やっかいなポイントは築年数でしょう(2)
2019年06月05日
室内の設備や造作の状況も「必ずしも築年数に比例”しません”」
たとえば、礼金などで借主有利な通称「公庫物件」などの場合(大家さんの賃貸条件が縛られていることもあって保守費用が苦しく)築年数浅い物件なのに室内造作が老朽化したままの部屋もありますし、図面資料にはリノべーションと謳っていなくても、築年数に関わらず「定期的に老朽化設備が改装され募集時はどの部屋も室内造作が綺麗な物件」も存在します。
●どうしてそうなるのかと言えば、これも簡単な話でして
不動産賃貸運営は利回りを収益とする資産運用です
賢い大家さんなら減価償却計上しつつ改装積立も行います。
税法上室内造作はおおよそ使用10年で全損耗扱いとなるので、
「10年目途に全面リフォーム」という運営が、リノベーションって言葉が登場する前から管理のしっかりしている物件では”常識”でした。
加えて、前項でも述べましたが(工務店さんの見積もり時の単価が同じでも)木造と非木造では改装工事の難易度が大きく違ってくるため、割安な古築木造アパートの内装がすこぶる綺麗なんて話も珍しくないのです。
更に昭和の部屋不足の時代と違いますから(当時は内見できてよかった1件目で即申込など普通だった)、内見は複数候補で行われるのが一般的です。
他室と競争になるのですから、室内造作の綺麗さで負けることは空室管理・募集競争力の点で大きなリスクになります(仮にその失敗で半年空室になってしまったら?と考えてみてください)。
堅く、クレバーな大家さんなら
有力な運用ノウハウとして「10年目途に全面リフォーム」に行きつくんです。
●大家さんの財務状況からみても、
安定継続更新入居者が10年更新で暮らした部屋となれば「改装費用の積み立て体力も十分」です。
それに比べて、
築年数重視の契約者さんは(自分が暮らして築年数を重ねますから)、解約が早い傾向もあって(また次の築浅へ)大家さんの改装積立が安定的に運用できないケースも少なくありません。
(※ちょっと話それますが平成時代に「原状回復敷金返却紛争」が起きたケースって、ほとんどが築年数の浅い住居と、短気解約契約者との間で起きていたのです。)
つまり、築年数の浅い部屋なのに室内造作がかなり劣化しているケースも少なくないのです。
↑
こういうった部屋の内見が続いてしまうと、築浅希望の需要者は失望感から「新築しか無い」のような悪循環に至り、ますます賃料想定が上昇してしまったり、、。
あまりにもあたりまえの答えになってしまいますが
「(部屋の状態は築年数と関係が無く)内見で見てみないとわからない」のです。
(※プロ的に言うと「取引態様」である程度の振り分けをすることもできますが←この話はまた別の機会に。)
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