しつこいようですが念押ししておきますと「厳密に言うと本来マンションは洗濯もの外干し禁止」です。これは建築的にも防犯上も保守管理上も資産価値的にも都市計画的にもそうなんです。
実際の運用では分譲マンションの一部やデザイナーズなどが管理規約や契約上外干しNGとなっているだけで、一般的なマンションはベランダバルコニーでの洗濯物干し禁止とはなっていません。
ここの背景なんですが、
建築基準上であったり公取的指導であったり不動産業界団体などでの分類で『団地』ってジャンルが無いんですよね。(ここ公団住宅で考えればわかりやすいかなと「分類上マンションである原宿団地の呼称はそのまま”団地”です」)
概念としては「団地とマンション」は違う筈なんですけど、不動産取引上の分類は「非木造はマンション」「木造と軽量鉄骨はアパート」となっているだけなので、暮らし方というか感覚的にゴッチャになってしまっているんです。
日本における非木造は文化住宅に始まる公団がリードしてきたものですが、
当時の設計や都市計画は「郊外の大規模開発ベッドタウン」的なものであったため(公営住宅もこの辺の設計意匠に倣うものに思います)、交通量の多い公道沿いであるとか所謂高級建築であるとかシングル向けであるとか防犯性などの想定から暮らし方まで現在の状況とは全く違うものです。
(そもそも文化住宅的アプローチは「戸建ての生活を都市部で」的なものであるため生活習慣的にも戸建て時代の暮らし方と違うものを想定していないと思います。)
などなどありましてですね、
すっかり日本では「マンションでもベランダバルコニーで洗濯もの干し」が一般的なまま継続しているのですが、前述のとおり本来は外干しNGなんです。
(古くは外干しでも日本も外国も同様に”共同での屋上干し”がメインで、更に欧米では洗濯乾燥機が一般的なので、ランドリールーム設備であったり、高級住宅であれば”ランドリールーム”として乾燥まで考えられている。)
実際昭和の試行錯誤の時代には意図的にベランダバルコニーの無い建築も少なくありません。
(昭和古築マンションには「洗濯もの干しスペースとしてサンルーム構造」持つものの少なくありません。このサンルームは所謂現代のベランダバルコニーの外側にも窓がある造りのようなものです。←縁側的イメージでもある。)
そして先日記事記載のとおり、昨今では「アレルギー物質や関東では放射性物質、はては中国からの大気汚染」などなど、交通量の多い公道に近い(都市計画上中高層建築は事実上幹線道路沿いでなければ建築できない)だけでなく、マンションにおいて選択ものを干す事は「実際問題違うのじゃないか」な認識拡大していくものに思います。
(注1:後述のとおりで日本に「ドラム式洗濯乾燥機」が普及始まった事にマンション物干し問題も関係しているでしょう。)
(注2:戸建てや木造アパートは都市計画低層指定区画がメインとなるので放射性物質はともかく排ガスであるとかバルコニー部分の錆問題であるとか区分所有特有の資産上の問題であるとか躯体の温度変化問題含めてマンションとは事情が大きく違い、現代でも屋外物干しメインで問題ありません。注1記載のドラム式洗濯乾燥機も振動や床強度含めて戸建ては例外としてマンション用設備と考えてもいいぐらいです。)
ちなみにですが北海道出身の私にとってはですね、外干しNGとかなんとも感じないのです。ご存知かと思いますが北海道で冬に洗濯ものを外で干せば「凍っちゃいます」から(笑
なにせ北海道の住宅は(土地だけはタダみたいなものですから)広いので洗濯機置き場もランドリールーム的に室内干し可能なスペースが割かれる設計が少なく無いですね。
(※窓があれば一定の日も当たりますが殊更サンルーム的な設計ということはありません。)
■勿論一番堅い選択は『ドラム式の洗濯乾燥機』となります。
とわいえ、乾燥時の温度設定であるとか容量的に全部を乾燥機でというのは難しい場合もあるだろう的に「浴室乾燥機能」なんていう設備もあります。
なんですが特別に浴室乾燥機能を謳っていなくてもマンション浴室は24時間換気が基本なので、乾燥機能は実装されていると考えてもらって問題ありません。「風の流れ」さえあれば十分な乾燥能力持ちます。(←”追炊き派”で常に浴槽に水を張っている方は事情違いますのでご注意ください。)
それでも、
布団干しにしても(しつこく説明しますが現代社会では”布団叩き”は必要ありません)、通常の洗濯でも太陽に当ててと希望される方少なく無いでしょう。
となれば、窓内側に効率的な物干し可能な機能をビルドインしたいところです。
理想は天吊り電動の物干しなんですが(これ実際に実装されてる賃貸物件あります)、原状回復考えれば賃貸でこれを工事しちゃうとかはあまりにも無理がありますし、窓際はそれなりの幅があるので強化型突っ張り棒の設置も無理があります(強度的にも厳しいでしょう)。
■DIYで簡単に考えられる対策は『左右に置いた家財の上に市販の物干し竿を”渡して置く”』になります。
シンプルに考えれば物干し竿を渡せる同じ高さでハイト180cm前後の家財(しかも奥行的に邪魔にならない)を探せばいい事になります。さて、そんな都合のいい家財って何かあるかと考えてみてですね、一般事例から考えられる候補は『本棚』『収納棚』あたりがせいぜいです。
極論高さ180cm幅180cmのハンガーラックという究極もあるかと思いますがそうそう便利な商品は無いだろうとあれこれ探してみると。
(格安で工事で天井から下げるタイプあるんですが現状回復で問題になってはいけないのであえてこの場では同商品は紹介しません。)
■やはり「室内干しアイテム」需要は相当にあるようで、
わんさか出てきますね。
使えそうなものをいくつか紹介してみます。
現在価格:1,330円
エアコンに引っかけて乾かす!室内干し 室内物干し 洗濯物干し エアコンハンガー 耐荷重5kg (B109)

これはエアコンとは限らないでしょう。
大概のエアコンは窓の上あたりに設置されてますから、軽いものなら窓内側簡易物干しとして使えそうです。
普段は『ドラム式洗濯乾燥機』で、ちょっとしたものだけこちらを使うとか併用すればこのサイズでも十分。布団とかは無理ですけど、、
(エアコンの位置が窓から横になっている方はそのままエアコン乾燥として利用でいいでしょう。)
本格的となればこちら、
現在価格:8,800円
JKプラン 室内物干しハンガー 大 zjknj-036

ちょ〜っとお高いですね。
これだと室内側の支柱が邪魔かも、、。
『家財の上に物干し竿作戦』ならこんぐらいのものになるでしょう。
(あまり幅が狭いと安定感が悪くなるのでこれぐらいの設置幅のが安心です)
現在価格:5,490円(これを二台窓の左右に)
山善(YAMAZEN) 本棚オープンラック(幅90高さ180) ナチュラルメイプル COR-1890M(NM)

収納棚が多くて困る事は無いと思うので、案外これがベストチョイスかもしれません。
天板部分への物干しの設置方法はDIYな方が「自分で考えてください」(笑
あくまでも紹介の事例は参考ということで、
工夫して考えてみてはいかがでしょうか。
マンション生活の方には何かと便利なアイテムになるかもしれません。
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