昔から職人的リアルデザイナーズであった『和室』ですが、
その意匠だけでなく下手なフローリングよりコストかかってますし(なんといっても畳の表替え機能により初期投資が大きくてもランニングコストが低いためそれが可能になっている)、床下への遮音であるとか、熱容量的なものだとか、腰への負担などいいことずくめなデザインが和室です。
デザイン性は賃貸の場合高級木造に属する2×4よりフレーム構造の木造モルタル(室内から構造上の柱が見える)の方が上位で、中古の輸入家具などを置いて見たり襖を外してリアルウッドの柱をあえて強調したりすると、中級クオリティーの洋室より高級家具が似合うのが和室です。
(※昨今新しいものはほとんど2×4系のモノコクック系なのでデザイン優先であれば狙って古築木造を選択するのがベターとなります。)
その和室も木造APに限定されるものでは無く、昭和のマンションでは一般的なデザインのひとつであり(同時に床工法がそれに倣うデッキ構造になるので設計上の是非はともかくめB・T別の設計もやりやすかった側面もあります)、現在ほとんどの和室が需要にこたえる形で洋室へリフォームされてますが、まだまだ2DK〜3DKの古築マンションでは柱の見える和室が残っている部屋があります。
中には和室の畳のへこみを気にして家財を置きにくいのでは無いかと心配される方いらっしゃいますが、勿論畳の芯に及ぶ極端な凹みは例外として一般的な凹みは”表替えしちゃう”のですからそれほど原状回復など心配する事はありません。
確かに注意するに越したことはありませんが、結果として無駄な家財を置かずに『卓袱台利用』で「リビングでは’無く茶の間」を追求する事は部屋を広く使い続けられる事でもあるので、それは一概に弱点とは言えません。
(※というか重量物の家財の場合、フローリングに傷つけた時のほうがガッツリ原状回復求められます。←『東京ルール』においても明記される借主責任。)
■ここが一番のキモに思うんですが「昔の和室は広い」。
全部に及ぶワケではありませんが、築が昭和年であれば和室の畳は「江戸間も多数」ありまして(最近の団地サイズに比べて江戸間は1.2倍広い)、昔の和室の6帖表示は現代作の広さで言えば7.2帖に相当するので仮に洋室に改装されてたりすると「元が江戸間なら改装後”洋室7帖以上”の表示になる事が多い」のです。
それこそ昔の和室で8帖なんていいましたら現代的には10帖で表示しようかって勢いになります。
築浅マンションの物件表示で6帖の部屋を狭いと感じている方なんかにとって、古築木造APの和室6帖は驚くほど広く感じるものなんですね。
しかし物件表示上「江戸間・団地サイズ」を表示する慣行は無いため(業界団体的には江戸間を基準にという方針あるようですが分譲マンションなども団地サイズ表記なので事実上”築浅”のものは団地サイズ表記でという流れに思います)、というか内見して畳が6枚なら「6帖でしょう」となりますよね。その関係で「江戸間6帖の部屋を殊更”最近のマンションなら7帖以上の広さです”」みたいな説明が付くことはありません。(←前後の経緯からすると逆にこの表現すると公取違反になるのではと思われ)
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知っている人だけが得する情報のひとつですね。
(冷静に床面積と間取り上の比率を見ていけば「江戸間6帖=9.24u」を想定する事は誰でもできるんですが、慣れてないと感覚的に間取りで実際の広さを想定するのは難しいものかなと思います。)
ソースとなるようなDATAがあるのでは無いんですがここ1、2年スパンで体感した傾向として、
「ネコも杓子も洋間リフォーム」だった流れが一段落した感じするんですよ。割と有力どころの分譲などでも和室のままルーチンリフォームされていたり、リノベーション後も和室だというパターンも(あくまでも感覚的にですが)増えてます。
部屋探しの希望条件詰める時なんかに「洋室マスト」外してみるのもアリに思いますよ。
案外「できれば和室も希望」にしておくと(フローリングをネグる事はしないでしょうから)、面白い部屋がわんさか出てくるかも知れません。
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昨今和室造作の評価が高まっている件
2013年06月21日
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