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都心と地方経済の関係

2016年08月07日

東京都にお住いの方だと、時に地方交付税であるとか地方への所得分配に関していろいろ思うところある方いるかもしれませんが、考えてみれば都市から地方への所得分配は合理的根拠があります。
ふるさと納税も様々な問題ありつつ(大問題は高所得の世帯にだけ優遇措置があるというところですが)定着もしてきました。

何が合理的根拠かと言えば、
都心部の人口は過半が(東京などでは6割を超える人口が)地方からの流入です。
この流入する人口の子供時代から育成は教育から福祉予算も含めて地方が行っており、地方としては「さあこれから」って時に人材を奪われていることになります。
地方に雇用吸収力があるないに関わらず、構造としてはそうなっていますからその人財育成の部分だけでも都市部は所得分配の形で共存の道を明確にしないと地方はやっていられない話になります。

米国などの事例でも都市部より地方の方が出生率が高いDATAなどもありますから、事は少子化対策の意味合いもあります。
この構図はプロ野球メジャーリーグなどの方式にも似ていて、メジャーリーグの場合資金に余裕のある贅沢球団から弱小球団へ資金を回す仕組みがありますが、他球団の存在無くして人気球団の存在もあり得ないのであり、そこは持ちつ持たれつの制度がなければ共倒れなんて話にもなるワケです。

EUの失敗やドイツに対する批判にもそこは言えていて、
昨今の状況であれば、ドイツは移民を新規労働力のように捉える一面もありますから(人身売買みたいに考えるのもアレと言えばアレなですが、、)図式的には出身国に対して所得分配しないと筋が立ちませんが何故かそういう話にはなっていない(そこはそれ移民先の国で福祉予算他持ち出しが多いんだなどの論議は別項あるにせよです)。これじゃいかにも制度として無理が出てきます。
移民の間にも「ふるさと納税のような制度があれば是非」ってニーズあるかもなんですからね。

話を日本に戻しますが、
地方の高齢化には日本経済の都市文明的要素が関係しているのは間違い無いところなのですから、この状況で地方を切り捨てするのは大問題ですし、選挙における議員配分の話にも及ぶ論議かと思います。環境的にも地方が山林を守っている事は大きな貢献でもあるのですし、分配すべき都市部の所得はしっかり地方に分配すべきで、翻って地方においての子育てなどの環境が充実することはトータルで「経済成長の図式と人口移動」のバランスを今後も継続維持可能としていくのですから。

実際の話都市計画的にも都心部には都心部だからこそ(地価水準などなど)限界もあり、
何から何まで都心部集約により効率化や合理化を図る事が国家としての予算半分として効率的なのかって部分もあります(そこは都内における予算配分にも言えるところかと思います)。
しっかり郊外や地方へのインセンティブも何らかの形で残しておかないと(EUにおいては出身国へのなんとやら)、短期的表面的な市場原理で都市経済サイドが不公平に有利になってしまうため、結果様々な弊害が出てしまうだけです。

確かに日本は全体として人口減が進んでいますから「コンパクトシティ」的な集約が合理的であるのは事実なのですが、何から何まで集約すればよいという事にもなりません。
(※過剰に郊外乱開発を進めた地方が、原点回帰で集約化を図るのは趣旨としてまた別の論議。)
共存共栄という意味で地方の活性化を都市部からの所得分配抜きで考えるのはナンセンスです。


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posted by kagewari/iwahara at 21:06 | 暮らしの心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする