過去ログにあるんですけれど、そこはブログの特性でどうしたって埋まっていくのでこの辺の特集は毎年恒例となっております。
何故かしっかり説明される事の無い「3点ユニットの使い方」により、特に一人暮らしビギナー中心にトラブルが起きちゃったり、誤った使い方で意味不明の悪評が広まったりするため誤解される事の多い3点ユニットですが、住宅設備部材として大変優れたものですから今年もしっかり説明しておきます。
■マンションとB・T別の関係
大前提からですが、建築グレード的に非木造は「RC造>鉄骨造」です。
次にB・T別設計の容易さは「鉄骨造>RC造」です。
(ちなみに木造は鉄骨造より更にB・T別設計が容易)
つまりいきなりB・T別マストのフラグを立てる事は、グレードの高い建築・設計の候補を除外してくださいの意味になってしまうため得策ではないのです。
勿論、実際に部屋を見て使い勝手から合わない場合もありますが、いきなり合理的設計のグレードの高い候補を全部捨てる希望条件設定を合理的と考える人はいないと思います。
RC造がB・T別を苦手としている理由は実に簡単で、RC造は簡単に言えば床下もコンクリなので配管スペースが無いのです。配管する場合は「そこだけデッキで高床に」しなければなりません。
しかも熱伝導性の関係から結露しやすいマンションの場合(それが原因で断熱財も入って無いのですから)、デッキ構造下の配管を「最短距離」にするのが優れた設計になります。
ですから合理性を最優先とする設計は「3点ユニット裏にミニキッチン」のいかにもな昭和の投資向けマンション設計となったんです。
仮にB・T別の設計をやろうとすると、これは「広いレストルーム(B・T同室)を間仕切りで仕切った設計(当該部分の床下だけデッキで上げる)」としなければならず、ぶっちゃけて言えば「水周り室4帖半」とかの広さが必要になってしまうんです。
自由にレイアウトできませんから、どうしたって無駄に床面積を必要としてしまう。
「RC造マンションでB・T別洗濯機置場室内=25平米8.5万の法則」というのはこの辺からくるものです。
それこそ六本木の著名な高層タワー高級マンションとかでも3点ユニットじゃありませんけれど、B・T同室レストルーム設計となっており、大前提として知っておくべきはB・T別は仕様上日本建築なので、木造建築向きの設計である事です。
勿論日本人なら生活習慣上B・T別に馴染んでますから(ご実家は木造戸建てだったりするため)、昭和公団などが試行した文化住宅時代には、非木造でもB・T別だし居室も床仕上げ畳でした。しかしこの設計ですと床下全フロアデッキ上げしなければならず、冒頭説明のとおりで「結露により床が緩くなる」なども多発したんですね。
現代でも「B・T別で最高グレードの部屋は高級木造アパートである」ここを忘れちゃいけません。
●ですからどうしたって非木造マンションが主力となって以降のシングルライフは、妥協案的にB・T同室なり同一生活のスキルはマストなのであり、希望条件をB・T別にしちゃうことは解決策では無いのです。
ちょっと前置き長くなってしまいましたが、
■そんなこんなで「3点ユニットの使い方」ですが、
過去ログはこちら
http://kagewari-retour.seesaa.net/article/201046742.html
http://kagewari-retour.seesaa.net/article/395199492.html
ザックリまとめますと
・3点ユニットのトイレは余計な布のカバーを極力減らす事
(B・T別のトイレほどには3点ユニットのトイレの温度は下がらない)
・3点ユニットに限らずマンションの浴室換気扇は24時間回しっぱなしにする事
・3点ユニットをシャワーバスで使う時「かならず排水口にごみ取りネットを使うこと」
(100円ショップでも入手できます)
・入居後初期点検で「浴槽排水を確認すること」
(前の入居者が使い方を誤っている場合があるのも事実)
・3点ユニットマスターは入浴とお風呂掃除を同時に済ませる
・3点ユニットの入浴方法は西洋式が便利
(入浴したまま洗い・シャワーで流して出てくる←ここで同時に掃除までいける)
●特に、とくに重要なのが
3点ユニットをシャワーバスで使う時「かならず排水口にごみ取りネットを使うこと」
↑
ここです
何故かこれが基本設備に備わっていないため(なかには排水口がごみ取り構造式の場合もありますが)備品として自分で用意しなければなりません。
これを忘れて、じゃんじゃん排水集合管の消臭トラップに髪の毛を詰まらせてしまいトラブルになるケースが多いのです。
■3点ユニットと独立洗面の関係
なかなか格安シングル向けで独立洗面は望めないですよね。
しかし、
しかしですね「3点ユニット」とは「ある時は全部がバスルーム」「ある時は全部がトイレ」「ある時は全部が洗面室」になる設備なので(それは必ず洗面がついているから3点なワケで)、下手なB・T別で浴室内に洗面もあるよの使い勝手よりはるかに独立洗面的使い勝手はいいのです。
(故にホテルのシングルームの設備になるのでありまして)
ですから賃料格安に洗面室も欲しいと考える場合→それは「3点ユニットの部屋希望です」と同じなのです。
などなど優れた設備部材ですので是非偏見無く見てやってください。
勿論の事、断熱性能含めて日本人には「高級木造アパートのが断然居住性が優れている」のは事実なので、◆◆B・T別希望の方は木造アパートを希望条件から除外しない事◆◆も忘れずに。
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春のビギナー向け特集「今年も書きます3点ユニットの使い方」
2015年02月20日
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