評論家伊藤貫氏の言うような米国の核抑止安全保障論文などの知識はありませんが、
そんなものなくても、現在の「ウクライナ紛争」を見ていれば既に核抑止論が形骸化していることがわかります。
・米国はウクライナを使ってロシアを攻撃しているし
・ウクライナは核武装していないがロシアから核攻撃されておらず
・ドイツの保守系有権者はドイツへの米中距離核配備に反対している
・核保有国のイスラエルに対し前回イランは平然と(予告しましたが)ミサイル攻撃を行った
・イスラエルのテヘランにおけるハマス幹部暗殺はイランの反撃を躊躇させた(今回は攻撃すらできなかった)
ウクライナ紛争の局面において重要視されているのが「20世紀的な砲弾の生産力」という始末。
通常兵器の整備は(時に感情論で持ち出される核武装の)何倍も重要であり、
地味なところですが、ドローン含めたミサイル迎撃のコストパフォーマンスも重要視されています。
(トランプ大統領の重要政策は「イスラエルのようなアイアンドーム迎撃ミサイルシステムの構築です」)
■日本が進めるべきは、実現性の見込みが無い核武装や核シェアリングではなく、
「イージス艦を中核とした迎撃ミサイル網」であり、
国内からも反対の出にくい「地上配備レールガン迎撃システム」であり、
つまり合理的な通常戦力の整備です。
※現代の国際情勢において、核抑止は心理的なブラフ以外の使い道は無く、同様の効果なら核兵器以外でも可能です
(オバマ政権時の北朝鮮に対する斬首作戦にも同様の効果があった《現状のイスラエルとイランにおける状況もこれに類似》)
現在自衛隊は旧式の74式戦車を廃棄せず今回のロシアの戦術に習ってモスボール(使える状態で保管)とすることを決定しています。
古典的な兵站の重要性が再認識されているからです。
※一部の噂では退役している海上自衛隊の潜水艦もストックされているという話もある(保有数を財務省に制限されているんですよ)
核武装論とか持ち出すと、「なんか凄いことのような気になる」のかも知れませんが
国際政治はリアリズムで動いているのであり、
感情論で語るべきものでは無いでしょう。