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『フリーエコノミー時代』の経済をどう見るか

2013年01月10日

web関係の管理運営なぞに一枚噛んでいると「コンテンツの有料化」が命取りになる事は常識なワケだが(なんかダークホース的にまぐまぐのメルマガで堀江氏などが収益モデル出しちゃったなんてのはあくまでもマイナーだからあり得るモデルで追随した人が成功しているとはおおよそ思えない)、
これは経済学の新カテゴリーにおける『フリーエコノミー』の概念から見れば至極当たり前の話になります。
典型事例のフリーソフトは無料ユーザーのフィードバックであるとかオープンソース化による”有志のプルーフ”が成否のキモであって、メディア論的に言えばそれは「リテラシーの担保」って事になる。
古くから言えば民放ってのはこの当時から前段階的な(実は既得権だが)『フリーエコノミーモデル』だったのであり、
法人ならリクルートあたりの創世記も似たようなもんでしょう。
ヤフーがADSLのモデムを路上で配っていたなんて風景も思い出します。

ある意味既存のビジネスにおいても「広告」というものはどっかから金が出ているが拡散する場面においては無料が原則であって、
駅前のティッシュ配りのアルバイト君が「はい100円です」って始めたらどうなるのと誰が考えてもわかる話です。

ネット社会ってのはその性格上拡散なり閲覧者なりのメディアとしての性格抜きに語れないものであって、所謂ビジネスモデルそのものというより「なんかにおける手段のひとつ」のような代物だったりする。
その反対にフリーエコノミー故に、有名フリーソフトの「窓の手」みたいな有名どころの開発が止まってしまったり(なんせ開発者の方が個人的に忙しくなれば止まるワケでありまして)、社会的利便性がフリーだからこそ不都合になる事もある。
有力なフリーソフトはなんだかんだと別途スポンサー獲得含めて(インストール時に同梱されているソフトは構造的にはウイルスみたいな感じで感心しないけども)、食い扶持はどっかで獲得する事が”ならわし”みたいになっている。
(※フリージャーナリストなどがブログを突然有料化した途端に注目されなくなってしまうような現象はこれまでにも多数ある。)

考えるに、フリーエコノミー経済とベーシックインカムはセットで機能するものなのじゃないかと思うのです。食い扶持だけは別途保障されていれば更にフリーエコノミー的側面は拡大するのであり、フリーソフトやフリーのOSが伸びる事はユーザーって母数を見た時に(経済学的には総需要だわね)、業界にとって重要な鍵であり、正直言って日本の家電なりの足を引っ張ってきた部分はJASRACなんかもそうだけれど「フェアユース」的な部分がやっぱ制度として欠けていたのだと思う。
(某○下がVHSの販拡やった時に地方回りしてアダルトビデオ持った営業がなんて話は実際にあった。←ここにも無料のサービスが云々って絡みがある。)

つまり『フリーエコノミー』ってのは、ここの無料経済部分の自由化(或いは民主化)みたいな側面があり(なんせ元ネタはフリーマーケットあたりだろうし)、その概念をインターネットに乗っけたものと考えれば話が早い。
インフラ的にもISPなりが用意したフリーメールや(フリーのHPは利用者イマイチだったけど)、フリーで利用できるブログや各種SNSやら運営自体丸赤字だったyoutubeであり、そこを起点に始まっているものだから2chがログを転載した単純有料化モデルに強い忌避感を持つのも『そのまんまの安易な有料化モデルは失敗する法則』と同じなのかもしれません。
(考えるまでも無くフリーエコノミーは有料化された時点で無料じゃないんだから概念のとこから壊れる)


■考えてみれば『フリーエコノミー』ってのは広告やマーケティングの自由化であって、代替される産業は「集約的な大規模広告システム」なのでしょう。
元来フリーエコノミーは「在庫を豊富に抱えて大量に」という流通にその性格上対応しておらず、大規模広告で対応する余地の無いもので(ダイレクトに広告では無いのでフリーペーパーでも無い)、個人商店に相性がいいことになる。

総じて『自営業の促進』って言えば乱暴すぎるけれど、先進国における『共同幻想崩壊』に応じる形で『大規模法人の解体』が急速に進む可能性はあるのであり(大資本が解体するのではなく集合的組織論の解体)、『フリーエコノミー化』というのものは大企業の内部的構造でも起きる事なのじゃなかろうか?

だからこそ社会保険や年金の一元化と合わせてベーシックインカムなどが導入されれば「リスクの無い労働力の流動性」が可能になるばかりでなく、大規模法人における自宅SOHO的労働環境の促進など、本来のフリーエコノミーの姿ってものは「社会が『単独者化』していく方向に沿った社会性インフラ」なのかも知れない。
(先進国がその経済の重要性に『知的所有権』を置いた時に、うっかりするとそれは著作権保護やフェアユースの制限みたいに勘違いされたが、戦略的に『知的所有権』を重視するのであれば新規にアイデアがどれだけ社会に溢れるかって環境を考える方が先であって、方向性を間違えていたのではないのだろうか。)
自宅SOHOの可能性もしかりで(ISPがやたら力入れているクラウドサービスにしても)、運用における前提として「どういう方向いくと逆効果で、こっち側行くようにしておかないと」みたいなノウハウがまだまだ不足している。
(自宅SOHO的労働環境は単に働き方という意味だけで無く、プロ野球選手じゃないけれど従業員の個人事業主化のような制度的にも突っ込んだ論議が無いと本当の姿にならないような気もする。←ここにもベーシックインカムとの関係性あると思うのだけれど、)

※唐突なweb事業の有料化がほとんど失敗してしまう理由もわからないではない話です。
(これは各サイトが唐突に著作権誇示を始めるような意味でもあるのだし、)
社会の転換はまだフリーエコノミー社会でオマケ的に収益が見込めるような前提にまだ至っていないのであり、現状でもまだ前段階ってところでしょう。そこでバタバタして是非を問うには時代が早すぎると思います。

(広告収入にしてもマスメディアにおける大規模広告が完全にすっ飛んで、広告資金の大移動みたいな流れの中で、あたかも所得分配されるように広告費はネットに移行していくだろうから、現状だけの判断でweb広告の是非を論じるのも早すぎるように思う。大手新聞などが販売収益に比べて広告収入依存度が高まるなどの内部的変化は現在進行中で、その先にはマスメディアの大規模な変遷があるのでしょう。又、フリーエコノミー的な広告が得意とするのは大規模大量生産では無いので→自営業の促進などとこの点でもクロースしている。広告を必要するタイトルが無数に分岐するからこそフリーエコノミー経済の価値が上昇するからだ。)


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posted by kagewari/iwahara at 18:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らしの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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