以前のマンション基礎問題の記事などでも指摘してありますが、マンション含め不動産全般に言える事なんですが「各国の政策当局が経済成長の重要な指標としちゃっている」ことが大変大きな影響を与えています(イギリスでも不動産政策は政権を左右する重要案件なんて記事を読んだ事あります)。
所謂経済指標という奴で、報道などでも「マンション着工数の推移がどうこう」とかよく聞きますよね。結果として政策当局も不況時てこ入れとして住宅ローン減税など「毎年やってんじゃないのか?」ってぐらいによく打ってます(自動車産業政策の時にも似たような政策誘導やるのが定番化してますね)。
こうなってしまうと、建替え更新しない事があかたも非国民的なナントカにも捕らえられかねません。流石にそこまでの話は無くても「新築って事がことのほか善きこと」のような印象付けられているのは間違い無いでしょう。
実際そんな事ある筈も無いのでありまして(五重塔(ごじゅうのとう)はとっとと壊してコンクリで建て直すべきとかの話を聞いたことありません)、燃費や排ガスなどその論議は別問題の車と違い、住宅の築年数が新しいほどいいなんて話は本来論外です。
(※流石にここに耐震性の話を持ち出すと長くなるので、興味ある方はHPコンテンツの「間違いだらけのナントカ」を参照ください。)
しかも、経済成長率に貢献するため壊してくださいってね、、これじゃ「経済成長のために国民は借金と浪費を続けてください」と誘導しているのと同じです(住宅政策に関しては実際そうなですけどね)。
人が住む場所なんですからね、もちょっと考えていただきたいところで、
確かに内需の中心に建築関係ありますが、産業構造の変化で昨今はインフラ投資をするとマンション建築などの民業圧迫が起きる状況にあります(公共事業が増えると人材不足と資材高騰で民間建築がストップする)。
既にマンション建築着工数なんてものは経済指標でもなんでもなくなってきているのです。
■政策当局が重視すべきなのは「住み替えやリフォームや設備入れ替えを含む、住宅に関わる周辺の流動性」でありまして(ぶっちゃけ賃貸住宅の全てをペット可とする法案通しても経済効果は必ずあります)、勿論賃貸住宅政策だって立派な内需拡大効果あるのです。
地方自治体や政府に期待したい政策をざっと挙げてみますと、
・自治体首長による保証人代行(基金などによる運営で二段階保障として半官半民のがいいかも)
・高齢者の安否確認システム導入などの自活支援
・家族世帯への家賃補助
・大家さんの賃貸住宅リフォーム設備投資を非課税
・大家さん個人含むリフォーム資金の低金利貸付
・固定資産税の耐用年数延長(増税とならないよう別途配慮)
・産官学による非木造建築延命検討機関の設立(何らかの認定基準策定)
(産業としてもゼネコンを「公共事業を主たる業務とする」に位置づける方がベターなのでは←公共建築にも『分譲キラー』のように「役所は賃貸で」みたいなシステム入れれば無駄な箱モノも減るような気がします。)
地味ですが、こういう政策のが産業側にも需要側にも経済浮揚効果のある実対策だと思います。
(むしろ建替え基準には各自治体が都市計画で制限設ける方がベター。「コンパクトシティ条例」だとか「公的駐輪場の義務付け」だとか「保育園など転用可能な一部自治体への賃貸の義務付け」だとか)
●また分譲・売買物件の資産保全策として、
前述の「自治体による保証人代行」のように、中古マンションなどの担保価値保証を公的にやってみて(不良債権とならないように利回り計算して運用)、民間マンションの一部を公営住宅に自由に編入できるようにしてみるなどの流動性対策があってもいいかも(大手流通業者の買取保証額を微妙に押し上げるかもしれない)。←民間マンションも公的所有者が増える事で管理組合の運営を安定化できる。
暮らしやすさを優先する”実需を喚起する”政策がまだまだ不足しているように思います。
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