
▲「つまりこれは間接的な所得分配が行われていただけで、”アバウトで自由な気風の中”わりかし役にも立たないものを生産しても食っていけた時代(間接的な所得保証補助金行政)」、そんな時代だからこそ「細かいこと気にせずバリバリ働ける素地」もあったし、残業は確実に所得に反映されました。
(新自由主義の企業の見立てと、当時のサラリーマンの暮らしと現代の”ホワイトカラーエグゼンプション”重ねて見れは関連わかると思います。)
↑
これは『どういうカラクリ』だったんかと言うですね、
「リアル経済学」的にはそこが一番重要なんですよ。
(=不動産が無限に値上がり続ける法則も似たようなインチキ話なワケで)
■どういう仕組みだったのでしょうか?
不動産とインフレの話と同じような事なんですが、
9割以上が中小零細の日本の企業は半分近くが実のところ赤字だったりするワケですが、当時の銀行ってのはなんだかんだと「回転資金」を融資しました。
で、インフレですから借りたお金は必ず「相対的に減額します」ので(インフレによって勝手に企業の総売り上げは上昇するため)、借りても借りても「返せる」んです。
どこかで元請け会社から生産増からどーんと工場に投資してとか”生産性がドンと上がるポイント”で返済にもリアルに余裕が出るだけでなく、企業としても大きくなりますから(返済もできているワケですし)、銀行の支店長としても「もっと貸しましょうか」なーんて話にもなります。
(そしてこの話の元請の株主はその銀行も関係する機関投資家であり、仕事の発注元は政府だったりして、)
↑
実はですね、
給料なんてものは売上だとか収益とかより「借りてる回転資金から」な側面だって少なからずあった(てかかなりあったでしょう)。
国全体がインフレという名の「ちょっとずつ借金を踏み倒す仕組み」の中で、丸く収まっていたんです。
(当時の大蔵省やGHQが目の敵にしていたのもインフレ)
「回転資金を借りる」という『ゴールドラッシュの発見』みたいな。
戦後のインフレは鎮圧されるのですが、
デフレを恐れてなんだかんだと緩和策を併用し「ある程度まではいい」みたいな方向で日本の成長は以降も続きます。
<つづく>
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『政治経済の変遷』(1)
2012年07月23日
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