報道によると地域独立の動きは世界各国で無数にあるそうで、
スコットランドの独立の成否はともかく「住民投票で独立」という動きは(香港もウクライナもある意味それに近いものありますが)現代文明のトレンドとして顕在化しています。
日本におけるここ十年来語られてきた「中央集権解体地方自治の拡大」というのも意味合いとしては同じ事ですね。
これはですね、世界的に文明が進行する中で社会心理的な『共同幻想』崩壊とリストラの流れが確実なものとなっており「国家の在り方」のようなものがより象徴的なものに変遷しているんですよ。
いきなり独立というのも無理筋な話になりますが、中東のジャスミン革命に始まる動きもそうですが「若干集団心理で行き過ぎ」の側面もあります。
逆反動とでも言いましょうか、どこでも独立となればエキセントリックなテーマにもなりますのでそれは興奮のボルテージも上昇するものに思いますが『共同幻想』崩壊とリストラの流れは旧来の国家主義的なものから「どんだけ緩い連邦制みたいな方式が考えられるか」みたいな話なんですね。
この話は個人レベルでも同じでありまして、
「『共同幻想』適応型の社会適応重視の労働者型人格」のようなものが近代以降求められ制度的にもその方向で運用されてたのです。
その目標は当時の殖産興業への政策投資と同様に「国として食えるようになるため、近代化し豊かになるため」でありましたので本来的な意味の伝統文化の流れにあったものでは無く、世俗主義的な利益重視の合理的判断による言うならば便宜的にでっちあげたものなんですね。
(なかなかそういう事が無いと国家は先進国型にテイクオフできなかった。)
つまり、当時の目標が達成され「食える国家、豊かな国家」となれば本来的意味の伝統文化との齟齬や新たに台頭する個人主義的独立(所謂個性化ですね)、この辺と整合性を欠く事になります。
先進国化以降は「中央集権的社会適応」なるものは逆に「規制緩和政策の対象」にもなってくるのであります。
(ゆとり教育などもそのテストケースでした)
結果個人レベルでも「社会適応より個性化が重視される時代」となりまして、人格タイプも『共同幻想』適応型から本来的な意味の『単独者』型(個々に独立型・個性化)へ変遷しているその最中でございます。
しかしその場面でエキセントリックに「国籍も返上だ!」なんてなりませんよね。
現在進行の諸外国独立騒動の動きには「集団心理特有の過剰化」がごっちゃになっているのです。
皮肉な話で個性化となれば多数の違う意見を緩くまとめる社会が志向されるべきところなんですが、本来の伝統文化に根差したネイティブな『共同幻想』回帰的な独立運動になってしまうと「個性化のモチーフとしてはアリなんだが政治的動きが右傾化し『正当・共同幻想』依存みたいな形で逆回りになってしまう」という矛盾が発生します。
今でこそ米国独立宣言的な方向で地方自治みたいなのが語られるのがマッチしているのではなかろうかと思うのですが(米国は州の独立だとかそっち方面のベタな広報した方がいいのじゃないですかね?)、
そんなこんなで地方自治の拡大が今後求められる事は確実で、
昨今日本でも知事と霞ヶ関との間で対立関係が発生する局面は多数あります。
そうなると常に「補助金行政の云々」みたいな難し話にもなるのですが、多分ここの論点を収斂させるポイントも個人に対する制度なり政策になると思うんです。
先進国はどっちにしろ『ベーシックインカム』政策導入を今後検討する事になります。
これ社会レベルで考えると、最も参考になるのが「米国メジャーリーグの収益配分制度」だと思います。贅沢税方式とも言われる分配方式ですが、導入により競争の公正化が図られリーグ全体に利益になるっちゅう考え方ですね。言うならば『社会的ベーシックインカム』です。
現在の補助金行政は「言う事聞かないと切っちゃうよ」的な行政上の権限の範囲内で運用されているので結果として許認可がらみで多数の矛盾を抱えておりおおよそ成功しているとは思えないのですよ。
そんなこんなで「無理のない方向へ政策的変更」があればいきなり独立国家みたいな事にならずとも緩〜く各地域の個性化が促進されるって事になるのではなかろうかと、
しかし、この制度は個人に対する『ベーシックインカム』同様に権限を持っている側からの大反対が予測されますから「どういう交換条件を権限を持つ側に提示すればスムーズにいくか」ってな泥臭い知恵も必要でしょうね。
実際地方自治で言えば、何とか文化財指定のような建築を守ろうと条例も何も無く自主的に古来の建築とその修復が行われる地域があったり、住まいや建築に大きな影響与える部分もあります。
日本全国どこに行っても高級マンションは同じってなのじゃ面白くないですものね。
地方が個性化する事で「是非そこに暮らしたい」ってな人が自然に移動する事でより個性化は促進しますし、建築技能的な個性化も進むのではないでしょうか。
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スコットランド独立の話は案外私達にも関係あります
2014年09月18日
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