おおよそ誰しもが想像したとおりの流れかと思いますが、
微妙にシナリオと違うところは以下。
で、ここのとこ”微妙に違うところ”の動きが急速に動き出してます。
「不信任案の出しっぺが”みんなの党”であること」
(小沢氏のところは元から冒頭不信任案は無いとコメントしている)
「民主党がずるずると引き伸ばし戦術していることに対して自民が苛立っており、これに呼応して民主党は日程で自民の顔を立てる方向で調整していること」
(この引き伸ばしは相当粘るのでは無いかと思われていたがあっさり妥協した)
思惑としては案外野田政権の狙いに沿っているって事ですよ。
野田政権はとにかく自公を事実上連立政権の形に引き込もうと思っているのであり(解散先延ばし)、みんなの党が早っているのは前述の増税法案日程のこともありますが、『生活が第一』台頭の中反増税系の政党として埋没することが無いように目立ちたかったところもあるでしょう(思うにここは各政党読んでいたと思います)。
現在の流れのまま進むと、
野田政権の思惑どおり自公は『野田政権信任』の踏み絵を踏まされることになり(=解散先延ばしの容認)、自公内で早期解散派は荒れるでしょうが小沢氏的な力のある政治家はいませんから造反があってもたかが知れている。と、民主執行部は読んでる。
▲ここで自公が7日に「否決狙いの不信任案を出す」って話も出ている(ブラフとして)。←こういうことが本当にできるのかね?
勿論これはみんなの党主導の「不信任案の動き」を牽制する意味もあるのだろうけれど、牽制になるの?この機に乗じて成立させられたらどうすんの。
民主・自民の現執行部の読みでは自民の解散派や民主の鳩山派は懐柔され(=谷垣再任の多数派工作となるかもしれない)、不信任案が否決されれば解散は来年となる。
仮に可決されてもあるのは解散ではなく野田政権の総辞職、
(『生活が第一』の本音も候補者擁立準備が整うまで時間が欲しいところで必ずしも選挙が先に伸びる事は悪い状況では無い)
↓
この状況を小沢氏は「11月選挙」とコメントしているようだが、この読みはどういうものか。
■野田政権の思惑は(既に岡田氏の動きから来年選挙の方針が報道されている)来年総選挙であり、その前に「どこで野田氏が総辞職するのか」ここが不透明。
前述のシナリオでいけば8月不信任案はクリアしたとしても、谷垣再任と野田再任党首選は「大荒れ」となる。(各党内反対派の本音は党首選で不信任案では無い。谷垣氏なり野田首相なりを党首から落とすことが本丸なのだから現段階では「不信任案」が否決される可能性もそれなりに高い)
小沢氏はこの9月の代表選後に大きな動きがあると読んでいるのだろう、
(代表選における現執行部打倒に失敗すれば鳩山グループは離党するしかないし、同時に自民の一部も少数だが離党する可能性がある←自公民連立の噂=選挙区調整の噂だから)
並行して(若干眉唾勢力である)大阪維新の会の動きも現実的になってきてる。
どうやら(やっぱり金が無い)「国会議員をひっこ抜いて(政党交付金の貰える)政党を事前に立ち上げてから」という話。
彼らが選挙に勝つかどうかはともかく分裂への誘い水的効果はデカイ。
特に選挙に弱かったり小沢アレルギーのある民主党議員にはかなりの誘い水になる、
(なんですが維新の会の動きは常に眉唾なので話半分に考えとかないと)
どちらにしろ「民主・自民の党首選後」(連立の噂と選挙を意識して)離党が本格化することは間違い無い。
自民党内も「いつか選挙になるから」と適当な事を言っていた執行部の対応に批判が集まりますから(選挙は来年で民主党と選挙区調整するなんて話が表面化すれば)党内はガタガタになり、
ここからどうなるのかわかりませんが少なくとも「野田政権総辞職」は堅い。
(責任逃れと落選を恐れ野田氏がこのまま引退の可能性もある)
党首選後に「数ヶ月しか任期のない党首の交代?」とかなってしまうと民主としても選挙を先延ばしする理由が無くなってしまい(自公との連携も雲散霧消する)、『自公民連立』もワケのわからないものになる。
その時自民の党首が谷垣なのかはともかく、こんな選挙管理内閣のようなものを谷垣氏が受けるとは思えない。となると、岡田政権あたりでしょうかね?(そういう馬鹿な貧乏くじに鈍感なのは)誰になるのかわかりませんが、ここでやぶれかぶれの解散(岡田氏は増税法案がそもそも正しいと思ってますから)。
よーく考えると、民主党にとって最悪のシナリオになります。
これを覆すためには『野田政権総辞職を少しでも前倒しして一気に自公連立政権(谷垣政権?)に持ち込むしか無い』。
しかし上記のシナリオだと自民党のなんとやらは「早期解散派」によるものなので、選挙管理内閣の繋ぎの首相だけ自民からってのは無理筋過ぎ(補正予算の選挙区利益誘導と大臣ポストをちらつかせて解散派を鎮圧できるのかにかかってくる)。
民主党執行部は「話がややこやしくなる前に(間違っても破れかぶれな解散にならないよう)自公連立にこぎつけたい」と考えてる。そこしか勝機は無いんだし、
不信任案の踏み絵をきっかけに一気に野田政権総辞職から連立協議を進め、自公連立政権で『増税に伴う景気対策(公共投資)の補正予算』を成立させ増税の批判を薄めたところで来年解散するのが狙いだから。
■後にも先にも「結局自公連立政権が可能か」って話ですが、
まず無理(笑
ずーっと連立政権を望んでいるのにさっぱりそうなってない訳で、後からできるぐらいなら今からそれらしい話のいくつかは出ているでしょう。自民内から連立推進のコメントが出るとか、
「きっとこうなるとうれしい」みたいな蜃気楼のような根拠で政権維持に奔走しているという形です。
(これに連合はついていくんでしょうかね?ついていったら連合って組織はいよいよ分裂するでしょう。←これは『生活が第一』に実に都合がいい。)
■以前のエントリーでも書きましたが、
放っておいても『民主党にとって最悪のシナリオになる』
(ありそうなのは9月の民主・自民代表選後のドタバタで解散)
当面一番の貧乏くじは「先走っている”みんなの党”」。
前からラブコールだった維新の会との協力関係はさっぱり進んでいないし、
元から全国に候補者立てる資金などどこにも無い(維新の会もみんなの党が資金力あればくっついたんでしょうけどね)。
キャスティングボードも何も『生活が第一』に主導権をもっていかれるのは自明だろうし、かなり焦っているのではないかと思われます。
(みんなの党としては維新の会が事前にスカウティングで政党を立ち上げるって話出た時に「それがみんなの党になる筈だろう」と思っていたでしょうから落胆も大きいのじゃないかなと思われ。「こんなに尽くしてきたのに」みたいな、)
となれば、
本当は自民党はみんなの党提出の不信任案に乗るべきなんだよ。
そうしないと自民も分裂してしまう。
(同じ自民にも落選組っているんだからさ、現職の離党は少なくても落選組が続々と維新の会やらに集まりだせば結果大分裂と同じ意味で→そうなれば自民党は単独過半数を狙える政党で無くなってしまう。)
でも自民は「不信任案に乗る」ことは簡単にできないんだな、三党合意をやった谷垣不信任を意味するから。
(三党合意なんてものは民主執行部が自公を『補正予算連立』に引き込む釣り糸に過ぎないワケで、そんなものにひっかかる方が悪い。)
このままだと自民党は「自公民連立で補正予算やって分裂してでも解散を来年にして(自民は分裂しても)民主・自民合併により大政党の姿を維持するという野田政権の思惑に乗る方がマシになってしまう。
(こんなことに巻き込まれると多数派の民主党に間違いなく主導権握られる)
みんなの党提出の不信任案に乗れないのであれば、「三党合意を破棄したのは民主党だ」とか言い訳くっつけてでも7日に自民党も提出という噂の(否決狙いという)不信任案を「マジに可決させる」しか方法が無い。
自民党にこの決断ができれば8月解散、
この決断がきなければ(小沢氏の予測する)9月代表選後の解散となる(民主にも自民にも最悪のシナリオ)。
さて、自民党はこの袋小路にも見える局面をどう切りぬけるのだろうか。
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